座喜味城跡【沖縄・世界遺産】・ユンタンザミュージアムに行ってきた

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座喜味城跡【沖縄・世界遺産】・ユンタンザミュージアムに行ってきた

今回の沖縄女子旅は、歴女に嬉しい沖縄世界遺産のお城シリーズ第3弾!
今帰仁城跡勝連城跡に続き、読谷村(よみたんそん)にある「座喜味城跡」(ざきみじょうあと)です。

やちむんの里」の近くにある座喜味城跡は、今帰仁城跡・勝連城跡と同じく、世界遺産の「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として登録されている沖縄のグスクの代表的な城跡のうちの一つで「続日本100名城」にも選ばれている名城。

2018年6月には、座喜味城跡の隣に、読谷村の歴史をより深く知ることができる「ユンタンザミュージアム」が新たにOPEN!以下、座喜味城跡・ユンタンザミュージアムへのアクセスや料金、その歴史や見どころについて詳しくご紹介いたします。


 


もくじ

座喜味城(ざきみじょう)とは

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座喜味城は、15世紀のはじめの琉球王国建国後に、沖縄本島北部~やんばるを含む「北山」エリアの監視のために、読谷山(ユンタンザ)の按司(あじ:位の高い男性の敬称。領主などに使われます)であった、“護佐丸(ごさまる)”が築いたといわれています。

地図上にマークを付けてみました。青いマークが北山エリアを治める今帰仁城跡。

そして赤いマークが座喜味城跡です。王城のある首里はそれより南なので、動きがあった場合は座喜味城でわかるようになっていますね。
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座喜味城跡は、日本のお城に見られるような天守閣などはなく、曲線を描く城壁が美しいお城です。

座喜味城が作られたのは、標高が120mほどある高台なので、沖縄戦では旧日本軍によって高射砲の陣地となり、戦後は米軍のレーダー基地がおかれました。

沖縄の本土復帰にともなって国指定史跡となり、他の城跡に比べるといち早く発掘と城壁の修復が進められ、2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のうちのグスクの1つとして登録、多くの観光客の方が訪れる城跡となっています。


 

座喜味城跡(ざきみじょうあと)へのアクセス・営業時間・入場料について

この項では座喜味城跡へのアクセス・営業時間・入場料について解説します。

座喜味城跡へのアクセス

まずは座喜味城跡へのアクセスについてです。

座喜味城跡があるのは、沖縄本島北部の読谷村(よみたんそん)。

自動車で来る場合は渋滞状況にもよりますが、そのまま国道58号線を北上した方が早く着く場合も。

座喜味城跡の駐車場は北口と南口の2つにありますが、南口の方が、ユンタンザミュージアムの目の前なのでおすすめです。

入口前の道は一方通行になっているので気をつけてくださいね。

もし、座喜味城跡にバスでアクセスしたい場合は、
ゆいレール「旭橋」駅で下車し、隣の那覇バスターミナルへ。

29番系統 「読谷線(よみたんせん)」の「喜名(きな)経由」で 「座喜味」バス停下車で徒歩12~15分程度です。座喜味城跡は高台にあるので、往路は登り道になります。

※28番 読谷線は「楚辺(そべ)経由」のため、座喜味城跡方面へは行かないので注意してください。

バス停一覧と時刻表(1日5~6本です)

バスの接近状況などはこちらの「バスロケーションシステム」からリアルタイムで照会できます。系統番号を選択して検索すると、バスの現在地がわかります。

時刻表通りに来ない場合に便利なので、ぜひ使ってみてください。

また、「座喜味城跡」や、「やちむんの里」を含めた読谷村の名所をバスで巡るツアーなどもありますので、宿泊ホテルやツアー会社に確認してみるのもおすすめです。

座喜味城跡とユンタンザミュージアムの営業時間と入場料

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座喜味城跡は、入場料は無料です。

村民の憩いの場として解放されていますので、24時間いつでも立ち入り可能です。座喜味城跡は夜は真っ暗になりますが、ライトアップイベントの際は、城壁が鮮やかな光で彩られます。

座喜味城ライトアップについては定期的な開催イベントではないのですが、開催が決定したら読谷村HP新着情報でライトアップについての開催日や時刻はなどが告知されますので、ぜひチェックしてみてください。

