高齢者だとクレジットカードの審査に通りづらい?

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ガラケーからスマホに買い替えたとか動画配信サービスを利用したいなど、高齢者の方もクレジットカードで支払いをしたい利用シーンは増えているのではないでしょうか。

旅先や移動中のサービスエリアでのお買い物も、クレジットカードがあると支払いがスマートなので時間を有効に使えます。

クレジットカードを発行してもらうには審査が必要になり、申し込み基準も設定されていますので、これらをクリアしなければクレジットカードを持つことができません。

ここでは高齢者の方もクレジットカードの審査に通るのか、それからシニア世代がクレジットカードを利用する際に気をつけたい項目などを徹底解説していきます。


もくじ

高齢者はクレジットカード審査に通りやすいとは言えない

結論から言ってしまうと、高齢者でもクレジットカードを発行してもらうことは可能です。近年では収入が年金のみだったとしてもクレカが発行されるケースも増えています。

しかし、新規申し込みをして審査に通りやすいかということはなく、どちらかというと不利になってしまいます。

クレジットカードの申し込みには年齢制限がかかっていることもありますし、支払いを行うための安定収入も必要になります。

いくら利用者が「ちゃんと払えます!」と言ったとしても、そこを判断するのはクレジットカード会社になるので、審査に落ちてしまうこともあるんです。

では、なぜ審査に落ちてしまうのか、その理由から見ていきましょう。

高齢者がクレジットカード審査に落ちやすい理由

入力内容に誤りがある

意外かもしれませんが、入力内容に不備があるために審査落ちするケースは年齢に関係なくあります。

高齢者の場合、申込書が老眼で見えにくかったり書かれていることがわかりにくかったりすることで記入・入力を間違ってしまうケースが多いようです。

でも、間違っているとしたらクレジットカード会社から連絡がありそうなものですよね。

なぜ記入ミスで審査落ちするのかというと、クレジットカード審査では申し込み時に申請した内容をもとに主に機械が審査を行います。

人がひとつずつ目で見て審査をするわけではないので、うっかり間違えてしまったのか、それとも審査に通りたいために嘘の内容を記入してしまったのかを判断することはできないからなんです。

そのため、申し込み内容に誤りがあると「虚偽の申告があった」として、審査に落ちてしまうことがあります。申し込み内容には間違いがないようにしましょう。

高齢者は収入の安定性に欠けると判断される

収入が年金のみの場合、収入面で審査に通るか不安な人も多いと思います。

年金を収入として審査するクレジットカード会社は多いので、職業を選択する欄などに「年金受給者」などの文字があれば申し込みは可能です。

しかし、年金の金額はこれまでの仕事や生活によって人それぞれですよね。受給開始の年齢も異なります。

こういったことから、「年金受給者は不可」とか「年金受給者でも誰でも審査に通過する」と言い切ることはできません。

クレジットカードの支払いは翌月または翌々月などに口座引き落としで行われるので、安定した収入があることはクレジットカード会社にとって非常に重要になります。

安定収入があるかどうかの審査は年齢に関係なく厳しく行われますので、収入面が原因で審査落ちする可能性は大いにあるでしょう。

年齢制限に引っかかってしまった

クレジットカード会社が設定している年齢制限よりも年齢が高い場合は、対象外となってしまうので審査落ちしてしまいます。

ただし現在では、明確な年齢制限がない場合、年齢が理由で審査落ちする可能性は低いと考えていて大丈夫です。

クレジットカード審査は、これまでのクレジットカード利用状況やローンの返済方法などの「信用情報」と、収入、家族構成、住居のスタイル(持ち家か賃貸かなど)などの「属性」に点数を付けて、その合計点数が基準値よりも高いか低いかで判断をします。

総合的な判断になるので、年齢が高いということだけで審査に通らないということはないのです。

ライフスタイル全体から審査落ちすることもある

いくら年金があって趣味や旅行などを楽しむような生活をしていても、現役世代と比べると返済能力は劣ることになります。

このことは、クレジットカードから見ると「貸し倒れの可能性が高い」「返済能力が低い」と見なされてしまう原因になります。

現実を考えるとシニア世代よりも現役世代の方が将来性があり、クレジットカード会社にとっては優良客となります。

こういったライフスタイル全体から、リスクを減らすためにクレジットカード発行を見送られてしまうこともあるようです。

高齢者に気をつけてほしいクレジットカードの使い方

手持ちの現金がなくても支払いができるクレジットカードは、日常生活でとても便利なものですが、利用者にとって便利ということは悪用する人にとっても便利ということになります。

ここでは高齢者がクレジットカードを利用するときに気をつけたいことをご紹介します。

クレジットカードでも振り込め詐欺はある!

