ワーキングホリデーの費用はどれくらい?お金ない!借りることは可能?

PR

ワーキングホリデーの費用はどれくらい?借りることは可能?

ワーキングホリデーには渡航先で勉強しながら働くこともできるというメリットがあります。

でも、現地で仕事が見つかる保証はなく、思ったよりも語学力が足りなかったら?

ネガティブなことを考えるとキリがないのですが、海外に住むのであれば資金は多ければ多いほど安心であることはまちがいありません。

ここではワーキングホリデーにかかる費用、お金の借り方、稼ぎ方など、「ワーホリのお金」にスポットを当てて解説しています。

今現在貯金がないからといってあきらめないでくださいね!


もくじ

ワーキングホリデーってなんだっけ?

ワーキングホリデーという言葉は聞いたことがあっても、興味を持って調べなければ実態を知らなかったりしますよね。まずはワーホリの概要についてまとめます。

ワーキングホリデー(ワーホリ)とは?

ワーキングホリデー(ワーホリ)とは
外務省が定めるワーキングホリデーの定義はこちらになります。

ワーキング・ホリデー制度とは,二国・地域間の取決め等に基づき,各々が,相手国・地域の青少年に対し,休暇目的の入国及び滞在期間中における旅行・滞在資金を補うための付随的な就労を認める制度です。各々の国・地域が,その文化や一般的な生活様式を理解する機会を相手国・地域の青少年に対して提供し,二国・地域間の相互理解を深めることを趣旨とします。

外務省 ワーキング・ホリデー制度より引用

長期滞在可能なオールマイティビザとして注目が集まることの多いワーキングホリデーですが、相互理解も大きな趣旨なんですね。

ワーキングホリデーの魅力は?

ワーキングホリデービザがあれば、海外で働いてみることができるし、もちろん学校に通うこともできますし、観光だってできます。ひとつのビザでこういった様々なことができるのがワーキングホリデー最大の魅力でしょう。

現地で培った語学力を現地で使うことで、会話能力を格段に上げることだって夢ではありません。

ワーキングホリデーに行く人の目的というと、以前は「語学学習」や「若いうちに海外に住んでみたい」などの理由が多かったのですが、現在は多様化してきています。

TOEICの点数を上げたい、海外で起業するための下準備といったことまでワーホリで行う精力的な人が増えてきていて、ワーホリが終了しても学生ビザで滞在を続ける人は少なくありません。

こういったことを行うために欠かせないのがなんといってもお金なのですが、ワーキングホリデーなら全てを貯金で用意しておかなくても現地で稼ぐことができます。

貯金はたくさんあった方が安心できることは間違いないのですが、滞在費用を全額用意できなくても渡航できるというメリットは大きいですね。

ワーキングホリデーに行ける人は誰?

ワーキングホリデーに行ける人
ワーキングホリデーに行けるのは「日本国籍を有する18歳~30歳」の人です。

ただし、アイスランドなら18歳~26歳、オーストラリア・カナダ・韓国なら18歳~25歳など、異なる年齢制限を設けている国もあります。

また年齢要件を満たせば誰でも行けるわけではなく、国や地域によってはワーキングホリデー査証(ワーキングホリデービザ)の年間発給枠が決まっているので、定員を超えて応募があればビザの取得は抽選になってしまいます。

ワーキングホリデーで行ける国はどこ?

ワーキングホリデーに行ける国は、日本がワーキングホリデー査証を発行する国である以下の27カ国です(令和5年3月1日現在)。

●日本からワーキングホリデーに行ける国と査証年間発給枠

国・地域名 年間発給枠
オーストラリア なし
ニュージーランド なし
カナダ 6,500
韓国 10,000
フランス 1,500
ドイツ なし
イギリス 1,000
アイルランド 800
デンマーク なし
台湾 10,000
香港 1,500
ノルウェー なし
ポルトガル なし
ポーランド 500
スロバキア 400
オーストリア 200
ハンガリー 200
スペイン 500
アルゼンチン 200(アルゼンチン⇒日本は400)
チリ 200
アイスランド 30
チェコ 400
リトアニア 100
スウェーデン なし
エストニア なし(エストニア⇒日本は100)
オランダ 200
ウルグアイ 100

 

意外にも、アメリカとの間にはワーキングホリデー制度は導入されていないんですね。

ワーキングホリデーは1回しか行けないって本当?

