練り香水を手作りする!簡単な作り方・使い方
練り香水は、香水初心者でも失敗することがなく、持ち運びにも便利なため、密かに人気を集めています。
しかし、練り香水を取り扱っている実店舗が少ないというのが現状です。ネットで購入することは出来ますが、香水ですので、出来れば香りを確認してから購入したいものですね。
そこで今回は、家庭で簡単に手作りできる練り香水について、お話したいと思います。
自分で作るなら、どのような香りにするか、テクスチャー、量なども自由に決めることが出来ますし、購入するよりも安上がりです。
ここでは、ミツロウを使った練り香水の作り方やシアバターや白色ワセリンを使った練香水の作り方など、様々な手作り練り香水レシピ、練り香水の使い方、メリット・デメリットなどに触れながら、説明して行きたいと思いますので、興味のある方はぜひ挑戦してみてくださいね。
練り香水とは
香水と言うと、液状のスプレータイプのものを想像する方が多いかと思いますが、実はクリーム状やワックス状など、半固形の物もあるのです。
ワセリンやミツロウなどに、香りの元となる精油を混ぜ、練り固めたものを練り香水と言います。
練り香、ソリッドパフューム、ジェルパフュームとも呼ばれていますね。
まずは、練り香水の特徴について見ていきましょう。
練り香水の質感、容器
一般的な液状の香水とは違い、固形、もしくはワックス状、クリーム状となっています。
練り香水で有名なのはロクシタンですね。
それ以外にも様々なメーカーから練り香水は販売されていますが、どの商品も直径3~5㎝程度の手のひらサイズのもので、女心をくすぐるような可愛らしいデザインとなっています。
リップのようなスティックタイプもあります。
これくらいの小さなサイズのものであれば、鞄やポーチにこっそり忍ばせられるので、持ち運びも便利ですし、トイレなどで化粧直しの際にサッと取り出し、簡単につけ直すことが出来ますね。
香水として使用しなくても、気に入った香りをそっと鞄に入れておくだけでもほのかに香るので、鞄から何かを取り出す際にさりげなく女性らしさを演出できるかもしれません。
また、固形なので、液体の香水の様に鞄の中でこぼしてしまったりする心配がないのも嬉しいです。
香り方
練り香水の大きな特徴は「調整できる、穏かな香り」という点です。
スプレー式香水とは違い、つけてからゆっくりとソフトに香るため、周囲に不快感を与えることも有りませんし、付ける量も調整しやすいので、場面ごとに香りの強さを変える事も可能です。
例えば、病院や、学校、職場等、あまり香水が相応しくない場面でも、ほんの少しだけつけると、周囲に気づかれることなく自分だけで楽しむことができますし、食事の前に使用したとしても料理の邪魔になることもないので、マナー違反となる心配もありません。
その逆で、デートやパーティー等、しっかりと香りを感じたい場合は、多めに何度もつけ直すことにより、スプレー式の香水と同じような効果を得ることが可能です。
このように練り香水は、自分で調整しながらTPOに合わせて使い分けることができるため、とても便利で使いやすいと人気なのです。
上手に使い分ければ、常にその場にふさわしい香りをまとう女性として、ワンランクアップできそうですね。
練り香水の成分
練り香水は、ホホバオイルやミツロウ、ワセリンなどお肌に優しい成分で作られています。
その為、お肌の弱い方や敏感な方でも気軽に使えますし、通常の香水の様にアルコールは使用していないので、アルコールに負けてしまう方、アルコールアレルギーの方でも安心です。
ホホバオイルやワセリンには肌の保湿や保護作用もあるため、練り香水をそのままハンドクリームとして使ったり、ボディークリームに少量混ぜて使ってみてもいいですね。
普通の香水との違いは?
普通の液状香水は、アルコールに香料を溶かして作られています。
その為、アルコールが肌に刺激を与えることも有りますし、アルコールアレルギーによって香水自体使う事が出来ないという方もいるでしょう。
また、シュッと吹きかけるスプレータイプのものになるため、思いがけず吹きかけすぎてしまったり、周囲に飛び散って迷惑をかけてしまうという失敗もよくあるのです。
さらに、アルコールは揮発性に優れているため、つけた瞬間から強い香りが漂いますし、自分が思っている以上に広い範囲へ香りをまき散らしてしまいます。
軽く付けたつもりが実はきつ過ぎて、強すぎる匂いによって周囲に不快感を与えてしまったり、食事デートなどで香りが料理の邪魔になってしまったり、場合によってはマナー違反となってしまうことも考えられます。
品の良さを演出するはずの香水が、つけ方を間違えると下品な香りとなってしまうこともあるのです。
一方、練り香水は、揮発性に優れてはいないため、付けてすぐに強い香りが漂うということはありません。
香水をつけた後、成分が体温で溶けることによって少しずつ立ち上るため、ゆっくり、のんびりと優しい香りが追いかけてくる感じですね。
さらにその控えめな香りは、狭い範囲にしか行き届かないので、自分だけで楽しむことが出来ますし、周囲に不快感を与えることもありません。
表面を指でなぞるように取り、好きな場所に塗り込んで使うものなので、思いがけずつけすぎてしまったり、思わぬ場所についてしまう、周りに飛び散ってしまうという心配がないのも嬉しいですね。
ふと近くを通った方にフワッと柔らかい香りを感じさせることが出来れば、好感度・魅力度ともにアップにさせる事が出来るかもしれませんね。
また、香水だと持ち運びが不便です。アトマイザーに入れ替えても、鞄の中でこぼれてしまうという事もあるのではないでしょうか。しかし、練り香水であれば固形なので、こぼれる心配がありませんし、万が一蓋が開いてしまってもそれほど強い香りが漏れることもないので、安心です。
手軽に持ち運び、サッと取り出していつでもどこでもつけ直し可能な、優しい香りの練り香水。
香水を使う事に抵抗がある、失敗したくない、アロマを使うのは少し難しそう、と考えているけれど、香水に興味があるという方にぜひお勧めしたいです。
アロマオイル(精油)を使った練り香水の簡単な作り方
練り香水は、様々な化粧品メーカーからも販売されていますが、実は自分で簡単に手作りすることもできるのです。自分で作る場合はさらに香りの強さなども調整できるので、使い勝手の良い、自分だけの香水を手に入れることが出来ますね。
複数のアロマオイルを組み合わせて作れば、世界に1つしかない、オリジナルの練り香水となります。
作り方も難しくはないので、様々な種類の香水を作り、リラックスしたい時・集中力を高めたい時・女子力アップを目指したい時など、気分に合わせて使い分けてみると楽しいかもしれませんね。
香りをつけるための精油と、混ぜるもの(ミツロウやワセリンなど)を変えて、いくつか違う作り方にも挑戦し、その過程や結果をまとめてみたので、参考にしてみてくださいね。
練り香水作りで使う道具
