車検費用を払うお金が足りない!ローンで払える?

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車検費用を支払うお金が足りない場合にはどうすれば良いのでしょうか。車検で利用できるローンなどについて詳しく解説していきますので、ぜひ参考にしてください。


もくじ

かかる費用はいくら?車検費用の仕組み

車検の費用は大きく分類して「法定費用」と「車検基本料」の2種類があり、これを合算して支払うことになります。まずはそれぞれの内容についてご紹介していきましょう。

法定費用

法定費用は文字通り、法律によって定められている費用のことで、車検を受けるうえで必ず発生するお金になります。

法定費用には次の3つがあり、どこで車検を受けるかに左右されることなく決まった金額を支払うことになります。

・自賠責保険料
・自動車重量税
・印紙代

法定費用については車検を行う業者は単なる窓口にしか過ぎず、納付先は国や保険会社になるため、ローンを組んでも法定費用分のみ現金での一括払いを求められるケースが多く見られます。

自賠責保険料

自賠責保険は全ての車に対して加入が義務付けられている保険です。

自賠責保険に加入していないと車検には通りませんし、万が一期限切れの状態で一般道を走行すると、免許停止になるだけでなく、懲役刑や罰金刑を課せられる可能性があります(詳しくは当記事の最後、「車検を受けないとどうなる?」の項をご覧ください)。

自賠責保険料は普通自動車(自家用車)と軽自動車とで金額が異なります。以下は2022年4月からの自賠責保険料です。

普通自動車 20,010円
軽自動車 19,730円

※24ヶ月分。離島、沖縄県は除きます。
※自賠責保険料はよく改定されますので、その都度ご確認ください。

自動車重量税

自動車重量税は車の種類や重量に応じて課せられる税金で、公道を走らせるためには必ず納付しなければなりません。

通常は新車を購入したときと車検の際に支払うことになり、金額は新車登録してからの経過年数や車の大きさ、エコカー減税の適用の有無などによって以下のような差が出てきます。

表はスライドしてご覧いただけます
エコカー 13年未満 13年経過 18年経過
軽自動車 5,000円 6,600円 8,200円 8,800円
普通自動車(~0.5t) 5,000円 8,200円 11,400円 12,600円
普通自動車(0.5t超~1.0t) 10,000円 16,400円 22,800円 25,200円
普通自動車(1.0t超~1.5t) 15,000円 24,600円 34,200円 37,800円
普通自動車(1.5t超~2.0t) 20,000円 32,800円 45,600円 50,400円
普通自動車(2.0t超~2.5t) 25,000円 41,000円 57,000円 63,000円

 
このように、エコカー以外の車は13年が経過すると税額が増え、18年経過した車に対してはさらなる増額があります。

年数が経った車ほど税金が重くなるわけですが、これは古い車種ほど排出ガスが多いことを考慮したものとなっています。エコカーでは年数経過による税金の加算はありません。

印紙代

印紙代は検査や車検証の発行手数料を支払うための費用で、通常は継続検査手数料と同じものになります。

印紙代は同じ車種であっても車検を業者に依頼する場合(=指定整備)とユーザー車検(=持込検査)とで必要となる印紙代が異なるため、ご自身で手続きされる方は注意が必要です。

業者に依頼 ユーザー車検
軽自動車 1,500円 1,800円
小型自動車 1,600円 2,100円
普通自動車 1,600円 2,200円

 

法定費用の合計額は?

法定費用は合計いくらになるのでしょうか。自動車重量税を経過年数13年未満、エコカー減免なしの自家用車2年分として車のタイプごとに算出しましたのでご覧ください。

どの手段でお金を工面するかにもよりますが、以下の金額分だけはご自身で現金を用意しなければならないケースが多いので、ぜひ確認しておきましょう。

<軽自動車> 27,830円~28,130円
【内訳】
自動車重量税:6,600円
自賠責保険料:19,730円
印紙代:業者依頼1,500円/ユーザー車検1,800円

<普通自動車 ~1.0t> 38,010円~38,510円
【内訳】
自動車重量税:16,400円
自賠責保険料:20,010円
印紙代:業者依頼1,600円/ユーザー車検2,100円