外務省がワーキングホリデーの案内ページに記載しているワーキングホリデー査証発給要件に「以前にワーキング・ホリデー査証を発給されたことがないこと。」という項目があります。

これはつまり、以前にワーホリに行ったことがない人にビザを発行できるよ!といったことを意味し、このことから「1度ワーキングホリデーに行くと2度と行けない」「ワーホリは一生に一回しか行けない」と思っている人もいるのですが、正確には「それぞれの国に対して1回ビザを発行できる」ということになります。

ですので、1度カナダでワーキングホリデーをした人は、もうカナダでのワーホリはできませんが、オーストラリアなら可能ということになるんです。

もちろん、ワーキングホリデーを終えた後に、他のビザを使って渡航することも可能です。

ワーキングホリデーにかかる費用はどれくらい?

自分もワーキングホリデーに行ってみたい!と思い立ったときに、次に気になるのは費用ですよね。

一般的には「100万円」が目安と言われています。

渡航先の物価などによっても大きく変わってくるのですが、アルバイトすることが大前提ならとりあえず「100万円用意すれば1年間は生き延びられる」と考えるとわかりやすいと思います。

もちろんこれは単なる目安であって、滞在先のグレードを上げたいとかグルメも楽しみたいならもっとお金は必要ですし、住むところにこだわらないならもうちょっと少ない金額でも渡航可能です。

ワーキングホリデーにかかる費用の項目

ワーキングホリデーにかかる費用は大きく以下の5つに分けられます。

1.ビザ申請料金
2.航空チケット代金
3.海外留学保険代金
4.学費
5.宿泊費・生活費

1.ビザ申請料金

海外に行くためには渡航先の国にビザ(査証)を発行してもらう必要があります。

ビザを申請するためには料金が発生しますが、必要な金額は渡航する国やビザの種類(就労ビザ、観光ビザ、学生ビザなど)によっても異なりますので、あらかじめ調べておくことをお勧めします。

▼国別ワーキングホリデービザ申請料金

国名 ワーホリビザ申請料金 ワーホリビザ正式名
カナダ 261カナダドル(注1) International Experience Canada(IEC)
オーストラリア 510AUドル Working Holiday Visa
ニュージーランド 無料 Working Holiday Visa
イギリス 259ポンド Youth Mobility Scheme (YMS)
アイルランド 15,200円 Working Holiday Visa

(注1)過去10年以内にバイオメトリックス(指紋・顔写真)の登録をしていない方は、上記に加え85カナダドルが必要になります。
 

2.航空チケット代金

日本と滞在する国、地域とをつなぐ往復の航空チケット代金が必要になります。

航空チケット代金は滞在先がどこになるのかはもちろん、利用する航空会社や路線、時期などによってもかなり上下することになりますので、こちらについてもしっかりチェックしておきましょう。

3.海外留学保険代金

ワーキングホリデーでは1年間など長期にわたり、慣れない環境で生活することになります。

その間、病気や怪我などで病院に行くと、日本では考えられないほどの高い医療費を支払わなければならなくなる可能性があります。

そのようなリスクをサポートするものとして、海外留学保険(または海外ワーキングホリデー保険)にはぜひとも加入しておきたいところです。

クレジットカードに付帯されている海外旅行保険を利用する方法もあるのですが、期間が3ヶ月間などと限定的なうえに補償もそれほど手厚いものではないことがほとんどです。

そのため、最低限、保障期間が切れて以降(一般的には4ヶ月目から)の海外留学保険への加入が勧められます。

海外留学保険に加入する場合、年間15万円から30万円程度の保険料が必要になるのは頭の痛いところですが、費用の安さで安易に選ばず、できるだけ補償内容の充実しているものを選ぶようにしたほうが良いでしょう。

4.学費

ワーキングホリデーで現地滞在中に語学学校や専門学校などに通う場合には、その分の学費(入学金・授業料・その他雑費)が必要になります。

必要となる学費はどの学校にどのくらいの期間通うのかによって大きく変わりますし、もちろん(費用を節約するために)語学学校に行かないという選択肢もあり得るでしょう。

しかし、語学学校に通うことでしっかりした語学力を身につけるとともに、現地での生活基盤を築いたり、アルバイトを見つけるためのサポートが受けられたりといった現実的なメリットもあるので、費用との兼ね合いが考えどころになります。