また、読谷村役場に確認してみたところ、現在「ユンタンザミュージアム」のHPを作成中とのことで、完成したら座喜味城跡に関する情報などがアップされるとのことです。
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さて、座喜味城跡の南口前にあるのが「ユンタンザミュージアム」

2018年6月にリニューアルを終え、新たに生まれ変わりました。座喜味城に関することや、読谷村の歴史や文化、工芸品などが展示されており、VRなどを使った座喜味城ツアーもできます。

こちらの利用時間は午前9時~午後6時(入館は午後5時30分まで)。
入場料は、高校生以上は500円。読谷村在住の方や団体は割引があります。詳しくはコチラから

新しい建物だけあってキレイで、お手洗いを借りることもできますが、以下の日程は休館日なのでご注意。

・水曜日、年末年始(12月28日~翌年の1月4日)
・展示替えなどの臨時休館日
・祝祭日が水曜日に重なったときには翌日が休館

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また、座喜味城跡は結構歩きますので、必要に応じて水分補給ができる自動販売機があるのもありがたいですね。


 

座喜味城跡(ざきみじょうあと)を歩いてみる

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それでは、実際に座喜味城跡を歩いてみましょう。

「座喜味城跡」の石碑から階段と坂道を登り、松林を抜けて、城壁の入口までは3分程度。
途中に公衆トイレがあるほかは、城内にはお手洗いはありませんので、お気をつけて。

この光景は南口から入った場合ですが、北口も同様に松林になっています。

座喜味城跡がある小高い山全体が、「座喜味城跡公園」として開放されているのです。
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石作りのアーチ門から入ります。

座喜味城跡は2つの郭(かこい)から成り立っていて、それぞれの郭にアーチ門があります。お城は一番高いところが一の郭なので、こちらは二の郭の入口にあたります。
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座喜味城跡のアーチ門の作りで特徴的なのが、アーチの天井に要となるべくはめられた「くさび石」(赤丸参照)。この石は沖縄の他のグスクでは見られないもので、現存するアーチ石門の中では最古のものとみられています。

また、この門は四角形に加工した石を組み合わせる「布積み」と言われる方法で積み上げているのですが、
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こちらの城壁は自然の石を加工せずにそのまま積む「野面積み」という方法で積まれています。
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他にも、五角形や六角形に加工した石を組み合わせて積み上げる「相方積み」もあり、当時の技術の粋を集めた石積みを組み合わせることで、石垣の強度と、攻め入られた際の砦としての有用さだけでなく、曲線美も備えた城壁が築かれているのです。
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ユンタンザミュージアムには、座喜味城跡の全体模型があり、どの部分がどういう積み方になっているのかよくわかるように解説があります。

さらに、城壁を積み上げるパズルもあって、その構造がわかりやすく学べるようになっていますよ。
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アーチ門をくぐって、二の郭跡へ。
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門を抜けた先は、このように広がっているのですが、
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左側に進んでいくと、一の郭の城壁が迫ってきていて、幅が狭くなります。
しかしその分奥行きを感じられるようになっています。

この両側の城壁は、石の積み方が異なっているのがわかりますね。
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奥は行き止まり。
こうして見ると、「石垣の曲線が美しい城」と言われるのも納得です。
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さて、一の郭に向かいましょう。
ちょっと高台になっているため、門が階段の先にあります。
意外にこの階段が急でしたので、サンダルだときついかも。
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座喜味城は、築城家として名高い護佐丸(ごさまる)によって15世紀の初頭に築かれたと言われていますが、実は座喜味城には他のグスクと違う点がいくつかあります。

まずはその地盤。

今帰仁城や勝連城は丈夫な琉球石灰岩の大地の上に建設されたのですが、座喜味城は柔らかい赤土(やちむん(焼き物)の原料!)の上に築かれています。
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この地盤を強化するため、城壁の幅を広げるなどの工夫がされており、実際に城壁には登ることもできるようになっています。
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登った城壁からの見晴らしは最高です!