<普通自動車 1.0t超~1.5t> 46,210円~46,810円
【内訳】
自動車重量税:24,600円
自賠責保険料:20,010円
印紙代:業者依頼1,600円/ユーザー車検2,200円

<普通自動車 1.5t超~2.0t> 54,410円~55,010円
【内訳】
自動車重量税:32,800円
自賠責保険料:20,010円
印紙代:業者依頼1,600円/ユーザー車検2,200円

<普通自動車 2.0t超~2.5t> 62,610円~63,210円
【内訳】
自動車重量税:41,000円
自賠責保険料:20,010円
印紙代:業者依頼1,600円/ユーザー車検2,200円

車検基本料

もう一方の車検基本料は、車検を依頼する業者に支払うお金。ローンなどにより後払いしたり分割払いが可能なのは、多くはこの費用になります。

車検基本料には次のものが含まれます。

・点検費用
・修理整備費
・手数料

点検費用は決められた56項目をチェックする24ヶ月定期点検にかかる費用です。車検の根幹となる部分です。

点検によって何かしら問題が見つかった場合、車検に通るためにはその箇所を修理したり、部品を交換したりといった必要が生じます。修理整備費はその場合に発生する費用です。

最後の手数料は、車検を代行するにあたっての様々な実費や手数料、代車手配などにかかる費用です。

車検基本料は業者によって異なる

車検基本料については業者が独自に設定できるため、どこにお願いするかによってかなり大きな差が出てきます。

車種や年式、走行距離などによっても異なりますが、3万円程度から部品交換が必要であれば10万円以上かかることも少なくなく、まさにまちまちです。

そのため、どのような業者を選んで車検を依頼するのかをしっかり見極めることが必要。次の項では業者ごとの車検に伴うサービス内容と、車検基本料の相場について解説していきます。

⇒マイカーローン【銀行VSディーラー】どっちを選ぶ?金利交渉テクニックも公開

車検はどこで受けられる?費用は?

先ほどご紹介した通り、車検の代金のうち車検基本料の部分は、どういった業者に依頼するのかで大きく差が出てきます。

車検は業者に依頼する方法の他、ご自身で車検を行うユーザー車検という手段もあり、それぞれにかかる費用は概ね以下のようになっています。

車検業者 費用
自動車ディーラー 40,000円~100,000円+法定費用
整備工場 30,000円~80,000円+法定費用
車検専門店 20,000円~80,000円+法定費用
カー用品店 20,000円~60,000円+法定費用
ガソリンスタンド 15,000円~60,000円+法定費用
ユーザー車検 0円+法定費用

 

車検は安全に深く関わっていることから、単に「安ければ良い」とはならないのが難しいところで、点検内容やサービス内容との兼ね合いをどう見るかは大いに考えどころとなってきます。

各業者のサービスの特徴についてご説明していきましょう。

自動車ディーラー

自動車メーカーの正規販売店が行うディーラー車検では、メーカーが認めた高水準の検査、メンテナンスを受けられるのが大きなメリットです。

持ち込まれた車のことを最もよくわかっているスタッフにしっかり見てもらえるので、点検や整備がどこよりも丁寧。万が一どこかに問題があっても適切に対応してもらえます。

安全面重視で検査が行われることから、車検に通るレベルでも早めに部品交換を行うケースがあり、交換が必要となった場合には通常、純正部品が使用されることになるため、どうしても費用は高くついてしまいます。

このように信頼性や安心感では一番だと言えるディーラーでの車検ですが、他と比べると割高になるのが難点だと言えるでしょう。

自動車整備工場

町の自動車整備工場でも車検を受けることができます。自動車整備のエキスパートに車をチェックしてもらいながらも費用はディーラー車検よりも安くつくメリットがあります。

しっかり整備してもらうのか、それとも車検に通りさえすれば良いのか、整備のグレードを相談しやすいのも整備工場の良い点だと言えるでしょう。

ただし、工場によって技術力に差があること、部品の交換が必要になったとき、当該部品の入手に時間を要するケースがあること、隅々まで行き届いた細かなサービスまではあまり期待できないことなどは承知しておく必要があります。