5.宿泊費・生活費

住居費や食費、交通費など生活にかかる費用も必要になりますが、こちらも滞在する国やエリアによって大きく異なる部分です。

住居費は毎月固定での出費となるため、どんな部屋をどのような形でいくらで借りるのか、あらかじめ相場をしっかりチェックしておきたいですね。学校に通うのであれば寮を利用できるケースがありますので、そちらも選択肢に入れておきましょう。

大都市圏だと物価が高くなる代わりにアルバイトの時給は高め。逆に地方都市だと仕事が見つかりにくい、見つかっても時給が低いなどといった事情もあり、この点についても熟考を要します。

せっかくのワーホリを充実したものにするためにも、必要な費用は余裕を持って見積もるようにしましょう。

その他の費用

基本は上記の5項目なのですが、この他にもお金がかかることがあります。

例えばカナダにワーキングホリデーに行く場合、2019年から「バイオメトリックス(個人識別情報、生体認証)」という指紋の登録が必要になりました。

指紋の登録ができる場所は現在のところ東京都港区と大阪市中央区にあるビザ申請センター(VAC)2ヶ所のみなので、遠方の人もわざわざ東京か大阪まで出かける必要があります。

参考:ビザ申請センター(VFS.GLOBAL)

指紋登録のためにはビザ申請時に届くレター(Biometric Instruction Letter)が必要になるので、事前に登録しておくこともできず、東京・大阪以外にお住まいの大多数の人には費用負担が大きい制度になっています。

また、イギリスもビザを申請する際にIHS(健康保険料)を支払わなければなりませんので、こちらも余分な出費を考えなければなりません。

ワーキングホリデーにかかる費用の目安

では具体的に、ワーキングホリデーのためにはどの程度の費用を準備しなければならないのでしょうか。

一般社団法人日本ワーキング・ホリデー協会が公開しているワーキングホリデーに必要な費用の例をご紹介します。

カナダでのワーホリ1年間に必要な費用の目安

ビザ申請料金 2万5千円
往復航空運賃 10~15万円
海外留学保険(年間) 25万円
学費(4ヶ月) 50万円
宿泊費/生活費(月14万) 168万円

 

出費:約260万円
8ヶ月間アルバイト(月収17万円) 収入:約136万円
差引:約124万円

アルバイトで稼げる収入を月17万と計算していますが、カナダはチップ制度のある国ですので、仕事の内容によってはこれよりももう少し多く稼げる可能性があります。

オーストラリアでのワーホリ1年間に必要な費用の目安

ビザ申請料金 3万5千円
往復航空運賃 7~10万円
海外留学保険(年間) 25万円
学費(4ヶ月) 50万円
宿泊費/生活費(月14万) 168万円

 

出費:約257万円
8ヶ月間アルバイト(月収20万円) 収入:約160万円
差引:約97万円

オーストラリアは世界的に見ても最低賃金が高く設定されているため、仕事さえ見つかればしっかり稼げる可能があります。

ただしオーストラリアの場合、同一の雇用主の元では半年間までしかフルタイムで働けないという制限がありますので、この点を頭に入れておきましょう。

イギリスでのワーホリ1年間に必要な費用の目安

ビザ申請料金 3万5千円
IHS(健康保険料) 13万5千円
往復航空運賃 14~17万円
海外留学保険(年間) 25万円
学費(4ヶ月) 60万円
宿泊費/生活費(月14万) 192万円

 

出費:約311万円
8ヶ月間アルバイト(月収15万円) 収入:約120万円
差引:約191万円

イギリスはどうしても生活費が多くかかってしまううえに、IHS(健康保険料)としてまとまったお金の支払いが生じるため、必要となる費用がぐっと高くなります。

ただしワーホリの期間が2年間まで許可されているため、良い仕事が見つかれば十分な収入を得ることも可能でしょう。

目安は100万円だけど…

イギリスを選択した場合にはかなり厳しくなるものの、人気の高いカナダやオーストラリアに滞在するのであれば「100万円」が目安になってくるのがおわかりいただけたのではないでしょうか。

ただ、世界的な物価上昇に加え円安と、ワーキングホリデーに必要な金額もこの数年でかなり増加しており、たとえ100万円を準備して行ったとしても現地で遊んで暮らすことはまずできない状況になっています。

それでもワーホリに行くくらいのガッツがある人は現地でも働く気マンマン!なのではないでしょうか。

とはいえ、良い仕事をすんなり見つけるのは容易なことではありませんし、現地ですぐに働けるのは語学力がある程度備わっている人に限られているので、資金には余裕があるに越したことはありません。

では、「貯金がない」「渡航前に用意しておきたい費用がどうしても貯まらない」といったときにはどうすれば良いのでしょうか?