作り方によって、用意するものは違って来るので、以下のものの中から、必要に応じて準備してください。
・水
・耐熱容器
・スパチュラ
・保存容器
・キッチンスケール
・ビーカーや計量カップ(あると便利です)
鍋、水、耐熱容器はミツロウやシアバターを湯煎にかける際に使うので、電子レンジで温める場合は、鍋と水は不要です。
スパチュラは、オイルやミツロウと精油を混ぜ合わせるときに使います。混ぜやすく清潔なものであれば、何でも構いません。(プラスチックスプーン、割りばし、竹串、つまようじなど)
練り香水を入れる容器は、持ち運ぶのであればコンパクトで蓋つきの密閉できるものがいいですし、ルームフレグラスとして部屋に置いておく予定なら、インテリアとしてお洒落なものだといいですね。
また、スティックタイプの練り香水も作ることが出来ます。この場合は空のスティック容器を購入する必要があります。
密閉容器は100円均一にも売っていますし、アロマ用品を多く取り扱っている「生活の木」というお店にもあります。好きな雑貨店などで好みのものを購入してもいいでしょう。
私は、スティックタイプは生活の木で、密閉容器は100円均一(Seria)で購入してみました。
100円均一の中でも、Seriaは可愛い雑貨がたくさん揃っているのでお勧めです。デコレーションパーツやシールなども売っていたので、シンプルな容器を購入し、様々なデコレーションをし、自分だけのオリジナルケースを作ってみるのも楽しいですね。
キッチンスケールはミツロウやシアバターを計量するのに使います。ビーカーや計量カップはオイルを計量したり、小さな容器に注ぐ際に便利です。
しかし、絶対になければならないものではないので、他に代用できるものがあれば、それで構いません。
練り香水作りの材料
アロマオイル(精油)
アロマを扱っているお店や雑貨店などで、アロマオイル(精油)を購入します。
精油のいいところは、合成の香料ではなく、天然の植物から抽出された香りのため、心理面にも作用してくれる部分です。
落ち込んだ気分を持ち上げてくれたり、リラックスさせてくれたり、楽しい気分にしてくれるなど、香りを嗅ぐだけで気分転換も可能になるのです。
お店にはサンプルが用意されているので、いろいろ嗅いでみて、自分にぴったりな香りを探してみましょう。
気分ごとに使い分ける為に、いくつかタイプ別に揃えてみてもいいですし、好きな香りをブレンドしてみても楽しいですね。
ただし、アロマポットを使用したことがある方はわかるかと思うのですが、瓶のふたを開けて嗅いだ時の香りと、アロマとして使用した場合の香りや香りの感じ方は若干違ってきます。
いい香りだなと思っても、アロマとして使ってみると酸味が強すぎたり、くどかったりすることもあるのです。
それは、練り香水として使用しても同じです。まったく別の香りになることはありませんが、その日の温度や湿度、その人の体温や皮脂量などによっても香りは変動しますし、軽く嗅ぐ程度ならいい匂いなのに、常に嗅ぎ続けると不快になる匂いもあります。
不安な場合は、購入前にサンプルの精油を少量指先にとって、手首などにつけてその後の香りの変化を確認してみるといいでしょう。
ミツロウ
ミツロウとは、働き蜂のお腹から分泌されるロウのことで、蜂の巣から採取することができます。
薄い黄色で、ほんのり自然の香りがする天然ワックスになります。(写真は精製されたものなので、白いのですが、未精製のものはもっと黄色っぽくなります)
ミツロウは天然由来でお肌にも優しく、保湿効果もありますし、肌をしっとり柔らかくする作用もあります。火傷や切り傷、湿疹、炎症などに塗り込むと効果的だとも言われています。その為、手作りのクリームやリップクリームにもミツロウを使う方が多いですね。
ミツロウは融点が62度~65度程度のため、常温では固まってしまいます。その固まる性質を利用し、他のオイルをブレンドして上手に調整すると、自分好みのテクスチャーにすることができるのです。
やわらかいクリームを作りたいなら、ブレンドするオイルの量を増やして滑らかにし、練り香水の様に少し固めにして少量ずつ使いたい場合は、オイルを少なめ、ミツロウを多めにして固めます。
さらに精油の量を多めにすると香水としての役割が強くなりますし、精油を抑えると、クリームとしての役割が強くなります。
また、ミツロウはロウですので、香りのあるキャンドルとしての使用も可能でしょう。
今回は練り香水としてのミツロウの使い方をご紹介しますが、この様に、ミツロウの量、オイルの量、精油の量を変えるだけで様々な使い道があるので、練り香水を作った後、ミツロウや精油が余ってしまっても使いまわすことが出来ますね。
※未精製のミツロウか、精製のミツロウか?
お店には、天然の状態のままの未精製のミツロウと、精製されたものが売られています。天然のものはほんのり黄色く甘い香りがするそうですが、精製されたものは香りが抑えられ、色も白っぽくなっています。
ミツロウを購入する際、未精製のものにしたら良いのか、精製の方がいいのか、迷う方が多いのではないでしょうか。私もどちらにしたらいいのか悩んでしまったのですが、生活の木の店員さんに聞いたところ、
未精製のものは・・・
「有効成分が多く含まれているので、クリームとして使う予定で、お肌にいい成分をたくさん取り込みたいと考える場合は未精製のものがお勧めです。しかし、その分、アレルギーを起こす危険性もあるというデメリットもあります。また天然の状態なので甘い香りが残っていますし、不純物も含まれている可能性があります」
精製のものは・・・
「きちんと成分が調整されているので、どの商品も安定しているし、アレルギーも起こしにくくなっています。香りもなく、不純物も取り除かれているので、より安全性が高くなっています。しかし、精製する過程において、ミツロウ本来の有効成分が損なわれてしまっている可能性もあります」
とのことでした。
今回の目的は「香水」ですので、「香りがなく、安全性が高い」という点で考え、私は精製されたものを選びました。
ミツロウ本来の香りが、せっかくの精油の香りを邪魔したら嫌だなと思ったからです。また、メインは香りなので、今回は有効成分はそれほど必要ないかなと思いました。
もし、アレルギーの心配がない方で、クリームなどとしてミツロウを使いたい場合は、未精製のものがお勧めです。
パラフィン
練り香水を作る際、ミツロウの代わりに「パラフィン」と言う石油由来のワックスを使う場合もあります。
市販の練り香水にも含まれているものがありますね。有名なロクシタンの練り香水にもパラフィンは使われています。
「パラフィン」と言うと、天然のものではないため、敬遠したくなる方が多いようですが、このパラフィンはとても安全性の高い物質で、ベビーオイルや私たちがよく使う化粧品などにも配合されています。
安全なミツロウでも、人によっては刺激を感じることもある為、もしミツロウが肌に合わないという場合は、ミツロウの代わりにパラフィンを使用してみてはいかがですか?