車検専門店

近年利用者が増えている車検専門店。車検のコバック、ホリデー車検、車検の速太郎など、全国展開しているだけあってディーラーや整備工場での車検よりも安く、なおかつ明朗会計である点にメリットがあります。

また車検完了までがとてもスピーディーで、急いでいる方でも利用しやすいのが大きな利点だと言えるでしょう。

車検専門店は車検整備に特化しているため、車検に関係した箇所については高水準のチェック、メンテナンスが受けられますが、その他の部位の整備に関してはそれほどの内容が期待できません。

だからこそ安いわけなのですが、トータルで車をチェックしてほしい方には、車検専門店では物足らないと感じてしまいそうです。

カー用品店

オートバックス、イエローハット、タイヤ館などといった大手カー用品店でも車検を受けることができます。

普段からカー用品店によく出かけている方にとっては馴染み深い場所で、立ち寄りやすいのが魅力。また、安価でスピーディーに車検を受けられる点にも大きなメリットがあります。

全国に店舗があるのは良い点ではあるのですが、その反面、店舗によって技術力やサービス内容にやや差があるきらいがあります。

ガソリンスタンド

車検を受け付けているガソリンスタンド(サービスステーション)も少なくありませんので、ぜひチェックしてみてください。

ガソリンスタンドで車検を受けるメリットは、何と言っても料金が安いということ。ディーラーや整備工場で受ける場合と比べて車検基本料が約半額で済むケースも多いので、車検代金を安く済ませたいなら一番に考えてみたい選択肢です。

また、ガソリンスタンドは数多く存在するため、利用しやすいのも良い点。自宅近くや勤務先の近くなどよく立ち寄るスタンドで車検を行っているところがあれば、見積をお願いするのも気軽にできますね。

ガソリンスタンドでの車検のデメリットとしては、店舗と車検を行う場所が別の場合、車が戻るまでに時間がかかるケースがあることでしょう。また、申し込むスタンドによって技術力やサービス内容に差があることなども挙げられます。

ユーザー車検

とにかく車検代を安くあげたい場合には、ユーザー車検という選択肢もあります。

ユーザー車検とは、業者に依頼するのではなく、自身で地方運輸局(陸運局)に車を持ち込んで車検を受ける方法。

これだと特に問題がなければ車検基本料はゼロ円で済むことになるので、法定費用のみを負担すれば良いことになります。

もちろん車検に通るだけの整備技術や知識のある方のみに限られますし、手続きの煩雑さや手間がかかる点などにデメリットもありますが、可能な方はチャレンジしてみても良いでしょう。

車検代行業者を利用する方法も

車検費用を抑えるためにとても効果的なユーザー車検ですが、事前の点検や整備などに関しては問題がなくても他のことがネックになる可能性もあります。

例えば検査場となる地方運輸局は平日の日中にしか開いていないため、車検の時期に仕事が休めない方はそれだけで困ってしまいます。また煩雑な手続きを面倒に感じる方も少なくないでしょう。

そういう方のために、ユーザー車検の一部を代行してくれるのが車検代行業者です。

車検代行業者に依頼した場合には、車の点検や整備はご自身で行う必要がありますが、車検の手続きや車を地方運輸局に持ち込むところを代行してくれるため、手間をかなり少なくすることができます。

料金は10,000円~30,000円ほどかかりますが、それでもコストをかなり抑えられますので、検討する価値は十分にあるでしょう。

車検の見積もりを取って比較検討を

このように、車検をどこに依頼するかによってかなりの価格差が生じてきます。また同種の業者であっても料金にばらつきがあることは珍しくありませんし、サービス内容を絞ることで価格を下げることも可能です。

ぜひ数社から見積もりを取り、よく比較したうえで業者を選ぶようにしてください。

車検代金を後払い・分割払いする方法

車検費用全額を自分で用意できない場合には何らかの方法でお金を工面する必要が出てきます。後払い、もしくは分割払いを希望する方には、一般的に以下のような選択肢が考えられます。