奨学金みたいにワーホリ費用を借りることはできるの?

ワーホリ費用を借りることができる
ワーキングホリデーを利用するための費用としてパッと思いつくのは、奨学金ではないでしょうか。

しかし奨学金は経済的理由で修学が困難な優れた学生に学資を貸与または給付する制度です。

海外の大学に進学するのであれば日本学生支援機構の留学生支援を利用できますが、「ワーキングホリデーの費用」としては借りられません。ここでは学生としてお金を借りることができる制度をご紹介します。

日本学生支援機構でお金を借りる

日本学生支援機構でワーキングホリデー費用を借りる
先ほどもご紹介した通り、日本学生支援機構ではワーキングホリデー費用は借りられませんが、海外留学資金としてならお金を借りることができます。

ただし、日本の大学・大学院などの学校に在籍していて日本学生支援機構が定めるプログラムに参加しなければいけません。

日本学生支援機構で利用できる海外留学のための奨学金は、次の5つがあります。

・海外留学支援制度(協定派遣) ※給付型
・海外留学支援制度(学部学位取得型) ※給付型
・海外留学支援制度(大学院学位取得型) ※給付型
・トビタテ!留学JAPAN ※給付型
・海外留学のための貸与奨学金

<参考>:日本学生支援機構

これらは社会人が利用することはできないので学生限定になるのですが、返還不要となる給付型の支援制度も4種類あるのが目を引きます。

学校の進路担当の先生に相談してみると、日本学生支援機構を利用して海外留学した事例を知っているかもしれませんね。

いずれの支援制度もワーキングホリデーとは趣の異なるものであることを念頭に置いて、検討してみてください。

⇒学費が足りない!奨学金制度で融資・給付を受ける方法

日本政策金融公庫でお金を借りる

日本政策金融公庫でワーキングホリデー費用を借りる
日本政策金融公庫は、日本政府が100%出資している国の金融機関です。

「教育一般貸付(国の教育ローン)」という進学・就学向けのローンが用意されていて、海外留学向けの資金を借りることもできます。

国の教育ローンを海外留学に利用する場合は、修業年限3ヵ月以上で外国の高等学校、短期大学、大学、大学院、語学学校などに通うことが前提となります。

金利は固定金利で1.95%(注2)、限度額は海外留学費用であれば最大450万円になります。

(注2)ひとり親家庭(母子/父子家庭)、交通遺児家庭、扶養する子供の人数が3人以上で世帯年収500万円(事業所得者は365万円)以内の方、世帯年収が200万円(事業所得者は132万円)以内の方は年1.55%に優遇されます。

国の教育ローンの注意点は、留学する本人が借り入れをすることができないところです。お金を借りられるのは、「6親等以内の血族、配偶者および3親等以内の姻族」です。

また、返済は毎月1回指定口座から引き落とされることになるので、自分で返済をする場合は口座にお金を入れておかないといけません。

でも、そんな余裕があったらお金を借りようとは思わないですよね。

日本で借りたお金をワーキングホリデー中に海外から返済するのは簡単ではありませんので、後ほど詳しくまとめます。

⇒国(公的機関)から借入!貸付制度まとめ【無利子or超低金利】

銀行の教育ローンでワーホリ費用を借りる

銀行が扱う教育ローンは、ワーキングホリデーの資金としても利用できるものとできないものとがあります。

利用できる教育ローンも学校に通うことが必須などいくつかの要件を満たす必要がありますが、条件に合いさえすれば一般的なカードローンなどよりも低い金利で借りられるのが良い点です。

ワーキングホリデーの資金としても利用可能な教育ローンをいくつかご紹介しましょう。

教育ローン名 金利(年利) 借入金額
三井住友銀行 教育ローン(無担保型) 3.475%※ 10万円~300万円
三菱UFJ銀行 ネットDE教育ローン 3.975%※ 30万円~500万円
みずほ銀行 教育ローン 3.475%※/4.550% 10万円~300万円
イオン銀行 教育ローン(イオンアシストプラン) 3.8%~13.5% 10万円~700万円

※印は変動金利型
 

この他、地方銀行やろうきん等にもワーキングホリデー対応の教育ローンを扱っているところがありますので、最寄りの店舗まで問い合わせてみてください。

銀行、消費者金融のカードローンでワーホリ費用を借りることはできる?

