FPにチャットで相談できる「お金の健康診断」が急成長~株式会社400F 加々美文康氏インタビュー

株式会社400F 加々美文康氏インタビュー株式会社400F 加々美文康氏(COO)

AI搭載ロボアドバイザー THEO 「テオ」を運営する株式会社お金のデザインの事業子会社「株式会社400F(フォーハンドレッドエフ)」。

同社では、ユーザーとお金のプロをマッチングするオンラインプラットフォーム「お金の健康診断」をリリースしている。

サービス開始から1年(2019年11月時点)で、登録しているFP(ファイナンシャルプランナー)やIFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)などのお金のプロフェッショナルは、40社・500名を突破した。

「お金の健康診断」はなぜ急成長し、多くの顧客を獲得できたのか。同社COOの加々美文康氏に伺った。

お金の運用をAI搭載ロボアドバイザーで

御社の概要を教えてください。

私は上智大学法学部地球環境法学科卒業後、クックパッドへ総合職として入社した際、小さな組織が大きなインパクトを生み出す時代だと感じ、その後、株式会社お金のデザインに入社し、その後現在の株式会社400Fを立ち上げ、今日に至っています。400Fは2017年11月1日に設立しました。

FPなどのお金のプロがチャットで相談FPなどのお金のプロがチャットで相談

もともと、「お金の健康診断」は、当初は単発のイベントでした。お金のデザインが、2017年11月21日~12月1日に実施したトライアルプログラムで、FPなどが参加企業の従業員のお金の悩みを聞いてアドバイスをしたのです。

アドバイスは多岐にわたり、従業員からも中立的な方からの助言が好評でしたので、もっと深く、参加者からFPに直接相談したいという話が起こりました。

日本には、お金のことを第三者で中立的な専門家に相談する文化があまりありませんよね。

海外には、財産、弁護士とともにお金の相談に乗るFPが親から子へ継承されるという文化があります。

日本では独立系のFPの方が少ないので、そういった業務は証券会社や保険会社が担ってきましたが、昨今のニュースでも報道されているように、そこで恣意的な金融商品や保険商品が売られていたことが多々あり、消費者が相談相手を選べないという欠点がありました。

その欠点を補うのが「お金の健康診断」です。お金のことを相談するのは面倒と考える方が多いので、チャットで気軽に相談し、相談する相手が見つけられるシステムを採用しました。

今は「お金の健康診断」については400Fが運営しています。

400Fという社名の由来を教えてください。

著名な画家ゴッホは、生前1枚しか絵が売れず、唯一売れた「赤い葡萄畑(La Vigne rouge)」という絵は当時の値段でたったの400フランでした。

価値がないように見える目の前のものに、未来への希望が隠されているかもしれません。私たちは、隠された未来への価値を信じ続け、お客さまの明日を価値あるものにしていく。そんな想いで、400Fと名づけました。

「お金の健康診断」の主な登録企業「お金の健康診断」の主な登録企業

主要利用者は年収500万円、老後マネーに悩む40~50代も

「お金の健康診断」には何人ぐらいのお金のプロが登録しているのですか。

サービス開始から1年で、お金の専門家であるFPやIFAの登録数は40社500名を突破しました。お金に関するあらゆる相談ができるマッチングサービスとしては国内最大級に成長しています。

地域金融機関や証券会社では来店客数の減少という課題に直面していますが、そうしたところの登録も始まり、新たなデジタルトランスフォーメーションへの取り組みも開始しました。

今後は、東京金融賞の支援プログラムに選定された機械学習ツールなどを含めて、金融営業のインサイドセールスをサポートする機能を開発していく予定です。

登録しているFPにとっても、収益や集客を見込めるのでしょうか。

人間同士の関係が築ければ、長い付き合いになっていくケースがあり、成約に結びついています。

「お金の健康診断」は、オンラインでマッチングさせるだけではなく、目の前のお客様とつなぐことができます。FPはセミナーで集客して対面のアポイントメントにつなげていく方が多いですが、実際には対面のアポを取れずに帰ってしまう方も多いのです。

これは対面で話をするのが不安なお客様が多いためです。しかし、「お金の健康診断」で「チャットで質問をください」と呼びかけに応じて質問するのは敷居が低いため、「この方は信頼できる」と感じるようになり、次の対面や成約につながっていくケースが増えていきます。

ユーザーはどのようにして利用すればいいのですか。

いくつかの質問に答えるだけで、自分の家計や投資・保険など、身の回りのお金に関するオンライン診断が受けられます。さらにその診断結果をもとに、FPやIFAと無料でチャット相談できます。

「いくら貯金すればいいのかわからない」「このままの家計でやっていけるの?」「資産運用はどうすればいいの?」「退職金2,000万円確保できませんがどうすればいいの?」といったお金の悩みをなくしてもらうことが目標です。この無料診断の利用者は35,000人を突破しています。

どういった方が利用されていますか。

利用者の70%が20~30代で、「お金の健康診断」に入力した年収の中央値は500万円、投資の中央値は10万円、月額保険料の中央値は12,500円でした。

相談内容としては、家計に関することや保険の見直し、投資に関する相談が多く見られます。最近では定年退職後について相談したいという声もあり、老後マネーに悩む40~50代も増えました。待機しているFPのボリュームