お金が貯まらない!貯金するコツを教えて! 【FP事務所マネセラ 張替愛 氏が回答】

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執筆:張替 愛 氏

お金が貯まらない!貯金するコツを教えて! 【FP事務所マネセラ 張替愛 氏が回答】
あなたは「節約しているのにお金が貯まらない」ということはありませんか?貯金ができるかどうかは、収入の多い少ないによって決まるものではありません。

貯金を増やすコツは、貯金に対するモチベーションを上げること。そして、日々使うお金“以外”にも目を向けることです。

要するに漠然と「貯めなきゃなぁ…」と思うのではなく、明確な目標を持ち、家計全体を見直してお金が貯まる仕組みづくりをすることが大切なのです。

それでは、具体的にはどのようにすればよいのでしょうか。貯金の目標設定や家計の見直し方法について、この記事で紹介していきます。

まずは「貯金の目標」を意識しよう

お金を貯めるためには、収入を増やしたり支出を減らしたりと、少なからず労力が必要です。そのため、まずは「貯金の目標」をはっきりさせてモチベーションを上げましょう。

貯金は「自分のため」にするものです。自分が思い描いた生活を将来実現するために、今貯金しておいたほうがよい金額が分かれば、何も意識しないで貯金に取り組むよりも、やる気が湧いて継続しやすいでしょう。

私に必要な貯金金額は?

必要な貯金金額の目安は人それぞれで、自分自身が希望する人生とはどのようなものかによって大きく異なります。

そのため、自分が実現したいライフイベントを思い浮かべて、そのために必要な金額を書き出すことで、あなたにとって必要な貯金金額が見えてきます。

一例を下にあげています。必要な貯金金額はざっくりで構いませんが、全く見当がつかないときはインターネットなどで調べながら書き出してみてください。

<ライフイベントと必要な貯金金額の例>
ライフイベント 必要な貯金金額の目安
結婚 夫婦で50万円~300万円ほど
自動車購入 10年ごとに200万円~500万円ほど
マイホーム購入 諸費用や頭金として住宅価格の1割~3割ほど
子どもの教育費 大学進学に備えて子ども1人あたり200万円以上

 

毎月・毎年の目標貯金額はいくら?

次に、自分が思い描いた将来のために必要な「目標貯金額」を算出してみましょう。下の例のように、ライフイベントごとの目標金額と必要な時期を書き出して計算することで、目標貯金額の目安が分かります。

<毎月の目標金額設定の例>
ライフイベント 目標金額
(A)
必要な時期
(B)
1年間の目標貯金金額
(A÷B)
教育費2人分 600万円 20年後 30万円
マイホーム購入 500万円 5年後 50万円
自動車購入 200万円 10年後 20万円
合計 約100万円

 
これをもとに貯金計画を考えてみましょう。12カ月で割って「毎月〇万円貯める」と決めてもよいですし、安定してボーナス収入がある人は「ボーナス時に〇万円貯めて、毎月〇万円貯める」と決めても良いでしょう。

目標貯金額が高すぎる場合は?

目標貯金額を算出してみたら、「そんなに貯められない!」ということもあるでしょう。その場合には、目標の内容を見直すのもひとつの手です。特に自動車やマイホームは高額なので、目標を下げると必要な貯金額が減り、普段の生活にかけるお金を増やすことができます。

将来のための貯金も大切ですが、普段の生活も大切です。今の生活を苦しくしてまで実現したいライフイベントなのかどうかを一度冷静に考えてみましょう。目標は何度決めなおしても良いので、自分にとってバランスの良い目標貯金額を探してください。

目標貯金額が大体決まったら、目標貯金額を貯めるために家計の見直しを始めましょう。

家計は4つに分類して管理しよう

当たり前のことですが、収入よりも支出が少なければお金は貯まります。なぜお金が貯まらないのか不思議に思っているのであれば、それはあなたが思っているよりも「自由に使えるお金」が少ないからかもしれません。

自由に使えるお金とは?

食費や日用品、交際費など、私たちが日々の生活で自由に使えるお金は「毎月銀行に入金される収入金額」ではありません。毎月の収入から「固定費」「特別費」「貯金額」を引いて残った分が「変動費」、いわゆる毎月自由に使えるお金です。

自由に使えるお金(変動費) = 収入 ‐ 固定費 ‐ 特別費 ‐ 貯金額

・変動費
使う金額に変動がある支出。食費や日用品、美容費や被服費、交際費、レジャー費など。

・固定費
定期的に支払いが発生する支出。家賃やローン返済、光熱費や通信費、自動車関係費、保険料、学費や習い事の月謝など。

・特別費
臨時支出のこと。冠婚葬祭や家電や家具の買い替え、病気やケガの治療費、旅行代など。

貯金を成功させる鉄則

貯金を成功させるためには、「最初から貯金などに回すお金を除いて、残ったお金でやりくりする」が鉄則です。

仮に毎月30万円の収入があり、固定費15万円、特別費2万円、貯金3万円とすれば、毎月自由に使えるお金は10万円です。もしも30万円がまるまる自由に使えるという感覚でいたら、節約しているつもりでいても貯まらないのは当然といえます。

それなので、まずは固定費・変動費・特別費・貯金の予算を考えてみましょう。その予算内でやりくりできるようになれば、貯金できる家計のできあがりです!

毎月の予算を立ててみよう

毎月の予算は手取り収入(収入から社会保険料や税金を引いた金額)の範囲におさまるように決めましょう。いつ減収するか分からないボーナスのことは考慮しないで予算を立てるのが理想的ですが、半分くらいは収入として考えても構いません。

支出の予算は、固定費・変動費・特別費・貯金に分けて考えます。ざっくりで構いません。家計簿をつけていない人は、銀行通帳やクレジットカードの明細などを見返しながら書き出してみましょう。

<ひと月の予算の例(手取り収入30万円の場合)>
分類 内容 予算金額
固定費 住居費・水道光熱費 10万円
通信費・保険料 2万円
学費・習い事ごとなど 3万円
変動費 食費・日用品 6万円
被服費・交際費・趣味娯楽費・おこづかいなど 4万円
特別費 冠婚葬祭・病気などの臨時支出 1万円
旅行や自分へのご褒美 1万円
貯金 ひと月の目標貯金額 3万円
合計金額 30万円

 

予算の立て方のポイント

・固定費
家賃や水道光熱費、月謝などの毎月発生する費用以外にも、数か月や年に一度発生する費用はひと月の平均金額を算出して、「かかるもの」としてあらかじめ取っておくことがポイントです。2年に一度かかる車検費用など、頻度の少ない固定費ももらさず予算に組み込んでおきましょう。

・変動費
食費や日用品費、交際費、美容費、被服費、レジャー費、趣味娯楽費などがあります。無理に項目を分ける必要はありません。「自分の財布と配偶者の財布の2つ」「生活費とおこづかいの2つ」など、自分が管理しやすいように分類して絞るのがポイントです。

・特別費
冠婚葬祭や家電の買い替えなど、予測できない臨時支出に備えるお金です。数年に一度しか発生しないような固定費は特別費で管理しても大丈夫です。
おすすめは、旅行や自分へのご褒美費用を特別費にすることです。自分にとって喜ばしい支出を含めることで、特別費を貯めるモチベーションがあがりやすくなります。

このように書き出してみると、日々の生活で使える変動費の予算はあまり高くない人が多いのではないでしょうか。今まで貯金が貯められなかった人は、今まで通り過ごしていても予算内で生活することは難しいでしょう。

そこで次は、できるだけストレスが少なくて続けやすい支出の削減方法を紹介します。

支出は固定費から削減するのが効果的

支出を減らすときは、「固定費」に注目するのがおすすめです。なぜなら、一度の見直しでその後は意識しなくても効果がずっと続くからです。例えば、月5,000円の削減でも1年間では6万円、10年間では60万円。バカにできない金額になります。