銀行、消費者金融のカードローンでワーホリ費用を借りる
基本的に、銀行や消費者金融のカードローンやフリーローンで借りたお金を渡航費・学費・生活費などに使うことは問題ありませんので、ワーキングホリデーの資金として借りてもOKです。

教育ローンに比べると審査の難易度がそれほど高くないため、利用しやすいというメリットもあります。

ただ、銀行、消費者金融のカードローンやフリーローンは、教育ローンよりかなり金利が高くなる(金利を比較する際には最も高い設定の金利を比べてみてください)ため、返済の負担がどうしても大きくなりがちです。

▼銀行、消費者金融のローン金利一例

ローン名 金利(実質年率) 利用限度額(極度額)
りそな銀行 カードローン 年1.99%~13.5%※ 10万円~800万円
みずほ銀行 カードローン 年2.0%~14.0%※ 10万円~800万円
三井住友銀行 カードローン 年1.5%~14.5%※ 10万円~800万円
三菱UFJ銀行 カードローン バンクイック 年1.8%~14.6%※ 10万円~500万円
楽天銀行 スーパーローン 年1.9%~14.5%※ 10万円~800万円
プロミス フリーキャッシング 年4.5%~17.8% 最大500万円
アコム カードローン 年3.0%~18.0% 1万円~800万円
アイフル キャッシングローン 年3.0%~18.0% 最大800万円

※印は変動金利型
 

例えば「国の教育ローン」なら1.95%でしたが、アコムなどの大手消費者金融なら18.0%ですね。

ざっくりした計算になりますが、1.95%と18.0%の金利で30万円を1年間借りた場合の利息と返済合計額はこうなります。

国の教育ローン アコム
金利 1.95% 18.0%
30万円を1年間借りた場合の利息 5,850円 54,000円
返済合計額 305,850円 354,000円

 

上記は1年で完済できた場合の計算ですが、実際には借りたお金の完済までにもっと長くかかることも少なくなく、そうなればさらに多くの利息差が発生することになってしまいます。

これからたくさんワーホリでお金が必要になることがわかっている状態なので、やはり金利は少しでも低い方が良いですよね。

またカードローンなどで借りたお金も毎月決まった日に口座引落で返済をしなければいけません。

預貯金を全て持って渡航する場合、返済はどうなるのかを次に見ていきましょう。

ワーキングホリデー費用を借りたらどうやって返済するの?

借りたお金の返済方法は日本国内の金融機関口座からの自動引落になることがほとんどです。

本記事でご紹介した日本学生支援機構、日本政策金融公庫、それから銀行や大手消費者金融のローンも、基本的には口座引落での返済になります。

口座に十分なお金が残っている状態で渡航できれば問題ありませんが、保険的な意味合いでお金を借りておくようなケースならともかくとして、通常それはなかなか難しいのではないでしょうか。

そこで、海外滞在中に返済用口座に入金する手段が必要になりますが、その方法としては次の3つが考えられます。

1.海外の銀行から自分の口座に送金する

まず、現地で稼いだお金を日本の自分の口座に送金し、預金残高を作って返済するという方法が挙げられます。

手段としては至ってシンプルなのですが、ただこのやり方は、手数料や交換レートを考えるとあまり良い方法とは言えません。

海外から日本の口座に送金するには、現地で銀行口座を開設してそこから日本の自分の口座に送金をするのが一般的なのですが、国内で振替をするのとは違ってかなり手数料がかかります。

例えば為替手数料、送金手数料、受け取り手数料、中継銀行手数料です。これらの手数料だけで数千円かかってしまうので馬鹿になりません。

2.海外送金サービスを使う

海外送金サービスを行っているのは銀行だけではありません。民間企業が提供している海外送金サービスを使うという選択肢もあります。

「PayPal」「Wise(旧TransferWise)」がその代表的なもの。特に「PayPal」の方はサービス開始から20年以上の歴史があるので、「聞いたことがある」「利用したことがある」という方も少なくないのではないでしょうか。