・クレジットカード払い
・クレジットカードでキャッシング
・車検ローン(ディーラーや業者が扱うもの)
・マイカーローン(銀行が提供)
・カードローン(銀行、信販会社、消費者金融などが提供)
・車検を依頼する業者に後払いや分割払いを交渉

「かかる費用はいくら?車検費用の仕組み」の項でも触れましたが、同じ「ローン」と名のつくものでも、

・法定費用を含む全額を借りられるもの
・借りられるのは車検基本料のみで、法定費用は含めることができないもの

の2通りがあります。

特に「法定費用分も自分では用意できない」という方は、お考えのローンがどちらに相当するのか、事前にしっかり確認されることをお勧めします。

では各ローンの特徴やメリット、デメリットを見ていくことにしましょう。

クレジットカード払い

クレジットカードで支払うことにより、実質的に後払い、もしくは分割払いやリボ払いにすることができます。

⇒クレジットカードのリボ払いとは?分割払いとの違いやメリット・デメリット

クレジット払いのメリットは、すでにカードを持っている方なら特別な手続きが一切必要ないこと。この他、カード会社のポイントが貯まるなどのお得な面もあります。

デメリットとしては、全ての業者がクレジット払いに対応しているわけではないため、非対応のところだと別の手段を考えないといけない点が挙げられるでしょう。

また、クレジット払いできるのは業者に支払う車検基本料のみで、法定費用分は現金払いしなければならない点にも注意が必要です。

なお、業者によってはクレジットカード以外にPayPayなど他のキャシュレス決済にも対応しているところがありますので、ぜひチェックしてみましょう。

⇒リボ払いはやばい?300名に調査!約56%がキャッシングも利用、19人が債務整理している

クレジットカードでキャッシング

先ほどもご紹介したように、車検基本料はクレジットカードで支払えても法定費用分はご自身で現金を用意しなければなりません。

この法定費用分を用立てする方法ですが、もしお手持ちのクレジットカードにキャッシング機能が付帯されているなら、これを使ってお金を借りるという方法があります。

このキャッシング機能はこの後にも紹介するカードローンとほぼ同じ内容で、あらかじめ設定された枠内で何度でもお金を借りることが可能です。金利は車検ローンやマイカーローンに比べて高くなりますが、改めて審査を受ける必要がないため、スピーディーにお金を借りることができます。

もしお持ちのクレジットカードにキャッシング機能がない場合、新たに付帯させることは可能ですが、それには審査を通過しなければなりません。

⇒クレジットカードのキャッシング枠とは?

車検ローン

ディーラーや車検専門店などでは自社の車検ローンや信販会社と提携した車検ローンを提供しているところがありますので、これを利用すれば車検代を分割で支払うことができます。

このタイプの車検ローンの場合、ディーラーや業者が窓口になってくれるため、手続きはそれほど煩雑にはなりませんし、銀行が提供するマイカーローンに比べると審査は柔軟で、手続きが完了するまでの時間もそれほどかからないのが良いところです。

しかし銀行のローンに比べると金利が高めなので、後々の返済負担はやや気になるところではあります。

※車検のコバックはローンの実質年率が一律7.9%であることをオープンにしていますが、一般的に車検ローンを含むショッピングローンでは契約金額や分割回数によって金利が変わってくるものが多いため、店舗等での確認が必要です。

なお、車検ローンについても借り入れの対象になるのは車検基本料のみとなることが一般的ですので、法定費用分はご自身で用意する必要があります。

マイカーローン

銀行が提供するマイカーローン(オートローン)の中には、車の購入時だけでなく、車検費用に利用できるものが少なくありません。

銀行のマイカーローンのメリットは、何と言っても金利が低いこと。また、法定費用分も合わせた車検代全額を借りることもできるという利点があります。

銀行のマイカーローンをはじめとした車検に利用できるローンをいくつかご紹介しますが、これ以外にもたくさんあります。銀行との取引状況によっては金利の優遇が受けられるケースもありますので、ぜひチェックしてみましょう。

