ブラックでも作れるETCカードとは?審査なし?

基本、ETCカードはクレジットカードの審査に通過して、追加で発行依頼をしないと持つことはできません。
延滞や債務整理などで個人信用情報がブラック化してしまっている方は、クレジットカードを作るのは非常に困難なので、同時にETCカードを作ることも非常に難しくなります。
でも実は、クレジットカードを作らずにETCカードをもつ方法はあるので、ブラックになっているからといってETCカードを諦める必要はありません。
この記事では、過去に債務整理や延滞など、金融事故を起こしたブラック(信用情報機関にキズがある)の方でも、審査なしで持てるETCカードについて紹介していきます。
ETCカードを作るには
通常であれば、クレジットカードと一緒にETCカードの発行を申込んだり、すでに持っているクレジットカード会社にETCカードの発行を申し込むのが通常です。
しかし、ブラックの方はクレジットカードを持つことが非常に難しく、ETCカードの発行もしてもらうことができない場合が多いです。
とはいえ、少しでも交通費を節約したい、便利に高速道路を使いたいという思いからETCカードを持ちたいというブラックの方もいるはずです。
ブラックになっている方がETCカードを作るには次のような方法が考えられます。
2.家族カードでETCカードを発行してもらう
3.ETCカードを単体で発行してもらう
1の「審査の甘いクレジットカード」については、審査が易しいといわれているクレジットカードに申し込めば信用情報に傷があってもクレジットカードを発行してもらえる、すなわちETCカードがもてるようになるかもしれないということです。
ただし、いくら審査が甘いといっても、現在進行系で滞納しているような方にクレジットカードを発行するほど甘くはありません。
ここでいうクレジットカードの審査が「甘い」「易しい」というのは、債務整理歴があるからといってすぐに審査に落とさないという程度のものだと考えておいたほうがよいでしょう。
たとえば、債務整理の記録は残っているものの年数が経過しており、すでに完済済み、現状の年収など返済能力を考慮しても問題ないと判断されれば審査に通すといったイメージです。
2の「家族カード」は、もっとも手軽で不自由なくクレジットカードやETCカードをもつことができます。
家族カードは、契約者の信用情報をもとに発行されるので、たとえば配偶者の信用情報がブラックになっていなければ、本人がブラックでもクレジットカードが発行されます。
配偶者の使っているクレジットカードの家族カードを発行してもらい、家族カードにもETCカードを発行してもらうという方法をとれば自分が審査を受ける必要はありません。
3の「ETCカード単体で発行してもらう」方法は次に詳しく述べますが、個人向けは1種類、法人向けは3種類あり、クレジットカードの審査はどれも通らない、家族カードも持てない…という方向けの最後の砦のようなETCカードです。
ブラックOK!クレジットカード不要のETCカード
クレジットカードを作らなくても単体でもつことができるETCカードを4種類ご紹介していきます。
個人で利用できるのはETCパーソナルカードのみで、他のETCカードは法人向け、個人事業主向けです。
個人向け:ETCパーソナルカード
ETCパーソナルカードは、NEXCO東日本/中日本/西日本、首都高速道路株式会社、阪神高速道路株式会社、本州四国連絡高速道路株式会社の6社が共同して発行するETCカードです。
ETCパーソナルカードは有料道路の通行料金支払いにだけ使うことができ、クレジットカードのようにショッピング機能やキャッシング機能はついていません。
有料道路の交通料金として、ETCパーソナルカードを利用した金額は、金融機関口座から1ヶ月単位で引落しされます。
年会費やデポジットが必要
ETCパーソナルカードをもつためには、年会費がカード1枚あたり1,234円(税込み)必要で、ほかにも、保証金(デポジット)として、申告した平均利用月額に応じた金額を預託する必要があります。
平均利用月額 | デポジット額 |
5,000円 | 20,000円 |
10,000円 | 40,000円 |
15,000円 | 60,000円 |
20,000円 | 80,000円 |
平均利用月額を5千円単位で切り上げた額を4倍した額が、ETCパーソナルカードのデポジット額です。
ETCパーソナルカード発行後に実際に利用する金額が申告した平均利用月額よりも高い場合は、利用実績に応じてデポジットの増額が必要なこともあります。
デポジットの増額に応じない場合や、未払いの金額がデポジットの8割を超えると、ETCパーソナルカードは利用停止になります。
高速道路の料金所でバーが開かず立ち往生…ということにならないためにも、長距離利用の予定がある場合などは、余裕をもったデポジット額を預けておくようにしましょう。
ETCパーソナルカードの申込み方法
ここでは、さっそくETCパーソナルカードを作りたいという方のために申込み方法を解説していきます。
1.申込書を入手する
ETCパーソナルカードの申込書はサービスエリアなどのコンシェルジュカウンターに用意されています。ETCパーソナルカード事務局、NEXCO中日本お客さまセンターに問い合わせて申込書を郵送してもらうこともできます。