固定費のなかでも、特に住居費や自動車関係費、通信費や保険料などは見直し効果が高いといわれています。取り組みやすいものから徐々に見直していきましょう。

固定費の見直し方法の例

・住居費
引っ越しや家賃交渉で家賃を下げる。ローンの借り換えや繰り上げ返済で住宅ローンの返済額を減らす。

・自動車関係費
価格が安く税金などの維持費の負担も軽い軽自動車に乗り換える。一般的に割安といわれている通販型自動車保険を利用する。使用頻度が低い場合はカーシェアやタクシー利用に切り替える。

・通信費
利用状況にあった料金プランに変更する。格安スマホや格安SIMを利用する。固定電話を解約する。

・保険料
保障内容は必要最低限にする。不要な保険は解約または払い済みにする。

・定期的なサービスの利用料、購入費
習い事、新聞、アプリ、動画配信など。利用頻度の低いものを解約する。代替できる安いサービスや商品を探す。

意外と大切な特別費の管理

臨時支出である特別費の管理は軽く見られやすいですが意外と重要です。毎月順調に貯金ができていても、臨時支出が続くと貯金を崩してしまうことが珍しくないからです。

特別費は金額が大きいことが多いので、本当に必要な支出かどうかをひとつひとつ慎重に判断しましょう。計画的に貯めていた特別費よりも多くの臨時支出があったときには、「家電は中古を購入する」「旅行の予算を下げる」などして、特別費の枠を超えないように調整することが大切です。

特別費が予算内でおさまらないことが多いならそのままにせず、毎月予算として確保している特別費の金額を増やすことを検討しましょう。

変動費は「マイルール」で予算内に

毎月自由に使えるお金である変動費は、「マイルール」を決めて予算内におさまるように管理するのがおすすめです。

マイルールは、お金を使う頻度と1回あたりの予算を決めることで作れます。例えば、外食を除いた食費の予算が月4万円なら、1回あたり4,000円の買い物が月に10回できます。

すると、「スーパーでの買い物は1回4,000円までを週に2回」をマイルールと決めて行動することで、家計簿をつけなくても食費を予算内でやりくりすることができます。

まずは予算オーバーしやすい支出からマイルールを作ってみると良いでしょう。たとえきっちりは守れなくても、大幅に予算オーバーすることを避けることができます。

少しずつマイルールに従ってお金を使うことを習慣化していくことで、無理なくお金が貯められるようになります。

一歩一歩、貯金ができる家計に近づこう

はじめから目標金額を貯金できるようになるのは難しいかもしれません。しかし、ひとつ家計を見直せば、貯金ができる家計に一歩近づきます。

ひとつひとつ実行していき、数か月後には目標金額が貯められる家計ができていると理想的ですね。

貯金は別口座に貯めよう

できれば、貯金は生活費とは別の口座に貯めておきましょう。銀行の自動積立定期預金などのサービスを使って毎月自動的に貯まる仕組みにしておけば、手間もかかりません。

貯金専用の口座を作ることで、目標に向けて貯金額がだんだん増えていくのをはっきり目にすることができます。銀行の残高が順調に増えていくときの爽快感をぜひ味わってください。

工夫できることはまだまだある

また、家計のやりくりだけではどうしても目標金額が貯まらないというときは、並行して別の方法にも取り組むと良いでしょう。

資産運用を始めて貯金の金額を殖やす、収入を増やすためにスキルアップや副業に励む、税金の仕組みを勉強してふるさと納税や医療費控除などの減税に取り組むなど、さまざまな方法があります。

自分の思い描いた人生を実現させるために、知識は力となります。役立つ情報はどんどん活用して、自然とお金が貯まる家計を作っていきましょう!

<プロフィール>

FP事務所マネセラ 代表 張替 愛(はりかえ あい)
https://manesera.com/

大学で心理学を学んだ後、国内損害保険会社に就職。夫の海外赴任を機に独立。教育費・老後資金・女性の働き方・資産運用・海外赴任など、ひとつひとつの家庭の状況とその想いを大切にした家計相談を中心に、執筆やマネー講師など、幅広く活動する。(AFP/2級FP技能士)

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