【車検費用に利用できるマイカーローン】

銀行名・ローン名 年利 借入金額
三井住友銀行「マイカーローン」 4.475%* ~300万円
りそな銀行「りそなマイカーローン」 1.900%~4.475%* ~1,000万円
みずほ銀行「多目的ローン」 5.875%*/4.700% ~300万円
横浜銀行「マイカーローン」 0.9%~2.4%* ~1,000万円
関西みらい銀行「マイカーローン」 1.9%~3.8%* ~1,200万円
イオン銀行「自動車ローン」 3.8%~13.5% ~700万円

(*変動金利型)

この他、厳密には銀行ではありませんが、JAバンクのマイカーローンも車検費用としての利用が可能です。

銀行のマイカーローンのデメリットには、まず審査が厳しめである点が挙げられます。審査にも時間がかかり、場合によっては融資まで2週間程度見なければいけないこともあるため、日にちに余裕を持った準備が必要です。

⇒マイカーローン【銀行VSディーラー】どっちを選ぶ?金利交渉テクニックも公開

カードローン

銀行や信販会社、クレジットカード会社、消費者金融が提供しているローン商品のひとつ、カードローンで車検費用を借りるといった方法があります。

カードローンは使い道自由、決められた枠内であれば何度でも都合の良いタイミングでお金を借りられるというとても便利な商品です。

マイカーローンに比べると金利が高くなるのが難点ですが、法定費用を含めて必要な金額を借りることが可能です。

銀行のカードローンは金利が比較的低く、信販会社、クレジットカード会社、消費者金融の順で高くなっていきます。

審査については金利が低いほど厳しく、金利が高くなるにつれて易しくなる傾向にあります。つまり消費者金融は銀行や信販会社のローンに比べて審査が柔軟なので、車検ローンに落ちてしまった方でもお金を借りられる可能性がある、ということになるわけです。

消費者金融のカードローンは借り入れまでのスピードがあるのも利点のひとつです。早ければ即日融資も可能なので、急いでお金が必要な方にとっても選択肢になってくるでしょう。

⇒初めてのカードローン!どこがおすすめ?初心者の選び方

消費者金融のカードローンには無利息期間がある

消費者金融のカードローンは金利が高いため高額の借り入れには向きませんが、車検費用にしか利用しないのであれば比較的少額の借り入れで済む=利息が少なくて済むという考え方もできます。

また、大手消費者金融を中心に、初めて契約した方を対象にした無利息期間を設けているため、例えば「次の給料日になれば全額支払える」などといった短期利用の場合には、車検ローンや銀行のマイカーローンなどを利用するより安くつく可能性があります。

車検業者に交渉

上記でご紹介したローンがどうしても利用できない場合には、車検を依頼する業者に直接、後払いや分割払いができないか交渉してみるという方法もあるでしょう。業者によっては応じてもらえるケースも考えられます。

この場合、車検業者にリスクがあることを承知のうえで支払いを待ってもらうわけですから、もし応じてもらえたなら延滞することなくきちんと支払うようにしてください。

車検ローンの審査基準は?傾向と対策

どの車検ローン、マイカーローン、カードローン等を選んだ場合でも、申し込みの際には必ず審査が行われます。

車検のように目的が決まったローンの審査は決して易しくはありません。審査に通らなければお金は借りられませんので、もしも審査に通らなかった場合には他の手段でお金を工面することを考えないといけなくなります。

車検ローンの難易度

各業者とも審査内容や合否基準については公開していませんが、一般的に金利が低ければ審査は厳しくなると考えて良く、難易度が高い順に並べると以下のような傾向になります。

1.銀行のマイカーローン
2.業者の車検ローン
3.銀行のカードローン
4.信販会社・クレジットカード会社のカードローン
5.消費者金融のカードローン

銀行のマイカーローンは低金利ですので、無事契約できたらメリットは非常に大きいのですが、その分審査は厳しくなっています。

逆に使い道が限定されないカードローン、特に消費者金融のものは審査が柔軟な反面、金利は高くなっているので、返済の負担がどの程度になるのかをよく考えて申し込む必要があります。

こんな場合は審査落ちするかも?