なかなか沈静化しない振り込め詐欺ですが、クレジットカードを使った振り込め詐欺事件も発生しています。

例えば詐欺業者から「○○税(自動車税などの税金)の納税が確認できないので、以下のURLにアクセスしてクレジットカードから支払いをお願いします」といったようなメールが送られてきます。

URLを開くとクレジットカード番号、有効期限、セキュリティコード、暗証番号などの情報を入力するような画面になり、入力してしまうことで情報を不正入手されてしまいます。

こういった、いかにももっともらしい連絡があると善良な人ほど「すぐに払わないと!」という気持ちになるものです。

しかし、クレジットカード情報は知らない人に不用意に渡してはいけません。

改元詐欺にも騙されないで!

今年、元号が平成から令和に変わりましたが、こういったときには「改元詐欺」と呼ばれる詐欺事件が横行しやすくなります。

クレジットカードを使った改元詐欺では、

「元号が変わったため、クレジットカードが使えなくなります。カードを交換する必要があるのでこの封筒に入れて変装手続きをお願いします」などの連絡が届き、慌てて返送してしまうとクレジットカードそのものを盗られてしまう。

「元号が変わるとお手元のクレジットカードが利用できなくなるので、確認のために銀行、暗証番号などを記入してご返送ください」などと、クレジットカード会社を装った連絡が届いたり、クレジットカード会社の社員に扮した人が実際に家に来たりします。

カード情報を渡してしまったことで、キャッシング枠でお金を引き出されたりカードを使われてしまうわけです。

こういった詐欺は、社会的に大きい出来事があるときに起こります。例えば、マイナンバーの通知、オリンピック開催の決定などですね。

また、こちらはキャッシュカード情報を狙った詐欺になりますが、
「地方銀行が統合することで今までのキャッシュカードが使えなくなるため変更手続きをお願いします」
とか、
「元号が変わるとキャッシュカードの暗証番号を変える必要があるので、暗証唱番号と新しい番号を記入してキャッシュカードと一緒に返送してください」
と連絡が来たり、銀行員を装った人が家に来て、キャッシュカード情報を不正入手してお金を引き出されてしまう詐欺もあります。

元号が変わることでクレジットカードやキャッシュカードが使えなくなることはありません。それでも不安な場合は、クレジットカード会社に直接問い合わせをする、家族や周りの人に相談するなどひとりで判断しないようにしましょう。

「知らなかった」では済まされない延滞

こちらは詐欺ではないのですがクレジットカード利用において気をつけてほしい内容です。

たとえば、クレジットカード利用代金の支払いを、今までは仕事をしていたときに使っていた口座(給与振込口座)からの自動引き落としにしていたけど、年金生活に入ったことをきっかけに年金受取口座として新たな口座を作ったとします。

こういった場合、クレジットカード引き落とし口座も新たな口座に変更しないと、今まで使っていた口座に引き落としがかかり続けることになります。

元の口座に十分な預金があれば問題ないのですが、うっかり忘れたままにしていると残高不足のために引き落としに失敗して延滞となってしまいます。

知っておこう!延滞した後の流れはこうなっている

延滞すると必ずクレジットカード会社から催促の連絡が来ます。

最初は電話による催促になります。電話連絡はとても早く、延滞が発生した翌日にかかってくることもあります。

●まずは電話による催促
この電話では、クレジットカード名義人以外に用件を伝えることはありません。そのため本人が不在のときにかかってきて家族が出た場合などは緊急であることが伝わらないため、延滞が伸びてしまうことになります。

●書面での催促に進む
電話連絡がつかないまま日数が経ってしまうとハガキによる催促になります。書かれていることは「引き落としを確認できなかった」という報告と「支払う金額・期限」などになります。

このハガキでも入金を確認できない場合は、封筒に入った書面が送られてきます。内容は「このまま入金が確認できないと裁判になる」といった深刻なものに変わります。

●訪問されることもある
ここからの対応はクレジットカード会社によって変わりますが、書面を送っても入金されない場合は自宅に訪問されてしまうケースもあります。

延滞によるペナルティはある?