座喜味城を作り上げた護佐丸(ごさまる)は、琉球王国の歴史の中では大変に重要な人物の一人です。

尚氏第一王朝を建国した尚巴志(しょうはし)の寵臣で、当時の一大勢力であった北山王(ほくざんおう)の居城であった今帰仁城(なきじんじょう)を落した武将でもあります。

☆今帰仁城について:https://tantaka.co.jp/joshi-riki/archives/27536

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護佐丸はその後しばらく、今帰仁城にて北山守護職の地位にありますが、尚巴志が自身の王子を北山監守として今帰仁城に配置したため、座喜味城の築城を命じられます。

護佐丸は、座喜味城の後に、中城城(なかぐすくじょう)に移り住みますので、実際に座喜味城に護佐丸がいたのは20年弱と非常に短い期間です。

護佐丸が中城城に移されたのは、当時繁栄を極めていた勝連城(かつれんじょう)の城主である、阿麻和利(あまわり)をけん制する意味合いもあったと言われています。
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その後、護佐丸は1458年に護佐丸・阿麻和利の乱により、中城城にて自害。

阿麻和利(あまわり)は護佐丸の死後に王府を目指しますが、阿麻和利の妃として降嫁していた王女・百度踏揚(ももとふみあがり)が先に脱出して王府にその変を伝え、阿麻和利は王府軍によって滅ぼされた……と言われています。

☆女子リキ 勝連城跡:https://tantaka.co.jp/joshi-riki/archives/27666

護佐丸の息子は中城城から生き延び、長じては第二尚氏王朝の尚円王に使え、王府の名門貴族として栄えたといいます。

沖縄の世界遺産のグスクは、当時の時代背景から、それぞれの城主の複雑に絡み合う歴史が非常に興味深いですね。


 

ユンタンザミュージアムで座喜味城にまつわる歴史を知ってから城跡を回るのが吉

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「ユンタンザ」とは「読谷村」のこと。

実は、座喜味城跡の解説で書いたことは、事前にこちらの「ユンタンザミュージアム」で予習したことです。

2018年6月にリニューアルが完了。施設規模は約2倍となり、県内の市町村立博物館では最大規模となりました。
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座喜味城跡の歴史や、村内の自然環境を紹介する展示等が新しく加わり、読谷村の歴史・文化・自然・戦前、戦後の暮らしについて模型や写真で紹介され、発掘物や美術品などが3万点近く収められています。
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タッチパネル式で、大画面を使って座喜味城跡をVRで回るシミュレーションなどもできます。
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座喜味城跡を回る前後に、座喜味城にまつわる知識や、読谷村の歴史などを学んでいくと、座喜味城跡をより楽しむことができますのでおすすめですよ!
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個人的におすすめなのは、「読谷に伝わる民話」を「まんが日本昔ばなし」のように紙芝居的なアニメーションで見せてくれるコーナー。

どこか割り切れないお話しも味があって興味深いです。
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ほかにも、人間国宝・金城次郎さんのやちむんコレクションや沖縄の年中行事一覧の詳しい解説や実際に使われる品の展示もあり、座喜味城跡だけでなく沖縄の文化・歴史・慣習などを幅広く学ぶことができます。
ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
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優美な曲線を描く城壁が美しい座喜味城跡。
沖縄の歴史上、重要なグスクであり、石造りの建築を代表する遺構のひとつとして、読谷村が誇る文化遺産です。

030_zakimijo※ユンタンザミュージアム 提供

今回は夕方から曇ってしまったのですが、サンセットの名所としても有名で、城壁と美しい夕陽をバックした、ロケーションフォトのスポットとしても、近年人気が高まっています。
残波岬・やちむんの里とともに、読谷村の観光として欠かせない場所です。ぜひ訪れてみてくださいね!

◆座喜味城跡(ざきみじょうあと)
住所:〒904-0301読谷村字座喜味708-6
Google Map

電話 :098-958-3141
駐車場:あり(無料)
http://www.yomitan-kankou.jp/detail.jsp?id=74759&menuid=11949&funcid=3

◆ユンタンザミュージアム
住所:〒904-0301読谷村字座喜味708-6
電話 :098-958-3141
利用時間: 9:00~18:00(最終入館17:30)
休館日 :水曜日(祝祭日が水曜日に重なったときには翌日)・年末年始(12月28日~翌年の1月4日)・展示替え及び燻蒸などの臨時休館日
※臨時休館日などについては読谷村HPまたはお電話でご確認ください。
http://www.vill.yomitan.okinawa.jp/
料金 :村外 高校生以上(大人):500円、65歳以上:400円、小中学生(6~15歳):
300円、小学生未満:無料
http://www.vill.yomitan.okinawa.jp/facilities/post-13.html

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