ホホバオイル
ホホバオイルは、私たちの肌に含まれている成分と似ているため、浸透しやすく馴染みやすいという特徴があります。
保湿効果も高く、肌に潤いと弾力を与えてくれる作用がありますし、べたつかず、低刺激でさらさらしているため、オイリー肌や乾燥肌等、どんな肌タイプの方でも使用できるでしょう。
また、酸化もしにくいので、保存料などを使用しなくても長期保存が可能になります。
その為、スキンケアとしてはもちろんのこと、アロマテラピー用のオイルとしても人気です。
練り香水は、勿論オリーブオイルやサラダ油などでも作ることができるのですが、オリーブには独特な香りがあるため、精油本来の香りの邪魔をしてしまいますし、サラダ油だと酸化が気になります。
肌に負担をかけるような保存料等を使わなくても長期保存できる無臭のホホバオイルは、練り香水を作るのに最適なものとなるのです。
ホホバオイルにも、精製したもの、未精製のものと両方ありますが、私はここでも精製したものを選んでみました。香りの邪魔にならないよう、より無臭であってほしかったのと、練り香水は大量に使うものではなく、少量ずつ長期的に使用して行くものなので、安全性を最優先したかったからです。
今回はホホバオイルを使用しましたが、ホホバオイルと同じようにアロマテラピーで人気のある別のオイルを使ってみてもいいかもしれません。
例えば、スウィートアーモンドオイル。お肌を柔らかく滑らかにする作用がありマッサージに適したオイルです。ベビーオイルとして赤ちゃんに使用することもあるので、安全性も高く、使いやすいです。
アプリコットカーネルオイルは私たちの皮脂に存在するオレイン酸を豊富に含んでいるため馴染みがよく、肌をしっとりさせてくれますし、年齢肌を気にしている方は、年齢とともに減少してしまうパルミトレイン酸(老化防止、高血圧や動脈硬化を予防する作用のある脂肪酸)を多く含んでいるマカダミアナッツオイルもお勧めです。
ミツロウや精油を選びにアロマショップへ足を運んだなら、アロマに適したオイルもたくさん売っているので、ホホバだけではなくこの様なオイルも試してみてもいいかもしれませんね。
生活の木にはオイルのサンプルも用意されているので、香りを嗅いだり、使用感を試すのに便利です。
シアバター
天然由来の植物性油脂、シアバター。
オイルなのに、シアオイルではなく、シアバターと呼ぶのは、形状が半固体だからです。
基本的に、以下の様に形状によって呼び方が変わってきます。
バター・・・常温で半固体の場合
ワックス・・・常温で固体の場合
シアバターは、アフリカに生息するシアの木の種子から採れるオイルですが、15年でやっと花が咲き、さらに10年経過してやっと実がなります。更に実はその後3年ごとにしかつかないため、その実から採取されるオイルはとても貴重なのです。
また、シアバターは肌を柔らかくし、自然治癒力を高める作用があるため、薬のない時代から皮膚疾患の万能薬として使われてきました。
塗るだけで、傷や火傷、日焼け、かゆみ、湿疹、炎症等、様々な症状を改善させ、治癒させてくれるのです。
保湿効果も高いため、乾燥肌を改善できますし、乾燥から肌を守ることも出来ます。更に抗酸化作用のあるビタミンEが豊富に含まれているため、肌の老化も防止してくれます。
肌荒れを改善させ、いつまでも若々しく張りのある美肌に導いてくれるシアバターは、日本でも人気が上昇中で、今はシアバターが配合されているハンドクリームやリップクリーム等、スキンケア商品も販売されています。
しかし、今回は練り香水の原料として使用したいので、シアバターが配合されたクリーム等ではなく、100%のシアバターを用意しましょう。
白色ワセリン
石油から作られる白色ワセリン。石油が原料ということで不安になる方が多いかもしれませんが、きちんと不純物を取り除き精製された、医療機関でも使用される安全な成分です。
肌に塗ることで、皮膚表面に油膜を張って外部の刺激から守る力があるため、皮膚や手、唇などの乾燥防止、もしくは保護として使用する場合もありますし、アトピー治療として処方される場合もあります。
低刺激で副作用もないので、小さなお子さんや敏感肌の方、アトピーの方でも安心して使えます。
化粧品などにも、保湿成分としてワセリンが配合されているものもあります。
また、不純物が含まれていないので、酸化しにくく長期保存が可能ですし、無臭のため、香水の香りを邪魔することがありません。
但し、ワセリンと記していても様々な成分が配合されて作られているクリームもありますし、ワセリンと間違われやすい「ヴァセリン」も白色ワセリンをベースとしているだけで香料などの成分が含まれているため、練り香水には不向きです。
これはNEWタイプで、リップクリームとして販売されているものなのですが、たまたまこの間購入したものがあったので撮影してみました。一般的なヴァセリンはもっと大きくて、少しデザインが違いますが、これに似ているパッケージです。
「Vaseline」のロゴを見たらピンとくる方が多いのではないでしょうか。
このヴァセリンもそうですが、ワセリンをベースに香料やカカオ脂などが使われているのがわかりますね。
このような商品は練り香水には不向きとなるので、必ず、薬局に売っている「白色ワセリン」というものや、医療機関でもらったワセリン等を使用するようにしましょう。
私は、息子のアトピー治療で皮膚科に通っているので、病院で処方されたワセリンを使ってみます。
ミツロウで練り香水を作る
ミツロウで練り香水を作る場合、ミツロウだけだとキャンドルの様に硬くなってしまうので、他にオイルを混ぜて使いやすいテクスチャーに変える必要があります。
ここではホホバオイルを使用していますが、他のアロマテラピー用オイルを使用しても構いません。練り香水は長期的に使用するものなので、できれば長期保存可能で、酸化しにくいオイルがいいですね。
分量
分量は、香水を入れる容器の大きさにもよりますが、基本的には
オイルの量に幅が有るのは、室温によって量を調整してもらいたいからです。というのも、ミツロウは高温になると溶けだしてしまうので、オイルを同量混ぜても夏場は柔らかくなりすぎる事もありますし、冬場は固くて使いにくくなってしまうことがあるのです。
夏はホホバオイルを少なめ、冬はホホバオイルを多めにして作るといいでしょう。冬場、暖房をつけて常に室内が温かい状態なのであれば、ホホバオイルは少なめでも構いません。
今回は間をとって、【ミツロウ:ホホバオイル=1:3】にして、5ml用の容器を用意したので、全体で5ml以内になるよう作ってみます。
・ホホバオイル・・・3ml
・精油・・・3滴(精油は1滴で約0.05mlになります。3滴なら約0.15ml、10滴で約0.5ml、20滴は約1mlです)
精油にはそれぞれ心理面などにも作用する力が秘められています。その為、一度にたくさん使用しすぎると悪影響を及ぼすことも考えられます。
それほど神経質になる必要はありませんが、だいたい基材1gに対し、精油1~2滴が適量と言われています。このような適量の範囲内で調整するといいでしょう。(練り香水の基材とは、ミツロウとホホバオイルを混ぜたものや、ワセリンなど、香り付けをする前の練り香水の基となるものを指します)
また、練り香水は大きなケースに大量に作るものではありませんね。有名なロクシタンの練り香水でも、10ml容器ですので、私が購入したローズマリーの精油は3ml入りの小さな瓶でしたが、これでも十分な量の練り香水を作ることが出来ます。
