闇金から借り逃げ（借りパク）できる？

「闇金から借りたお金は返済をしなくても良い」という情報がネットで広まっていることから、闇金でお金を借りてそのまま借りパクしたいと目論んでいる人もいるようです。（ごく少数ですが）

確かに貸金業者としての届けも出さずに法外な金利で貸付を行なっている闇金から知らずにお金を借りたとしたら、その契約は無効となります。

しかし、最初から借りパク目的だとどうなのでしょうか。

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借り逃げ（借りパク）は可能なの？

闇金からの借りパクは、お金を借りても返済しないことを前提に闇金に近づいてお金を借りることです。

闇金はそもそも違法な貸付を行なっている集団ですので、万が一お金を借りてしまっても契約そのものが無効となりますので、元金も利息も返済義務はありませんし、今まで返済した分を返金してもらうことも可能です。

ヤミ金の設定した違法金利の支払い要求に応じる必要はありませんし、すでに支払った分については返金を求めることが可能ということになります。

引用：ベリーベスト法律事務所

しかし、返済義務がないとは言っても当然ながら簡単に逃がしてくれることはありません。

結論から言ってしまうと、闇金から借り逃げをするのは非常に困難になります。

借り逃げをするということは元金すら返済しないということになるため、闇金にとっては大きなマイナスになります。

闇金も借り逃げを目論む人がいることは想定済みなので、あらゆる手段を使って回収しようとしてきます。

自分ひとりの力だけでこの取り立てから逃げ通すのは簡単なことではないのです。

闇金が行なっている借り逃げ（借りパク）の対策とは？

闇金も貸し倒れは避けたいと思っているため、借り逃げの対策は万全に整えています。

闇金が行う借り逃げ対策の例を見ていきましょう。

少額しか貸さない

正規の消費者金融なら返済能力に応じて初回から数十万円貸してくれることもありますが、闇金は1万円～5万円程度しか貸してくれないことがほとんどです。

これは、借り逃げされても良い金額しか貸さないというわけではなく、闇金からお金を借りる人はそもそも返済能力が低いためです。

数十万円を貸し付けても返済してもらえない可能性が高いことから、少額ずつしか融資を行わないのです。

利息は高いですが返済さえ継続できればまた融資を受けることも可能なため、つい何度も闇金を頼ってしまう人もいるのです。

警察が介入できない嫌がらせをしてくる

闇金の取り立ての手段といえば、大声で脅しをかけてきたり、自宅のドアを蹴るなど暴力行為を思い浮かべるかもしれませんが、近年の闇金はこういったわかりやすい脅しは行いません。

なぜかというと、脅し、暴力行為、夜間の取り立てなどは法律によって禁止されているため、通報されてしまうと逮捕されてしまう恐れがあるから。

そのため、闇金は警察が介入できないギリギリの嫌がらせをしてきます。

例えば、電話やSMSで「夜道には気をつけろ」と告げてきたとします。

お金を借りている方は「夜道に襲われるのではないか・・・」と脅しに感じるかもしれませんが、この文章だけでは脅しとは言えません。

こういった警察が動くことができないような形で数々のプレッシャーを与えて借り逃げを防ごうとしてくるのです。

家族の情報も聞き出す

正規の消費者金融からお金を借りるときに、家族構成や家族の氏名、連絡先、会社名、学校名などを聞かれることはまずありません。

本人以外の第三者に返済を要求するのは違法になりますので、万が一返済が滞ったとしても家族に返済を求めることはないのです。

しかし、闇金はそもそも法律なんて守っていませんので、平気で家族にも取り立てを行います。

借り入れをする際に家族の連絡先も聞き出しますし、返済が遅れ始めると「闇金からお金を借りてることが家族に知られてもいいの？」と脅してきます。実際に家族に連絡することもあります。

手段を選ばずに取り立てを行うのも闇金の常套手段なのです。

闇金から借り逃げ（借りパク）をするリスク

闇金はあの手この手で高い利息を取り立てようとしますが、そもそも闇金には借りたお金を返済する義務がないことから「どうにかして逃げられないか・・・」と算段する借りパク師もいます。