「PayPal」も「Wise」も銀行が行うサービスではないのでちょっと不安に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、世界的に利用されているサービスなので安全性に問題はありません。

しかも手数料は(送金額によって異なりますが)数百円からと銀行を介するより安く済むことが多いので、知っていて損はありません。

サービス名 手数料
PayPal 為替手数料(総金額の4%)+499円
Wise 数百円~

 

3.家族に返済をお願いする

もっと現実的な返済方法として、家族に返済をお願いすることも考えられます。

例えば必要な金額100万円のうち、どうしても30万円足りないといった場合、30万円をまとめて親に借りるのは親の負担も大きいので断られてしまう可能性も高いです。

でも自分で30万円借りて、ワーホリに行っている間の返済を毎月数千円~1万円程度お願いするのであれば負担は軽いので、協力してもらいやすいのではないでしょうか。

30万円くらいだったら毎月の返済は1万円以下でも大丈夫です(なるべく多く返した方が早く完済できますが)。

もともと親にワーホリを反対されていたり、自分のお金で行くことが方針となっている場合などは難しいかもしれませんが、どうしてもお金を借りる必要がある場合は日本にいる人に代理返済をお願いしてみるのもひとつの方法です。

せっかくワーホリをするのに常に頭の中が借金返済のことでいっぱいになるのは避けたい、という方にも合う方法だと言えるでしょう。

ワーキングホリデー費用を借りずに作る方法はある?

ワーキングホリデーのためにお金を借りる方法を見てきましたが、できることならお金は借りない、または借りたお金は完済してから出国できると良いですよね。

とはいえ、ワーホリに行く前に完済するのは現実的に難しいでしょう。
やはりお金は借りるよりも貯めるべきです。

ワーキングホリデーに失業保険は使える?

「ワーキングホリデーに行く前に仕事を辞めるから、失業保険(正しくは雇用保険で給付される失業手当)をワーキングホリデーの費用に充てよう」と考える人もいると思いますが、これは難しいです。

なぜなら失業手当を受給できるのは就職する意思があって努力をしている失業中の人だから。具体的にはハローワークに通って職探しをしているなど、受給は日本で就職活動中であることが前提になっているからです。

自己都合でお仕事を辞めた場合は現状、失業してから3ヶ月間は失業手当をもらえませんし、その後も定期的にハローワークに行って求職活動中(=失業状態)であることを認定してもらう必要があるので、失業手当をワーキングホリデー資金にするのは難しいです。