精油は一度開封すると劣化が進んでしまうので、出来れば大きなものを大量に買うのではなく、少量で使いきれる分を購入した方がいいでしょう。
更に、小さい瓶なら600円程度なので、好きな香りをいくつかまとめて買うこともできますね。
手作りミツロウ練り香水の作り方
ミツロウとホホバオイルを計量し、湯煎にかけて溶かしたものを容器に流し込み、精油を入れて混ぜて固めれば完成です。
慣れている方は数分で簡単に作ることができるでしょう。
しかし、全くの初心者な私は、細かい部分で色々と躓いてしまったので、その辺も含めて、詳しくお話していきますね。
①ミツロウを計量する
1gという少量のミツロウを計量する段階でまず躓いてしまいました。
私が持っているキッチンスケールは、0.1gから計量できるはずなのですが、実際計ってみるとずっと0.0gのままで、ミツロウを増やし続けると、1.6gから計量開始するのです。
どうしてもピッタリ1gにすることが出来なかったので、悩んだ末、ピッタリ2.0gで計量してから、2gのミツロウを半分に分けて使ってみることにしました。
慣れてくれば、計りやすい量で多めに作るといいかもしれませんね。多めの基材を様々な容器に流し込んでから、それぞれ違う香りを入れて混ぜれば、一気に複数の練り香水を作ることができるでしょう。
②ホホバオイルを計量する
3mlを計量するため、スポイドを使ってみました。
③ミツロウとホホバオイルを耐熱容器に入れる
④鍋に水を張り、火にかける
③鍋の水が40度くらいになったら(指を入れて温かいと感じるくらい)ミツロウとホホバオイルを耐熱容器ごと湯煎にかける
この時、少しずつミツロウの臭いが立ち上ってきます。店員さんは「精製されているので無臭です」と言っていたのですが、決して無臭ではありません。
溶ければ溶けるほど臭いが強くなっていきました。ロウソクの匂いにも近いのですが、獣のような、虫のような、古い引き出しを数年後に開けた時に香りそうな、何とも言えない臭いが混ざり合った感じです。
息子に聞くと、「動物園の猿山の臭い」と言っていました。「でも、こんな匂いのお茶もありそう」とのこと。確かに、お茶の匂いと思って嗅ぐとそんな気もしてきます。
はちみつに近い甘い香りは決してしません。ここに精油を入れて、本当にいい香りになるのだろうか?と不安になったぐらいでした。
④ミツロウが溶ければ練り香水の基材完成
湯煎にかけてから1分半くらいで溶け始め、2分半で完全な液状になります。
最初は竹串で混ぜながら溶かしていたのですが、ミツロウが溶け始め、粘りが出てくると竹串にくっつき混ぜづらくなったので割りばしに交換しました。
割りばしだと2本あるので、箸の先に粘りくっついたミツロウをもう1本の箸でこすり落としたりでき、便利です。また、匂いもつきますし、ロウも先端に固まってくっついてしまうので、使った後そのまま捨てることができるのも嬉しいですね。
そして、この段階での湯気は、獣とロウソクを混ぜたような香りがすごいです。
人によって感じ方は違うと思うのですが、ここで匂いを感じるなんて少しも想像していなかったので、私は必要以上に臭いと感じてしまいました。
もし未精製を購入していたら、どうなっていたんだろう?と思います。
⑤溶けたら、容器をお湯から出し、液体になったミツロウとホホバオイルを保存容器に流しこみ、好きな香りの精油を入れて素早く混ぜます。
ここではグレープフルーツの精油を使いたいと思います。
グレープフルーツなどの柑橘系は爽やかで万人受けする香りですね。心を軽くし、ストレス解消にも役立つと言われています。落ち込んだ時や気分が沈んでしまった時、イライラするときなどに効果的な香りです。
※ミツロウは融点が65度前後なので、65度を下回るとすぐに固まり出します。固まってしまうと香りを混ぜることが出来ないので、もう一度湯煎にかけて溶かさなければなりません。
固まる前に精油で香り付けをしておきたいので、お湯から上げたら素早く混ぜましょう。
⑥固まったら出来上がりです。
表面をなでるようにして指に取り、好きな場所につけて香りを楽しみましょう。
(もし、この時点で香りが足りないと思っても、ここで精油を足すことができません。その場合はもう一度湯煎にかけるところから始め、溶かしてから精油を追加しましょう)
仕上がって、匂いを嗅いでホッとしました。ミツロウの臭いは消え、精油のいい香りが漂っています。しかし、作り立てはまだちょっと刺激が強く、香りが安定していない感じがしました。
作り終えて4~5時間くらい経過すると、しっかりと固まり、香りも穏やかに落ち着いたような気がします。
固まり方
どのサイトでも、ミツロウは固まりやすいので、お湯からあげたらすぐに混ぜること、と書いていますが、実際、どれくらいの時間で固まるのか気になりますね。
そこで、ちょっと試してみました。
湯煎にかけて液状になったミツロウを、お湯から上げて、そのまま放置してみます。
だいたい1分程度でトロトロととろみのある状態に変わります。でも、まだ精油を混ぜることは可能です。
1分半で、このように白っぽくなってきました。でも、まだまだ混ぜられます。
2分半でこの様な状態になりました。
3分でこの状態です。まだ柔らかいけれど、これでは容器に注ぐことはできませんね。
つまり、お湯から上げて、約2分以内には容器に流しこみ、精油を入れて混ぜなければならないようです。但し、ミツロウの量や流し込む容器が違うと、熱が逃げる時間も違ってくると思うので、私が記した時間は一つの目安として考えてください。
この後、また湯煎にかけると液状に戻すことが出来ました。
一度に大量の基材を作る場合は、ひとつの容器に基材を流し込み精油を混ぜている間に、残りのミツロウが固まってしまうことが考えられるので、すぐに使わない基材は耐熱容器ごとお湯につけて温めておくといいかもしれませんね。
シアバターで練り香水を作る
ミツロウの代わりにシアバターを使って練り香水を作ることもできます。
作り方はミツロウとほぼ同じですが、シアバターの融点は35度~40度程度です。人間の体温と同じくらいなので、ミツロウよりも固まるまでに時間がかかります。
ですから、お湯から外した際にミツロウのように慌てて混ぜなくても大丈夫でしょう。
また、仕上がりもミツロウよりも柔らかい状態になるため、ホホバオイルなど他のオイルをブレンドしなくても、シアバターと精油のみで作ることが出来ます。
ミツロウよりも簡単に作ることができる点はいいのですが、やや溶けやすいので、暑い夏場、鞄に入れて持ち歩くのであれば、ミツロウで作った方がいいかもしれません。
自宅の冷蔵庫に保管する予定、もしくは寒い冬場に使用する予定なら、シアバターはお肌にもいいですし、やわらかいので使いやすいでしょう。
分量
分量は基材1gに対し、精油1~2滴が適量と言われています。
ホホバオイルなどを混ぜないのであれば、シアバター1gに対し、精油1~2滴でいいでしょう。但し、人によって好みもありますし、その精油によって香りの強さも違うので、1gに対し2滴前後を目安に、多すぎない程度で調節してみてくださいね。
今回は、シアバター5gで練り香水を作ってみようと思います。(5gのシアバターは約5mlです)