しかし、闇金から逃げようとするのは決して簡単なことではありません。

しばらくは逃げられたとしても、とてもリスクが大きい行為なのです。

1日100回以上も電話をかけてくる

電話がかかってきても無視すればいいと思うかもしれませんが、1日に100回以上も着信があるなど、尋常じゃない回数の電話がかかってくることになります。

スマホの電源を切っておくわけにもいかないので、着信があるたびにビクビクしなければいけない生活になってしまいます。

着信拒否をしても別の番号からかけてきますのでイタチごっこになるでしょう。

嫌がらせがエスカレートして家族・友人にも迷惑をかける

本人が電話に出ないと、間違いなく家族にも電話がかかってくることになります。

本来は本人以外の家族が返済する必要はないのですが、「あなたが保証人になっていますよ」「息子さんが借りたお金だから親が返済する義務があるんですよ」などと嘘を言って取り立てようとするのです。

お金を借りているわけでもない家族が脅されてしまうのはとても辛いことです。

家族が「お金は返しますから・・・」と言うと、やはり法外な利息を何度も請求されてしまうことになります。

闇金は学校や職場にも押しかけます。そして、あくまでも優しい口調で「○○さんがお金を返してくれなくて困っているんです」と色々な人に告げます。

こんなことになってしまうと自分の居場所もなくなりますし、人間関係もボロボロになってしまいます。

なんとしてでも返済させようとする

闇金は、一般市民が思いつかないような手段を使ってでも、何としても返済させようとしてきます。

勝手に大量のデリバリーを注文して本人宅に届けさせたり、借主の氏名で救急車や消防車を呼ぶなどの悪質な嫌がらせも行います。

近年では、SNSで個人情報を晒すといった嫌がらせも行われています。

ネットに広まってしまったら削除するのは非常に難しいことですので、悪質極まりない嫌がらせと言えるでしょう。

他にも、「○○様（闇金から借りパクした本人）のご葬儀のことですが・・・」と葬儀屋さんから突然連絡がきたという事例もあります。

借り逃げてしている人が亡くなったことにして、闇金が勝手に葬儀屋さんに連絡をしていたのです。

どのような手段で報復をしてくるかわからないのもの怖いところです。

夜逃げすれば借り逃げ（借りパク）できる？？

職場にも家族にも誰にも知らせずに姿を消して、住民票の移動も行わずに生活をする夜逃げのようなやり方であれば、もしかしたら逃げ通すことができるかもしれません。

しかし、上記でご紹介したように、闇金から借りられる金額は数万円であることが多いため、夜逃げしてまで借りパクするのはもったいないことです。

また、自分は逃げ通すことができても家族、友人、職場などへの取り立ては今後も続くことが予想されます。

住民票を移すこともできないので、新生活もとても不便なものになるでしょう。
夜逃げは全く問題の解決にはならないのです。

借り逃げ（借りパク）目的で闇金からお金を借りるのは違法ってホント？

闇金とは知らずにお金を借りてしまった人もいれば、そもそも借りパク目的で闇金に近づいて「闇金は違法だから返済義務はないはず」と堂々と逃げようとする人もいます。

こういった借りパク目的の闇金利用は違法にはならないのでしょうか。

闇金は法律を遵守した貸付を行なっていないので、契約は無効となり返済の義務はありません。

闇金からの借り入れは「不当原因給付」の原因となり、不当な原因による貸付は返済の必要がないのです。

しかし、最初から返済をするつもりがない状態でお金を借りた場合、「相手を騙して返すつもりがないお金を借りた」ということになってしまいます。

こうなると「意図して詐欺行為を行った」となってしまい、不当原因給付からも外されてしまいます。

詐欺罪が認められてしまったらどうなってしまうのかというと、問答無用で10年以下の懲役となります。

詐欺罪には罰金刑がないため、有罪判決を受けてしまうと確実に懲役刑となってしまうのです。

厳密には、闇金が借りパク師の詐欺行為に対して訴訟を起こすことはないでしょうが、どんな報復をされるかわからないので非常に怖いところです。

ソフト闇金なら借りパクできる？

