生活保護受給者はクレジットカード審査に通らない?所持・使用できる?

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生活保護を受給していてもクレジットカードで支払いをしたいとか、スマホ代金やネットの接続料金の支払いのためにクレジットカードを作りたいと考えている人は多いと思います。

しかし、そもそも生活保護とクレジットカードライフは両立できるのでしょうか?

クレジットカードを使ってしまったために生活保護を打ち切られてしまったら元も子もありませんよね。

この記事では、生活保護受給者はクレジットカードの審査に通るのか?生活保護受給者でもクレジットカードを所持して使用している人がいるという口コミもあるがそれは本当なのか?などなど生活保護受給者のクレジットカード利用について詳しく解説します。


もくじ

生活保護受給者はクレジットカードを作れない?

生活保護受給者にクレジットカードを発行してはいけないという決まりがあるわけではないのですが、審査落ちしてしまうことがほとんどでしょう。

以下では、生活保護受給者がクレカの審査に通りづらい理由を解説します。

生活保護受給者はクレジットカード利用の条件を満たしていない

クレジットカード審査に通過するには「安定した収入」が必要になります。クレジットカードの支払いは毎月1回口座引き落としで行われるので、毎月の安定収入は絶対条件になるわけです。

生活保護を受給していることは安定した収入がないということになりますし、クレジットカード会社は生活保護を安定した収入とは判断しません。

このことから生活保護受給者はクレジットカードの利用条件に該当しないと判断されてしまうのです。

そのため生活保護を受けていることを正直に申告してクレジットカード審査を受けたとしても、審査に通過することはまずありません。

生活保護受給の義務を果たしていないと見なされる可能性が高い

生活保護は「生活保護法」に基づいて仕事ができずに困窮している人を助けるセーフティネットです。

●生活保護法の目的

・第1章
国が生活に困窮するすべての国民に対し、その困窮の程度に応じ、必要な保護を行い、その最低限度の生活を保障するとともに、その自立を助長することを目的とする。

中略

・第4章
保護は、生活に困窮する者が、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。

※生活保護法 e-Govより引用

第4章に「最低限度の生活の維持のため」とありますが、この部分の解釈や判断は一律ではないというのが現状です。

生活保護法第60条(生活上の義務)に「被保護者は、常に、能力に応じて勤労に励み、自ら、健康の保持及び増進に努め、収入、支出その他生計の状況を適切に把握するとともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない。」と言う一文があります。

クレジットカード購入分の代金支払いは後払いになるので借金と捉えることもできますし、クレジットカードで買い物をすることが第60条に反していると受け取られてしまうこともあります。

また、クレジットカードでお買い物をするということは、一括払いでも分割払いでも後に自己破産などの債務整理を行う可能性があるリスクを背負うことになります。

クレジットカードの特性が生活保護法にあっていないと判断される恐れがあることは覚えておくべきでしょう。

口コミではクレジットカードを所持・使用している生活保護受給者もいるけど?

ネットで口コミを探してみると、「生活保護を受けているけどクレジットカードを使わない方が良いのでしょうか?」という質問を見かけることがあります。この生活保護受給者は少なくともクレジットカードを所持しているということになります。(※生活保護を受ける前にクレジットカードを作って、現在の状況を申告せずに更新し続けている可能性もありますね)

また、「生活保護受給者ということを内緒にして自営業ということにしておけばクレジットカード審査に通過できる」など、生活保護を受けている人がクレジットカードを作る方法を紹介している情報もあります。

実際、クレジットカードを使用している生活保護受給者がいる可能性はありますが、嘘をついてクレカの審査に申し込みするのは絶対にオススメしません。

生活保護受給者が、クレジットカード審査に虚偽の申し込みをして審査に通ったとしても、そのカードを使ってしまうと詐欺罪に問われてしまうことがあるんです。

また、生活保護を受ける前に作ったクレジットカードを持っていたとしても、受給前に所有しているかどうか聞かれます。

本当は持っているのに「いいえ」と答えると生活保護に対しても虚偽の申告をしたことになるので、後から発覚したら生活保護の支給を止められてしまうかもしれません。

どちらの場合もリスクが大きすぎるでしょう。

生活保護受給者がクレジットカードを持つことは許されているの?

生活保護を受給していることを伏せてクレジットカード審査に通過して、これかを所持できたとします。

でも、そもそも生活保護を受けている状態でクレジットカードを使用しても良いのでしょうか?

一例ではありますが、この件について、「分割払はもちろんのこと、一括払であっても、クレジットカードの利用はおやめになられるべき」と回答している弁護士もいます。

<参考>:生活保護受給者のクレジットカード分割払い

この回答の中で、「後に破産するしかないという状況に陥ってしまったときは、当該カードの利用は、収入に見合わない借入をしたという免責不許可事由にも当たり、免責が不許可になってしまう可能性さえあります。」という文章があります。

これをもう少し噛み砕いて解説します。

生活保護受給者が万が一自己破産という事態になってしまったとします。

その際にクレジットカードを使用してお買い物をしたことがわかると「生活保護を受けているのにクレジットカードで買い物をしたということは収入に見合わない借入である」と判断されてしまうことがあります。これが「免責不許可事由」です。

自己破産は抱えている借金を免責(簡単にいうとチャラ)にできる制度なのですが、免責不許可事由に該当してしまった分は免責にならないので、支払い義務がなくなりません。

自己破産はどうしても返済できないときのための救済措置なのに、生活保護受給者がクレジットカードを使用して買い物をした分は自己破産をしても免責にならない可能性もありますよ、と弁護士さんはおっしゃっているんです。

債務整理には4つの方法があるのですが、自己破産は本来なら税金以外の借金を全て免責にできる申し立て方法なので、債務整理の中でも「最終手段」と言えます。

生活保護受給者なのに、それを隠して嘘をつき、クレジットカードを所持・使用したことによって、その「最終手段」が使えない可能性があるというのは怖いことだと思いませんか?

生活保護受給者でも作れるクレジットカードがあるって本当?

生活保護受給者が作れるクレジットカードとして、「デビットカード」が紹介されていることがあります。

デビットカードは銀行口座と紐付けができるカードで、デビットカードを使ってお買い物をすると銀行口座からその場でお金が引き落とされて支払いが行われます。

デビットカードにはクレジット機能が付いていないので、後払いにはならないため、生活保護法にも反しません。

デビットカードの中には、三井住友カードの「SMBCデビット」のように国際ブランドがついているものもあります。

しかし、クレジット機能が付いていないということはクレジットカードとは言えませんので、クレジットカードの利用が必須のサービスでは使うことができません。

・クレジットカード
利用代金はクレジットカード会社の規則にしたがって後払いになる。分割払い、リボ払い、ボーナス払いも可能。

・デビットカード
利用代金はその場で預金口座から全額引き落とされる。後払いや分割払いはできない。

こういった違いを理解して利用する分には問題ないですが、正確には後払いができるクレジットカードの代わりにはなりませんので、生活保護受給者の方はご注意ください。

この記事の監修者

この記事の監修者 この記事の監修者は、株式会社タンタカの代表取締役「丹野貴浩(⇒プロフィールはこちら)」で、簿記1級の資格を持ち、10年以上、クレジットカードやローンなど金融系のWEBメディアを運営・管理している実績があります。
   

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