ミツロウで作った際、5ml用の容器に収まるよう、全体で5ml以内になるよう計量しましたが、実際には耐熱容器にくっついてしまった分、混ぜる割りばしにくっついてしまった分等で、仕上がりは少なめになってしまったので、その辺も考慮し、少し多めに作ってみます。
また、ミツロウの場合、基材が4ml程度になるところ精油を少なめの3滴にすると香りが若干弱く感じました。そこで、ここでは規定通り、1gに対し1滴で作ってみようと思います。
・精油・・・5滴
シアバター練り香水の作り方【その1】
①シアバターを計量し、耐熱容器に入れます。
シアバターも精製されたものなので無臭だと思っていましたが、袋を開けたとたん匂いがありました。こちらもあまりいい匂いではありません。今まで嗅いだことのない、ちょっと酸味のある香りです。
しかし、ミツロウほど嫌でもありませんでした。
②鍋に水を張り、火にかけます。
③40度くらいになったら、シアバターを耐熱容器ごと湯煎にかけます。
溶けだして湯気が立ち上ると匂いも強くなるかと思ったのですが、逆に匂いは薄くなって行ったように感じました。
④シアバターが溶ければ練り香水の基材完成です。
ミツロウよりも溶けやすく、湯煎にかけてから1分程度でトロトロになり、1分半で液状になりました。他のオイルを混ぜる必要がなく、溶けやすく、匂いもそれほど気にならないので、ミツロウよりも扱いやすいです。
⑤溶けたら、耐熱容器をお湯から出し、液体になったシアバターを保存容器に流し込み、好きな香りの精油を入れて混ぜます。
5gのシアバターだと多いかなと思ったのですが、5mlの容器に全て流し込み、精油を5滴たらすと、ちょうど満杯になりました。今回はローズマリーにしてみます。ローズマリーは少し薬っぽい香りのする精油なのですが、頭が冴えるような気がして、私は好きです。
清涼感もあるので、もしかすると夏の方が使いやすい香りかもしれませんね。眠気を覚ましたい時、何かに集中したい時にも効果的です。
⑥固まったら出来上がり
固まりにくい場合は粗熱がとれてから冷蔵庫に入れるといいでしょう。
シアバター練り香水の作り方【その2】
湯煎にかけてもいいのですが、電子レンジでも作れるようなので、どちらが簡単か試してみることにしました。
①シアバターを計量し、耐熱容器に入れます。
しかし、面倒だったのと、購入した容器が電子レンジOKの素材だった事もあり、練り香水を入れる予定の容器にそのままシアバターを満杯入れてみました。
このまま溶ければ、そこに精油を垂らすだけで仕上げることが出来そうですね。
②電子レンジで温めます。
数秒で溶け始めると言われているので、まずは10秒から試してみました。しかし、全く変化ありません。更に10秒ずつ区切りながら変化を確認して行きましたが、1分経過しても、この状態です。
2分経過するとやっと溶け始めました。
3分でやっと液状になりました。湯煎にかけるよりも時間がかかりますね。ちなみに私の家の電子レンジは600ワットです。
そして、満杯だったはずのシアバターは半分程度にまで減っていました。容器に満杯に作りたい場合は、もっとたっぷりシアバターを詰め込まなければなりませんね。もしくは横着せずしっかりと計量した方がいいのかもしれませんね。
③溶けたら基材の出来上がりです。
ここに精油を入れて混ぜ、固まったら練り香水の完成です。
どれくらいで溶けるかわからず何度も電子レンジを止め、確認しながらだったので、ちょっと面倒と感じてしまったけれど、3分で溶けると最初からわかっていれば、レンジに入れてボタンを押すだけでいいので、湯煎にかけるより簡単かもしれませんね。
(※この後、レンジを止めずに一気に温めると2分半でしっかりと液状になりました。こまめにレンジを止めてしまうと冷めてしまうので溶けるまでに時間がかかってしまいます。600Wなら2分半を目安に、自宅のレンジで調整してみてくださいね)
固まり方
シアバターも、溶けた後、実際にどれくらいの時間で固まるのか、常温に置いて確認してみました。しかし、作ってから15分経過しても、まだ液体です。
1時間経過すると、やっと表面に膜のようなものができ始めました。
1時間半経過し、やっと固まってきましたが、表面がボロボロしてきました。
ミツロウと比べてみます。
仕上りが美しいのは、ミツロウですね。匂いや扱いづらさが気にならないのであれば、練り香水はやはりミツロウで作った方がいいかもしれません。
白色ワセリンで練り香水を作る
ワセリンは柔らかいので、湯煎にかけて溶かしたり、その後固めたりという手間はありません。用意するのも、ワセリンと精油だけですし、香りも混ざりやすいので作りやすく便利です。
分量
基材1gに対して、精油1~2滴が適量です。
香りの強さを確認したいので、ここではワセリン1gに対し、精油2滴程度の割合で試してみようと思います。
・精油・・・10滴
作り方
①練り香水の容器にワセリンを入れます。
つま楊枝で無理矢理すくって、小さな容器に詰め込みましょう。
②ワセリンの上に、精油を10滴垂らします。
ここでは、私がいつも自宅で使っているエアーフレッシュナー(空気清浄機)用の香り、ベルガモットを使ってみようと思います。
さわやかな柑橘系で、清潔感を与える香なので、ルームフレグランスとして使う事が出来たら嬉しいです。
③つまようじなどで混ぜ、ワセリンと香りがなじんだら完成なのですが、混ぜていると、この様になっていきました。
竜巻の様ですね。
最後にはまた無理矢理容器に詰め込んで完成しました。
元々のワセリンの色よりも、白っぽい状態になりました。香りは10滴垂らしたのに、穏やかです。
精油を使わなかったせいだろうか、と、もう一度ローズマリーの精油を使った場合も試してみたのですが、同じように白っぽい状態になりました。
ローズマリーの香りは、しっかりとついています。やはり精油を使った方が良さそうですね。
しかし、私としては、ワセリンでの練り香水の出来栄えはいまいちと感じてしまいました。
ワセリン自体に香りはついていないはずなのですが、香り自体を油膜で守ってしまうのか、精油原液とは少し違った香りに変わったように思えるからです。
勿論ローズマリーの香りなのですが、ローズマリー独特のツンと刺激的な部分が消えて、まろやかになっているのです。
ミツロウの場合は、本来の香りを損なわないまま弱くなったのに対し、ワセリンは本来の香り自体をまろやかに変えてしまっているように思えます。
そのまろやかさがいいと思う方ももちろんたくさんいると思いますが、私は残念に感じてしまいました。
計量する必要も、溶かす必要も、固まるまで待つ必要もありませんし、どの方法よりも簡単で失敗がない作り方なので初心者でも安心なのですが、香水の出来栄えを考えると、やはり手間を省いたものはそれなりになってしまうのかもしれないと思ってしまいました。
リップタイプの容器でスティックタイプの練り香水に挑戦
リップタイプの空容器もアロマショップや通販などで売っています。この様な容器に流し込んで、リップタイプの練り香水を作ると、サッと取り出して手を汚すことなく好きな場所に塗り込むことができるので、便利ですね。
私はリップタイプのものと、少し大きめのスティックタイプの空容器を1つずつ、「生活の木」で購入してみました。
そして、リップタイプはシアバターで、大きめのスティックタイプはミツロウで作ってみました。
その結果・・・・
大失敗してしまったのです。
まずお伝えしたいのは、リップタイプはミツロウで作った方がいいです!