ソフト闇金は、高利でお金を貸すという行為はこれまでの闇金と同じなのですが、あくまでも取り立てがやさしく恫喝したり暴力行為は行いません。

闇金よりも少し対応がゆるいことからソフト闇金と呼ばれています。

他にも他社よりも少し金利を下げることでソフト闇金と名乗っているところもあるのですが、相手がソフト闇金でも借りパクすることはできません。

ソフト闇金からお金を借りる際も本人確認書類は抑えられますし、家族の連絡先なども聞いてきます。

決して逃してもらえることはなく、逆に「申し込んできたからお金を貸したのに（高利ですが）、最初から返す気が無かったとはどういうことか！」と怒り狂うのは目に見えています。

ソフト闇金という名称ですが、やり口は闇金と同じです。

「闇金はダメだけど、ソフト闇金ならOK」ということは決してありません。

合法的に借り逃げ（借りパク）をする手段はないの？

 

闇金から借りたお金は返済する必要がないため、理論上は借り逃げしても良いのですが、現実にはそううまくはいかないということがわかりました。

逃げれば逃げるほど嫌がらせが激しくなりますし、そもそも闇金を騙すことを目的にお金を借りてしまうと詐欺行為に該当することもあり自分の立場が悪くなってしまいます。

借りパク目的で借りることは絶対にいけませんし、万が一借りてしまった場合は1日でも早く闇金と縁を切る必要があります。

弁護士・司法書士に相談すれば合法的に踏み倒せる

踏み倒しという言い方は良くないのかもしれませんが、借りてしまったお金を返済せずに、かつ取り立てもなくして、合法的に借り逃げ（借りパク）する唯一の方法は、闇金対応に強い弁護士・司法書士に相談をすることです。

弁護士・司法書士に相談をして対応を委任すると、すぐに闇金に電話をかけて融資方法に違法性があること、取り立て方法が法律に反することを告げて警告を行います。

たった電話1本ですが弁護士・司法書士からの警告には非常に強い効果があります。

闇金は、これ以上しつこく取り立てをすると口座を凍結させられる、携帯電話が解約となる、訴訟を起こされる、最終的には摘発され逮捕されるといったリスクが高くなってしまうことがわかっているので、弁護士・司法書士が介入すると取り立てを諦めるケースが多いのです。

万が一、相手が取り立て行為をやめないようなタチの悪い闇金であっても、責任を持って交渉を行ってくれるので非常に頼りになる存在です。

 

⇒闇金問題を専門家に相談して嫌がらせストップ！費用・流れ・必要書類

注意！借りパク目的は弁護士から断られることもあります

「闇金からお金を借りても弁護士・司法書士に言えば取り立てが止まるなら、とりあえず借りパクにチャレンジしてみてもいいのでは？」と思う人もいるかもしれませんが、これは絶対にやめておきましょう。

なぜかというと、ご紹介したように返済するつもりがないのにお金を借りることは詐欺行為に該当することがあり、弁護士に対応を断られてしまうことがあるから。

自分で詐欺行為を目論んで、失敗しそうだから助けてほしいと考えるのは虫が良すぎる話でそれこそ悪質です。

弁護士・司法書士に断られてしまうと、闇金からの嫌がらせを避けることが困難になってしまいます。

闇金には関わらないで！

当たり前のことですが、闇金から被害を受けないための最大の防衛方法は、自分から闇金に関わらないようにすることです。

闇金は法律なんて全く無視している犯罪をいとわない集団なので、「契約が成立しないから借りパクできる」と甘く考えていると何をされるかわかりません。

法律上は返済不要であっても、自分ひとりだけで逃げ通すことはほぼ不可能でしょう。

繰り返しになりますが、最初から借りパク目的でお金を借りてしまうと詐欺罪になることもあるので、借り逃げを計画するのは何ひとつ良いことはありません。

闇金とのトラブルを合法に解決するなら、頼りになる弁護士・司法書士に相談するのがもっとも適切な方法です。

闇金は何をしでかすかわからない集団で、一般市民が思っている以上に悪質で強引な業者もいます。

決して関わらず、万が一トラブルになってしまったら被害が大きくなる前に速やかに弁護士・司法書士に相談をしてください。