TEL:044-870-7333
受付時間:平日9:00~17:00 土日・祝日・年末年始除く
NEXCO中日本お客さまセンター
TEL:0120-922-229
受付時間:年中無休・24時間365日対応
2.申込書に必要事項を記入して郵送
氏名や住所などを記入してETCパーソナルカード事務局に郵送します。
3.デポジット料を支払う
ETCパーソナルカード事務局に申込書が届いたあと、デポジット料の振込みについての依頼書が折り返し郵送されてきます。払込取扱票が同封されているので、郵便局かコンビニエンスストアでETCパーソナルカードのデポジットを振込みましょう。
4.ETCパーソナルカードが届く
デポジットの入金ができると2週間程度でETCパーソナルカードが郵送されてきます。届いたETCパーソナルカードはその日から高速道路で利用することができます。
郵送することが何度かあることと、デポジット振込みからETCパーソナルカードの発行まで2週間程度かかることから、申し込みから発行までスムーズにいって3週間くらいは時間をみておいたほうがよさそうですね。
法人向け:法人ETCカード
高速情報協同組合が発行している法人向けのETCカードで、個人事業主でも作ることができます。
厳密には、ETCカードというより「ETCも利用できる高速道路専用の料金後払いカード」なので、ETCではなく通常のレーンでこのカードを手渡しして料金を支払うこともできます。
ETCパーソナルカードでいうところのデポジットにあたる出資金が必要で、 1社あたり10,000円で、ほかに必要な費用としては、カード発行手数料が1枚あたり540円、取扱手数料として年に1回1枚あたり540円(税込)です。
利用料金は月末締め、翌月20日頃請求書が届き、翌々月8日に口座から引き落としされます。
法人向け:首都・阪神高速道路ETCコーポレートカード
ETCコーポレートカードは、法人ETCカードと同じく、高速情報協同組合が発行しています。ETCコーポレートカードは、大口・多頻度割引制度がり、首都・阪神高速道路の料金が最大で20%割引されます。
ETCコーポレートカードも企業向けのETCカードですが、個人事業主でも作ることができます。
ETCコーポレートカードのカード発行手数料は1枚あたり617円(税込)で、取扱手数料は1年に1回、1枚あたり617円(税込)、非組合員の方は組合加入時に出資金として1社あたり10,000円が必要です。
ETCコーポレートカード脱退時には返金してもらえるので、出資金はデポジットのようなものと考えればよいでしょう。
ETCコーポレートカードには車両番号が登録されており、1枚のカードを複数の車両で使うことができません(車1台ごとにETCコーポレートカードが必要)。
法人向け:ETC協同組合ETCカード
ETC協同組合のETCカードも個人事業主が発行可能です。ETC協同組合ETCカードは、中小企業など小規模の事業者の利用に対しても敷居が高くなく、発行スピードも迅速なのが特徴です。
ETC協同組合ETCカードなら他のETCカードと同様に、走行曜日や時間帯によって割引をうけることもできます。
ETC協同組合のETCカードは、マイレージの有無が選べます。どちらも出資金(デポジット)が1社10,000円、カード発行手数料が1枚800円(税抜)、年間手数料が1枚あたり800円(税抜)です。
ETC協同組合ETCカード場合、請求書作成や信販会社への立替保証といった名目で毎月の走行金額の数%が手数料として必要です。マイレージなしのカードの場合は、手数料は走行金額の5%です。
マイレージありのカードの場合は、マイレージの登録手続きなどをすべてETC協同組合がおこなってくれるので手数料が8%とマイレージなしのカードに比べると高くなっています。とはいえ、利用頻度の高い方であればマイレージありの「ETC協同組合のETCカード」にしたほうがお得に利用できます。
クレジットカード不要のETCカードは審査なし?
さきほど紹介したクレジットカード不要のETCカードの中で、ETCパーソナルカードは審査なしで発行してもらうことができます。
他の法人向けのETCカードは審査があり、高速情報協同組合のETCカードの審査に通らないという方もいます。
審査の難易度でいえば、ETC協同組合がいちばん易しいです。
高速情報協同組合のETCカードの審査に通らなければETC協同組合のETCカードといったように、ETC協同組合のETCカードが最後の受け皿的な役割を担っています。
<まとめ>
ブラックの方にとってETCカードをもつことはハードルが高いです。家族がクレジットカードを持っていれば、家族カードを発行してもらいETCカードを作るのがいちばん手軽な方法といえるでしょう。
家族カードが難しく、個人でETCカードを持つとなるとETCパーソナルカードという選択肢のみになります。
年会費やデポジットが必要なことから、あまり使い勝手がいいETCカードとはいえませんが、クレジットカードが発行してもらえるようになるまでのつなぎとしてETCパーソナルカードを利用するというのも一つの方法です。
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