そして、次の写真の様に、注ぎやすい耐熱容器も用意した方がいいかもしれません。
重要なのはこの注ぎ口です。
というのも、リップタイプの容器は入り口が狭いので、こぼさないように上手に注ぐのがとても大変なんです。こぼしてしまうと、手やその周りがベタベタになってしまうし、量も減ってしまいます。
さらにシアバターは固まるまでに時間がかかってしまうので、固まるのを待っている間に下から液状の基材が漏れ出して来てしまうのです。その為、容器の下の部分にシアバターがくっつきベタベタになりますし、さらに量が減ってしまうので、こんな仕上がりになってしまいます。
キレイなリップになることを想像して作ったので、とてもガッカリしてしまいました。
さらに、しっかりと固めるため丸1日乾燥させたのですが、やはりシアバターは柔らかいので、その柔らかさゆえ、1度クルクル回して繰り出してしまうと、戻そうとしても戻りません。
指で押しこんでもとに戻し、フタを閉めるしかないのです。
更に、暖房をつけた室内に置いておくと、翌日は更に柔らかくなり、手首に塗ろうとするとポロポロと崩れてしまいました。
シアバターでのリップ作りは難しいですね。
そこで、今度は大きめのスティックタイプのものに、ミツロウで作った練り香水を流し込もうと思ったのですが・・・。
残念ながらこれもまた失敗してしまったのです。
ミツロウは固まりやすいので、スティックタイプの幅が狭い容器に注ぐと、通常の密閉容器に入れるよりも早く固まってきてしまいました。
さらに液状の香水で香りづけした場合も知りたかったので、香水を準備していたのですが、いざとなると香水の蓋が思うように開けられず、そうしている間にミツロウが固まり始めたので、慌てて容器の上からシュッシュッと吹きかけてみたのです。
すると吹きかけることによってさらに基材の温度が下がり、急激に固まるのです。混ぜる暇がありません。慌ててかき混ぜた結果、固まりかけた表面も混ぜることになってしまい、滑らかな表面に仕上げることができませんでした。更に、匂いが均一に混ざったかどうか不明な状態です。
しかし、シアバターと違って、しっかりと固まってくれたので、くるくる回して繰り出しても、その後またくるくる回すと元に戻すことが出来ました。
リップタイプなど繰り出すタイプの容器に流し込む場合は、以下のような注意点を守るといいでしょう。
・シアバターの様に柔らかいものではなく、固まりやすいミツロウで作ること。
・小さなリップスティックに注げるよう、注ぎ口がついている容器(ビーカーや計量カップなど)に、ミツロウとホホバオイルを入れて溶かすこと。
※しかし、この容器の中に精油を入れて香り付けをするので、食事用ではなく、練り香水専用の容器をあらかじめ用意しておいたほうがいいかもしれません。
・同じ液状でも、冷めつつある液状と、まだほかほかの液体では、固まるまでの時間が違います。なるべく固まるまでの時間を遅らせたいので、しっかりと温め、ほかほかの状態の時にすぐ香りを混ぜること
・容器に入れてから香りを混ぜるのではなく、香りをしっかりと混ぜ合わせてから、容器に流しこむこと。
多分器用な方は初めてでも上手に作れるのだと思うのですが、不器用な私には、スティックタイプは難易度高めでした。
練り香水の使い方
少し固めの練り香水。使う場合は、表面を清潔な指先でうっすらとなでる様にしてとり、好きな場所に塗り込むだけです。
衛生面を気にする場合はスパチュラなどを使ってもいいのですが、そうすると香水を多く取り過ぎてしまうかもしれません。
出来れば、指先で好きな量を調整しながら使ってほしいです。しっかり洗った清潔な指先であれば、それほど衛生面を気にしなくても大丈夫でしょう。
また、特に薬指は、指の中でも丸みを帯びているので、練り香水をとるのにちょうどいいと言われています。丸みのある指なら、爪の中に香水が入り込む心配もありませんね。
お肌に塗る場合どこに付けるのがいい?
体温の高いところにつけると香りが立ちやすいと言われています。また、太い血管のある部分に塗っておくと、脈打つたびにほんのり香らせることが出来ます。
例えば・・・
・手首の内側
・肘の内側
・耳の裏
・首筋
・うなじ
等ですね。
また、香りは下から上に上っていく性質があるので、下半身に香り付けして置くと、動くたびにフワッと香らせることが出来ます。
例えば・・・
・足首
・膝裏
・足の付け根
等。
更に、自分だけが気づけるような軽い香りにしたい場合は、サッと鼻の下などに塗っておいてもいいでしょう。他人にバレないように、自分だけで楽しむことが出来ます。
これなら、入院中、病院で気分転換をしたい時などでも使えますね。
学校やオフィスなど、香水がNGな場所でも使う事が出来ますし、小さなお子さんを抱えているお母さんは、子どもの前で香水を使いにくいと思いますが、この様な使い方であれば、お子さんに不快感を与えず、香りを楽しむことが出来ます。
もっと控えめな香りにしたい場合は、ティッシュやコットンにつけてからサッと手首などをひとなでしてもいいのですが、基材1gに対し1~2滴の精油で作った練り香水だと、直接つけても本当に穏やかな香りになります。
ティッシュなどにつけてから肌につけたのでは、それ程香りを感じられないかもしれません。香りに敏感な方は試してみてくださいね。
リップとして!練り香水を唇につける
ワセリンで作った練り香水なら、艶も出るし保湿剤代わりにもなるので、唇の乾燥を防ぐ香り付きリップグロスとして使う事が出来ます。
リップタイプの容器に流し込んで作ることが出来れば、指先ですくってつけなくても、そのまま直接塗ることができるので便利ですね。
ただし、ワセリンはもしかすると香りを選ぶのかもしれません。ローズマリーは相性がいいとは思えませんでした。作り方は簡単ですし、ワセリンも安価で手に入れやすいので、気になる方は色々な香りで作って、ワセリンと相性のいい香りを見つけてみてください。
髪の毛に付ける
液状の香水の場合、髪の毛につけてしまうと、香水に含まれたアルコールが髪を傷めてしまう可能性もありますし、髪の毛が揺れるたびに強い香りがさらに強く拡散されてしまいます。
しかし、練り香水なら穏やかな香りなので、周囲へ迷惑をかけることもありませんし、精油を混ぜたタイプならアルコールを使っていないので、髪を傷める心配も有りません。
肌にも優しい成分で作られていますし、保湿効果もあるため、ヘアクリーム代わりに使ってもいいですね。
特に毛先につけておくと、風が吹いたり、歩いたりするたびにフワッといい香りを漂わせることができます。
いつも使っているヘアワックスに混ぜるという方法もありますが、ヘアワックスやヘアクリームなどには強い香りが付けられているものがほとんどです。
ここに練り香水を混ぜても香水としての力は発揮できないかもしれません。
ヘアクリームなどを付けて、ある程度の香りが飛んでから、外出直前に練り香水をつける等、時間差を作ったり、無香料のヘアクリームを選ぶといいでしょう。
ルームフレグランスとして
実際に作った練り香水のフタを開けて、部屋に置いておいてみたのですが、残念ながら、そこからふんわり香りが漏れて、部屋にいい香りが漂うとは感じられませんでした。
作ってみるとわかると思うのですが、基材1gに対して精油1~2滴では、本当に柔らかい香りになります。香水をすぐ近くに置いておくと何となく匂いは感じる程度なので、部屋全体の香りを変える事は出来ないでしょう。
ルームフレグランスとして使用するなら、精油ではなく、アルコールで使った液状の香水を混ぜた方がいいのでは?と思います。
実際、香水をミツロウに混ぜて作った練り香水のフタを開けて部屋に置いてみたのですが、自然と香水の良い香りが漂っていきました。
液状香水は部屋に直接吹きかけるときつすぎてしまいますが、練り香水に混ぜた香水なら、ほんのり漂い続けてくれるので、ルームフレグランスとして使うのにお勧めです。
直接肌につけるわけでもないので、アルコール成分が含まれていても心配ありませんね。
布製品につける
下着や洋服などと一緒にタンスやクローゼットにしまっておくと、布類に柔らかい香りを移すことが出来ます。但し、練り香水のケースのフタをしたままだと、ほとんど香りがしないので、ふたを開けておかなければなりません。
また、オイルなので、その成分が布に付着すると、場合によってシミとなってしまうこともあるので、服に直接つかないように注意しながら保管しましょう。
好きな香りやリラックス効果のある香りをピローケースにつけるのもお勧めです。安眠効果が期待できますね。
また、カーテンの隅に塗っておくと、窓を開けて風が入り込むたびにふんわり香りを楽しむことが出来ます。しかし、少量では全く香らないので、強めの香りをしっかりと塗っておく必要があります。