クレジットカードの支払いを延滞すると、まず早い場合では延滞した日(本来の支払日の翌日)にはクレジットカードの利用を止められてしまうことがあります。

そして、クレジットカードには遅延損害金という延滞金が発生することになっているので、日ごとに支払う金額が増えていってしまいます。

3ヶ月以上など長期延滞してしまうと裁判を起こされてしまい、預金口座などを差し押さえられてしまうこともあります。

今後のクレジットカード審査はどうなるの?

延滞や強制解約など、ネガティブな情報が信用情報機関に載ってしまうことを「ブラック入り」とか「ブラックリストに載った」などと表現するのですが、ブラックリストに載っている間はクレジットカード審査やローン審査に通ることまずありません。

●信用情報機関は日本に3社ある
JICC:日本信用情報機構
CIC:シーアイシー
KSC:全国銀行個人信用情報センター

こういった事故情報は信用情報機関に記録されてしまいます。

クレジットカード会社はすでに契約している人がクレジットカードをどのように使っているかを確認する「途上与信」というチェックを行うことがあるのですが、この途上与信では他社のクレジットカード利用状況も確認できます。

延滞や強制解約の状況も知られてしまいますので、他社のクレジットカードも止められてしまったり、更新時期なのに更新ができないこともあります。

信用情報はどうなるの?

クレジットカードを2ヶ月以上の長期延滞してしまうと、延滞したという記録が信用情報機関に残ってしまいます。どのくらいの期間残り続けるのかというと、延滞が解消されてから最長5年です。

長期間延滞してしまうとクレジットカード会社から強制解約させられることもあるのですが、こうなると強制解約情報も信用情報機関に載ってしまいます。
期間は強制解約が解消されてから5年間になります。

支払いが困難になって自己破産などの債務整理をせざるを得ない状況になると、その記録も残ることになります。

債務整理の内容によって情報の保有期間は変わるのですが、自己破産の場合JICCとCICが5年、KSCは10年になります。

うっかり口座を変更することを忘れていたことから返済能力はあるのに延滞してしまうのはとてももったいないことです。

手続きは忘れずに行うようにしましょう!

クレジットカードは本人以外使えない

クレジットカードは名義人以外の人が使うことはできません。

このことを知らないでよくある例が、旦那さんのクレジットカードを使って奥さんが買い物をすることです。

例えば旦那さんから預かっているクレジットカードを使って、スーパーで奥さんが買い物をしたとします。しかしクレジットカードには明らかに男性の氏名が載っているので、レジの担当者さんに不正利用を疑われてしまっても仕方がないことになるんです。

「旦那さんから許可をもらっている」などの言い訳は通用しないので、クレジットカードでお買い物できないこともあります。

他人のカードでは不正利用時の補償を受けられない

多くのクレジットカードには不正利用があった場合の補償が付いているのですが、自分以外の人のクレジットカードを使って詐欺にあった場合、補償を受けられないこともあります。

なぜかというと、他人のクレジットカードを使うことは利用規約に違反していることで、違反者への補償は行わないというのがクレジットカード会社の規約でもあるからです。

こういったクレジットカード利用のルールは約款に記載されているので、「知らなかった」とか「聞いてない」では済まされません。覚えておいてくださいね。

高齢者のクレジットカード審査・利用のまとめ

以前と比べると高齢者でもクレジットカードを作成できるケースは増えていますので、年齢や退職したことを理由に申し込みを躊躇する必要はありません。

一発で審査通過するために、申し込みの際には正しい内容を記入すること、それからクレジットカード代金の支払い延滞は絶対にしてはいけないことは忘れないでくださいね。

「信用情報とか自己破産とかそんな大げさな・・・」と思われるかもしれませんが、クレジットカードは後払いで支払うことを約束したうえで発行してくれるカードです。

ですので、約束を破った人に対するペナルティは大きいんです。

高齢者の方はクレジットカードを使った詐欺にも気をつけてください。「自分は大丈夫」と過信せずに少しでも不安なことがあったら周囲を頼るようにしましょう。

基本的なルールや注意点を守って、新しいクレジットカードでぜひセカンドライフを楽しんでくださいね!

この記事の監修者

この記事の監修者 この記事の監修者は、株式会社タンタカの代表取締役「丹野貴浩(⇒プロフィールはこちら)」で、簿記1級の資格を持ち、10年以上、クレジットカードやローンなど金融系のWEBメディアを運営・管理している実績があります。
   

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