働くつもりがないのに受給したり、ワーキングホリデーに行くための資金にしたことがバレたらペナルティを食らう可能性があるので、おすすめできません。

ワーキングホリデーの費用を1年で貯めた事例

筆者の近い知り合いに約1年かけてワーホリに行く準備をして、もう少しで実現しようとしている女性がいます。

彼女は29歳で、それまでは一般企業に勤めていて一人暮らしをしていました。

貯金もあったそうですが、自分の年齢と帰国後のことを考えるとある程度はお金を残しておきたいと思って、改めてお金を貯め直すことにしたのだそうです。

最初にやったことは思い切って会社を辞めて、賃貸マンションを引き払ったことです。

それからすぐにリゾートバイトをはじめて、日本中の観光地に住み込みでお仕事をするようになりました。

家賃もかからないし、がっつり貯金できるし、外国人観光客が多いから英語を話す機会もあるという理由でリゾバを選んだのだそうです。

派遣会社に登録しているので社会保険や厚生年金にも加入できているそうですよ。大人としてちゃんとしておきたいこともバッチリおさえていました。

3ヶ月ごとに「今は軽井沢にいるよ!」「今沖縄だよー」と写メが送られてきていて、目標に向かって頑張りつつも生きるのが楽しそうな様子が伝わってきました。

また、リゾートバイト先では日本にワーキングホリデーに来ている外国人の女の子と友達になって、新しい友達関係も生まれていました。

今は最後のリゾートバイト先にいて、この3ヶ月が終わったらいよいよ1年間のワーキングホリデーです。

ワーキングホリデーに向けたお金の貯め方は色々ありますが、こういう方法もあるという事例でした。

リゾバはワーキングホリデーの貯金手段としてはとてもメジャーな方法ですので、興味がある方はぜひ探してみてくださいね。

出費を減らす方法も考えてみよう

お金を貯めるのと同時に、渡航や滞在中にかかる費用をできるだけ節約する方法も考えてみましょう。

出費を抑える方法としては次のようなものが挙げられます。

・物価の安い国・エリアを選ぶ
・LCC(格安航空会社)を利用する
・旅費が安いシーズンに渡航する
・学費を抑える
・自炊する

物価の安い国・エリアを選ぶ

はじめから物価の高い国は避け、物価が安い国を選ぶという考え方があります。同時に、同じ国でも都会と地方都市、市の中心部と郊外とでは生活にかかる費用が違ってくるので、どこに滞在するのかはしっかり考えたいところです。

物価が高いと、初期費用だけで所持金をかなり減らしてしまうことになりかねません。

ただ、いくら物価が安くても、失業率が高く仕事がなかなか見つからない国や、交通費が多くかかるようなエリアを選んだのではお金の節約に繋がらないので、事前にしっかりリサーチしたうえで臨むようにしましょう。

LCC(格安航空会社)を利用する

現地との往復にLCC(格安航空会社)を利用することで、航空券の費用をかなり抑えることができます。

ただし遅延や欠航が多い、サービス面で劣るなどLCCなりの欠点も少なくありませんので、それらを納得して利用するようにしてください。

旅費が安いシーズンに渡航する

同じ航空会社の同じ路線でも、利用する時期によって航空機代がかなり違ってきます。

クリスマスシーズンや年末年始、夏休みの時期、現地でイベントのある時期、ベストシーズンは航空機代が高くなりますので、そうした時期は避けるなどの工夫をして費用を節約しましょう。

学費を抑える

ワーキングホリデーの費用の中でも学費はかなり大きなウエイトを占めますので、学校に行く期間を短くしたり、キャンペーンを利用したりして学費を抑える方法が考えられます。

もちろん語学力にある程度の自信があるのなら、学校には行かないという選択肢もあるでしょう。

ただ、学校に行くことで言葉の理解が進みますし、現地の生活に無理なく慣れる、横のつながりができる、仕事探しのサポートが期待できるなどといった学業以外のメリットも学校にはあります。

費用の節約を優先するあまりに気の進まない学校を選ぶのも本末転倒ですので、授業内容やレベル、環境なども合わせてしっかり検討してください。

自炊する

毎日かかる食費も出費のうちの多くを占めることになります。

外食はたまには良いのですが、いつもだとお金が嵩みますので、できる限り自炊をして、出費を抑えるようにしましょう。

ワーキングホリデーで働いて稼ぐことはできないの?

お金は最低限貯めたら、あとはワーキングホリデーで稼げばいいという考え方もあります。

でも、海外のアルバイトでお金を稼ぐ方法として主となるのは接客業ではないでしょうか。語学力に自信があれば雇ってもらいやすいですが、英語を使うお客さんに対して英語が話せないとなると雇ってくれるお店は日本人相手のお店くらいになる可能性も高いです。

それってわざわざワーホリに行く意味がないですよね。

それに例えば日本で毎月20万円の生活費がかかっているのであれば、国によってはそれに近いくらいのお金がかかることになります。

お金を稼ぐだけなら日本の方が安定していることは間違いないわけなので、資金が少なすぎるといつもお金に対する不安が頭の中にあることになります。

余裕を持って渡航したはずでも、海外で病気になってとんでもないお金がかかってしまうこともあります。

帰国後にもお金はかかりますよね。帰国してすぐに仕事があるとは限りませんし、国民として絶対に払わないといけないお金だってあります。

いずれにしても持っていける資金は多い方が良いのですが、かといってお金を借りてなんとかしようとするのはリスクが大きいです。返済の不安を抱えたまま渡航するのはおすすめしません。

効率の良い借り方を模索するよりも、ワーキングホリデーのためのお金の貯め方を考えてみる方がスムーズに行けると思いますよ。

夢のワーキングホリデーを実現するためにぜひ頑張ってみてください。


 
 

このサイトの監修者・専門家

この記事の監修者 このサイトの監修者は、株式会社タンタカの代表取締役「丹野貴浩(⇒プロフィールはこちら)」で、簿記1級の資格を持ち、10年以上、クレジットカードやローンなど金融系のWEBメディアを運営・管理している金融メディア運営の専門家。
   

PAGETOP