シミにならないか目立たない場所で確認してから使うようにしましょう。
意外な使い方「手紙につける」
練り香水を手紙につけておくと、手紙を受け取った方も喜ぶのでは?と考えられていますが、実際便せんに練り香水をつけると、シミになってしまいました。
はがきサイズの厚紙に塗ってみると、シミとまではいきませんが、なんとなく色が濃くなったようにも見えます。(猫の絵の横から、スティックタイプで線を引くように塗ってみました)
ミツロウ+ホホバオイルのものも、シアバターで作ったものもどちらもオイルが含まれているので仕方ないでしょう。
シミにならないよう、軽くつけてみると、今度は香りが足りません。
更に、シミがつくくらいしっかりと練り香水をつけたとしても、3時間も経過すれば、香りは消えてしまいます。これではポストに入れた後、相手の家に届くまで香りが保たれているとは思えないのです。
しかし、オフィスで伝言メモを残す場合など、相手が1時間以内に手にする事の出来る手紙なら、サッと香り付けして好印象を与えるという事は可能かもしれませんね。
また、液状の香水で香り付けした練り香水なら、はがきに塗ってから3日後に確認すると、ほんのり香りが残っていました。
意外な使い方「練り香水を本につける」
ブックカバーや本、雑誌などにリラックスできる香りの練り香水をつけておいて、そのまま香りが維持されるなら、夜寝る前に本を開くとリラックス効果が得られるし、もし参考書につけておくと、香りによってはやる気UPにつながるかもしれません。
しかし、軽く付けておいた香りでは、やはり次に本を開くときには消えてしまいます。
本の全ページの端につけて閉じておくと、3時間経過しても、本を開いた際にフワッと軽く匂いはしたのですが、全ページに塗ると言う面倒な作業をわざわざする方は少ないのではないでしょうか。
それなら、本や雑誌を読む際に、フタを開けた練り香水を手元に置いておくか、鼻の下に練り香水を塗っておく方が簡単です。
意外な使い方「練り香水を身の周りのアイテムにつける」
手帳、名刺、ペン、ハンカチなど、いつも持ち歩くアイテムに香りをつけておくと、テンションも上がり、仕事や勉強もはかどりそうですね。
私はいつも使っている手帳の全ページの端につけてみました。
ページを開くたびにフワッとローズマリーの香りがするので、スケジュール管理するたび、「よし、頑張ろう」という気持ちになれます。しかし、翌日にはもう香りはきえてしまいました。
香りを楽しみたい時は、毎日塗らなければならないでしょう。
下駄箱や押し入れ、引き出しなどに香り付けして、開けるたび、フワッと香らせたり、防虫剤代わりとして使用するのもいいのですが、何と言っても、長期的に香らない練り香水ですので、「つけ直す」という手間が必要になります。
手間が気にならない、その瞬間だけ香ればいい、という方にはおすすめです。
手作り練り香水に関してのQ&A
手作り練り香水は気になるけれど、まだ作ったことがないという方の不安や疑問をここで解決してみたいと思います。
どのくらい香りは持つの?
サイトによっては、ほんのり香る為、香水よりも長時間持つと書かれている場合と、やわらかい香りなので、持続時間も短いと書かれている場合があります。
実際はどうなのでしょう?
私が試した結果、「持続時間が短い」と感じました。
それぞれの香りによって、つけた瞬間香ってすぐに消えるものや、時間が経過してから香りだすものなどがあるため、一概には言えないのですが、トップノートに使われるグレープフルーツも、ミドルノートとして使われるローズマリーも1時間くらいすると全く匂いを感じなくなってしまったのです。
つけた時も、半径1メートルまでも香りが届きません。半径40~50㎝くらい近づいてやっと「あ、匂いがする」という程度の香り方で、30分もすると近づいた人はもちろんのこと、自分でさえも匂いを感じなくなります。
香水をつけた部分に鼻を近づけてやっと「あ、匂いが残っている」という程度ですね。
1時間もすると、どこに香水をつけたっけ?と言う状態になってしまいます。
私もそれほど嗅覚が鋭いわけではないですし、人によって感じ方も違うと思うのですが、練り香水をつけて数時間香りを漂わせるという事は出来なそうです。
香りを感じたい場合は、こまめにつけ直さなければならないでしょう。
自分で香りを感じていたい場合は2時間おき、他人にも香りに気づいてもらいたい場合は、1時間おき程度につけ直した方がいいかもしれません。
面倒と感じるかもしれませんが、練り香水は小さなケースで持ち運びが便利ですし、公共の場でも周りに香りをまき散らしたりすることなく、簡単につけ直しが可能なので、常にポケットに忍ばせておけばいつでもサッと取り出してつけることが出来るのではないでしょうか。
付ける量はどのくらいがいいの?
指先でなでるようにして香水を取り、手首に塗ってみたのですが、これではほとんど香りを感じることができませんでした。
べた付くほどではなくてもいいのですが、しっかりと指先にとり、思っているよりもたっぷり塗った方が良さそうです。
香り方はとても穏やかなので、1か所だけではなく、数か所につけてもいいかもしれません。
しかし、周りに気づかれないよう、自分だけで香りを楽しみたいという場合は、サッとひとなでした練り香水を顔の近くに塗るだけでいいでしょう。
自分ではなかなか自分についた香りの強さに気づけない部分があるので、1度家族や友人などに香りを確認してもらって、自分にとっての適量を覚えておくといいかもしれませんね。
色々な香りをブレンドしてもいいの?
液体の香水はすでに様々な香料がブレンドされ、ベストと思われる香りが出来上がっているので、そこに素人の感覚で別の香りを混ぜてしまう匂いがきつくなり、不快な香りになってしまうことが多いのです。
しかし、練り香水はもともと穏やかな香りに仕上がっているので、ブレンドすることで様々な香りの変化を楽しむことが出来ます。
それぞれ違う香りの練り香水を重ね塗りしてもいいですし、手作りする際にいくつかの精油をブレンドしてみてもいいでしょう。
使う量や精油の種類によっても様々な香りの変化を楽しむことができるので、世界で一つだけの香水を作ることが出来ますね。
また、作る場合、「ノート」を意識すると、更に効果的です。
実は、それぞれの香りごとに揮発するまでの時間や持続時間が違っているのです。その違いをうまく活用すると時間の経過と共に香りの移り変わりを楽しむことが出来ます。
その揮発速度のことを「ノート」と言い、香水をつけてから10分程度の香りをトップノート、少し時間が経過してからの香りをミドルノート、時間が経ち、消えるまでの香りをラスト(ベース)ノートと呼んでいます。
トップノートに適しているのは柑橘系の香りです。レモンやグレープフルーツ、オレンジ、ベルガモットなどですね。
ローズマリーもトップノートに近いのですが、柑橘系よりは持続します。
ミドルノートとして適しているのは、フローラル系になります。ラベンダーやオレガノ、カモミールなどですね。
そしてラスト(ベース)ノートに適しているのは、ウッディ系になります。シダーウッド、サンダルウッド、ヒノキなどです。カカオ、バニラ、パチュリなどもラストノートに適しています。
香りが消えやすいトップノートやミドルノートの分量を多めに、残香性のあるラストノートは少なめにブレンドすると、全ての香りが程よく残っていくことになるので、お勧めです。
後はお好みで、色々な香りのブレンドやノートを楽しみながら、ベストな練り香水を作ってみてくださいね。
持っている香水を練り香水に変える事も出来るの?
もちろん可能です。
練り香水を作る際、精油ではなく、香水を混ぜればいいだけです。
しかし、香水にはアルコ―ルが使用されているので、お肌が敏感で香水をつけることで皮膚が荒れる方は、避けた方がいいかもしれません。
私も、練り香水に通常の香水を混ぜて作ってみたのですが、液体のまま使用するよりも使いやすく、香りが拡散しないので便利だなと思いました。
練り香水のように、周囲に迷惑をかけずに香りをつけ直したいけれど、練り香水では香りが物足りないと思っている方には最適だと思います。
精油で作った練り香水よりも強い香りを漂わせることが出来ますし、サッと取り出してひと塗りするだけで手軽に香らせることができます。
私はどうしても、精油での練り香水では香りが物足りないように感じたので、香水で作った方が好きでした。
これは好みの問題なので、先ずは色々作って塗って試して、自分にとってベストな素材と香りを見つけるといいでしょう。
ただし、液状の香水で作った場合はアルコールが含まれているので、皮膚の柔らかい場所やリップとして唇に塗るという事は避けてくださいね。
保存方法は?どのくらい消費期限は?