この後にご紹介する項目に該当するものがある方は、審査落ちの原因となる可能性がありますので、よく確認してみましょう。

収入が不安定

車検ローンやマイカーローン、カードローンは通常、本人に安定した収入がなければ申し込みできません。

しかしある程度の年収がある方でも、月々の収入が安定せず増減が多いと、返済能力を不安視されてしまうことがあります。そのため、正社員の方に比べて非正規雇用の方や自営業の方は審査上不利になりやすい傾向にあります。

また、職についたばかりの方も今後継続して勤めるのかどうかが不透明だとみなされるため、勤続年数が1年未満の方は審査落ちする可能性があります。

借入金額・件数が多数ある

現在、他に組んでいるローンがある方は、借入残高や借入件数の多さが審査に影響を及ぼします。

特に消費者金融など貸金業者からの借入残高の合計が年収の3分の1に達している、もしくは迫っている場合は、総量規制(※)により、審査落ちする可能性が高くなります。

(※)貸金業者は原則として、申し込んだ方の年収の3分の1を超えて融資することができません。これを総量規制といいます。銀行のローンは総量規制の対象になりませんが、やはり他社借入残高、件数が多いと審査通過が厳しくなります。

他社に借入のある方は、車検ローン、カードローンなどに申し込む前に、現在の残高がどの程度になっているのかを確認しておきましょう。

借入件数が多い方については、残高が少ないローンを清算してしまうなど、事前に整理したうえで車検ローン等に申し込むことをお勧めします。

申込金額が多い

収入や借入残高に対して申込金額が大きいことがネックになり、審査落ちすることがあります。この対策としては、「申込金額を極力減らす」「保証人をつける」といったことなどが効果的です。

申込金額を減らすには、

・受けるサービス内容を削る
・早期予約など割引サービスを見逃さない
・ユーザー車検にする

などといった方法が考えられるでしょう。

このうち、受けるサービス内容の削減に関しては、

・自分でできる整備は自分で行い、点検項目を必要最小限に留める
・部品交換を打診された場合でも車検に通るレベルをクリアしているのであれば今回は見送る
・可能であれば代車は利用しない

などでコストを抑えることが可能です。

ユーザー車検には技術や知識が必要となりますが、法定費用だけで車検を通すことができますので、お金を極力かけたくない方には非常に有効な手段だと言えるでしょう。

過去に金融事故を起こしている

ローンやクレジットカードなどの利用歴(信用情報またはクレジットヒストリー)は信用情報機関に集約され、ローンなどに申し込むと銀行や貸金業者はその情報を審査の材料にすることができます。

いつローンを申し込み、延滞を起こしたり債務整理したりといった情報も信用情報を見れば一目瞭然なので、たとえ車検ローンなどに申し込んだ時点で問題がなくても、過去に遡って問題を起こしていることがわかれば、審査落ちの原因になってしまいます。

信用情報は、ローンなどへの申し込みに関しては半年間、延滞は解消してから5年間、債務整理は5年~10年記録が残ります。悪い情報を審査に影響させないためには、これらの情報が消えてから申し込むといった方法が考えられます。

予算オーバー、審査落ち…車検費用をどう用意する?

車検切れの車は公道を走れません。

これまでに自然災害や新型コロナウイルス感染症などの理由によって猶予期間が設けられたこともありましたが、個人的な事情で車検の期限が延長されることはなく、決められた日が過ぎればそのまま車検切れとなってしまいます。

「見積もりしてもらったら想定以上に高くて用意していたお金が足らない」「ローンに申し込んだら審査落ちしてしまった」など、車検費用を払うお金に困った場合にはどうしたら良いのでしょうか。

方法としては次のようなものが考えられます。

・個人でお金を用立てる
・車検切れの状態で保留する
・車検は通さず車を買い替える
・一旦車を売る

個人でお金を用立てる

業者とローン契約ができなかった場合には、家族や友人、知人、勤務先に事情を話してお金を借りるという方法があります。

個人間の借金は業者にお願いする場合とまた違った難しさがあります。くれぐれも人間関係にヒビが入らないよう、また信頼関係を壊さないよう、誠意を持って返済するようにしてください。