その商品にもよるけれど、売られている練り香水は、未開封、未使用で3年程度、開封後は1年程度持つと言われています。
しかし、実際のところ、消費期限は定められていません。使い方次第で数年使用し続けられる場合もありますし、乱雑な使い方をしていると半年程度で色や香りに変化が生じ、使用出来なくなってしまうことも考えられます。
精油には殺菌効果や防虫効果があるものが多いですし、ミツロウにも抗菌効果があります。その為、ミツロウや精油で作った練り香水は防腐剤が不要なのです。
それだけ、菌が繁殖しにくい素材で作られているので、練り香水は長期保存も可能ではあるのですが、「絶対」とは言い切れないので、作る場合は、少しでも酸化を抑えるために、酸化しにくいオイルなどを使用し、さらに雑菌が入らないよう、清潔な手、清潔な容器で作るようにしましょう。
また、なるべく1年以内には使いきれるよう、小さめの容器に作った方が安心ですね。
もし、香りに問題はないけれど、1年以上経過してしまい肌に使うのは心配という場合は、ルームフレグランスとしてフタを開けた状態で部屋に置いておいたり、カーテンや身の周りのアイテムの香り付けなどとして使用するといいでしょう。
1gは何ml?
保存容器は○ml用などとなっていますが、シアバターやミツロウは固形なので、計量しにくいと感じる方が多いのではないでしょうか。
そこで、シアバターとミツロウは1g何mlなのか実験してみました。
まず、シアバター2gを電子レンジで溶かします。それを計量カップに注いだところ、2ml弱となりました。(1gで行わなかったのは、正確な1gを計ることができなかったからです)
溶かす容器に少し付着した分、熱によって蒸発した分を考慮すると、1g=約1mlと考えていいのではないでしょうか。
次に、ミツロウ2gも溶かして計量してみました。
しかし、ホホバオイルを混ぜずにミツロウのみを溶かしたので、固まるのがとても早かったです。
計量カップに入れたとたんに白っぽくなり、このような状態になってしまいました。
正確ではないけれど、だいたい2ml程度のようです。なので、ミツロウ1gも、同じく約1ml程度と考えていいでしょう。あまり正確な数字は出せませんでしたが、どちらも1g=1mlと考えると、計量もしやすいですね。
ミツロウの練り香水も電子レンジで作れるの?
シアバターは電子レンジで溶かして作ることができると伝えましたが、ミツロウはどうなのでしょう?
実際、電子レンジで溶かしてみたのですが、2gのミツロウを溶かすのに5分半かかってしまいました。さらに量が増えれば、もっと時間がかかりますね。
また、電子レンジでは溶けたと思ってもそれほど高温になっていない可能性が高いので、液状になったからと言ってすぐ取り出すと簡単に固まってしまうことも考えられます。
短時間でしっかりと高温にするには、やはり湯煎の方が好ましいと思います。
しかし、電子レンジで作れないわけではありません。
練り香水の作成・使用上の注意点は?
①汗に注意
練り香水をつける際、汗には注意しましょう。汗と混ざるとせっかくのいい香りが不快な香りに変化してしまうからです。
練り香水を使う際は手をきれいに洗い、汗をかいている部分には付けない様にしましょう。
また、暑い夏や、暖房の効きすぎた室内で使用する場合は、高い温度に負けて容器の中で汗をかいたり、ホホバオイルが溶けだしたりすることがあります。
なるべく直射日光の当たるところ、暖房の近くなど、高温になる場所に放置しない様に気を付けましょう。
②ミツロウの処理に注意
ミツロウを扱う際、溶けた状態のものを排水溝に流すことは絶対にやめましょう。
熱いうちはいいのですが、冷えて固まると、目詰まりを起こしてしまいます。掃除をするのも大変ですし、最悪の場合は業者を呼ばなければならなくなってしまうこともあります。
余ったミツロウは紙に吸わせたりビニール袋に入れるなどしてゴミ箱へ捨てましょう。
③販売は禁止
手作りの化粧品は、自分だけで楽しむ分には問題ないのですが、作ったものを販売することは薬事法に触れてしまうので禁止です。
薬事法に引っ掛からない様にするためには、厚生労働省から化粧品製造業ライセンスを受けた工場で製造する必要があるので、家庭での手作り化粧品はどんなに安全だとしてもダメなのです。
親しい方にプレゼントしたりするのはいいと思うのですが、お金をもらったり、販売目的で練り香水を作らないようにしましょう。
手作り練り香水まとめ
色々なタイプの練り香水を作ってみた結果、私が一番いいと思ったのは、ミツロウ+ホホバオイル+香水でした。
強すぎない香りがいつまでも残り、自分だけではなく、ふんわり他人にも感じさせることが出来ますし、公共の場でもつけ直し可能です。
手紙や身の回りのアイテムに香り付けしても、しばらく香りが消えることはありませんし、強すぎないので不快感はありません。
ミツロウ自体、香りを穏やかにはするけれど変化させることはないので、液状の香水ではきつ過ぎて嫌だと感じている方には、ベストな香水となるのではないでしょうか。
ただし、アルコールの成分が肌に合わない方は、やはり精油を使った方がいいですね。
精油の場合もやはりシアバターやワセリンではなく、ミツロウ+ホホバオイルが良かったです。
仕上がりもきれいですし、本来の香りを損なわないまま穏かにしてくれます。温かい室内に置いておいても、少し柔らかくなる程度で、変に溶けだしたり崩れることもないので、持ち運びも便利です。
シアバターは、リップ容器は勿論のこと、密閉ケースに入れたものも、温かい室内で保存していると柔らかくなり、ポロポロと崩れてくるので使いにくいと感じました。
柔らかくても、滑らかなクリーム状ならいいのですが、シアバターの場合はボロボロととした状態で肌に塗り込みづらくなってしまうのです。
また、ワセリンは香り自体をまろやかに変化させるような気がするので、私はちょっと残念に感じました。まろやかな香りになっても大丈夫な精油を選べば、一番作りやすく簡単な方法なので、相性のいい精油が見つかるといいなと思います。
混ぜる精油の量も、基材1gに対して、2滴程度がいいのでは?と思います。好みや、どのように使っていきたいかにもよりますが、基材1gに対して精油1滴では、とても香りが弱いのです。
練り香水と言うだけでも揮発性が弱い上に、香水自体の香りも弱いと、香りを楽しめる時間がとても短くなってしまいます。
塗る量などでも調節できるので、少し強いかなという程度に作っておいてもいいと思います。
また、作り立ての香りを嗅いで、その香水の善し悪しを決めつけない様にしましょう。どの素材で作ったものも、作った直ぐ後は香りが落ち着いていません。
数時間経過して、しっかりと固まり、香りが定まってから改めて嗅いでみるとまた違った印象を受けることがあります。
色々なサイトを見ると、練り香水は誰でも簡単に作れるとありますが、不器用な私は様々な失敗や躓きを経て、完成に至りました。
私の失敗を踏まえて、最適な練り香水を完成させてみてくださいね。