もしくは不要なものをフリマやオークション、リサイクルショップで売ってお金を作るなどといった方法もあるでしょう。宝飾品やブランド品をお持ちなら、場合によっては車検費用の全額を賄うことができるかもしれません。

車検切れの状態で保留する

車検が切れた車は公道を走らせることができなくなりますが、運転せずただ保有しているだけであれば、車検が切れていても罰則を受けることはありません。

そのため、もし車に乗る頻度が低いのであれば、車検切れのまま一時的に保留しておいて、お金が用意でき次第車検を受けるといった方法が考えられます。

この場合、税金が加算されるなどのペナルティはありませんが、いざ車検を受けようとする際にやや面倒な手続きが生じます。これについてはこのページの最後の項を参考にしてください。

車検は通さず車を買い替える

車が古いと部品交換が必要になることも多く、また税金も高くつくため、「見積もりを取ったら料金が予想をオーバーしてしまった」ということが起こり得ます。

故障リスクが高めとなる古い車では、整備を最小限にするといった方法も、安全面を考えれば採り辛くなるのが難点です。

この場合の有効な手段として浮上してくるのが、今お持ちの車は車検を通さず、買い替えてしまうというもの。

トータルで考えればコストは高くなりますが、車を担保にしたローンなら意外と通りやすいこともありますし、ローンの組み方によって初期費用を安く抑えることも可能です。

一旦車を売る

通常の生活で車に乗る機会が少ない方であれば、一旦車を売却することも選択肢に入ってきます。

車は所持しているだけで維持費がかかるもの。普段からお金に困っていて、車検費用が捻出できなくなるようなことが繰り返される状況なら、車の所持を見直す必要が出てくるかもしれません。

お金に余裕ができるまで、車検費用や維持費がかからないカーシェアリングやレンタカーで乗り切ることも検討してみましょう。

車検を受けないとどうなる?

車はただ持っているだけなら車検を通さなくても問題ありませんが、公道を走らせるためには必ず車検を通す必要があります。もしも無車検車を運行させた場合には道路運送車両法違反になります。

無車検車を移動させるには?

車検を受けるためには移動させる必要が生じます。車検が切れた後の車を移動させるには、次の2つの方法があります。

・市役所等で仮ナンバーの交付を受ける
・キャリアカーに積載する

車輪が接地した状態で移動させると自走しているとみなされるため、レッカー車やロープなどを使っての牽引でも違反になってしまいます。

仮ナンバーの取得方法

車検を受けるために一時的に走行を許された車には仮ナンバーを取り付けます。この仮ナンバーは正式名称を「自動車臨時運行許可番号標」といい、赤い車線の入った独特な見た目のナンバープレートです。

仮ナンバーはお住まいの地域の市町村役場で取得可能です。以下のものを用意して市町村役場にて申請してください(自賠責保険が切れていたら、事前に加入手続きを済ませておかなければなりません)。

・運転免許証
・車検証
・認印
・自賠責保険証の原本(仮ナンバー取得から1ヵ月以上有効なもの)
・手数料(自治体によって異なりますが、750円程度)

仮ナンバーの有効期限は3日~5日です。期間が終わったら速やかに返却してください。

無車検車を走行させたらどうなる?

車検切れの車を公道で走らせた場合、行政罰と刑事罰の両方の対象となります。

違反点数 6点=免許停止期間 30日間
6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金

もしも車検切れに加えて自賠責保険も切れていた場合には、さらに重い罰が課せられることになります。

違反点数 12点=免許停止期間 90日間
1年6ヵ月以下の懲役または80万円以下の罰金

自賠責保険の適用外に

また、車検切れの車を公道で走らせて事故を起こした場合、自賠責保険に加入していても補償を受けることができません。

このように、車検切れの車を走らせるということは、非常に大きなリスクをはらんでいるのです。

車検を受けるのはドライバーの義務。運転する方だけでなく同乗者や歩行者、他のドライバーを守るためのものでもあります。

「ちょっとだけならバレないだろう」という考えは危険です。車に乗るなら何とかお金を工面し、必ず車検を受けるようにしてください。


 
 

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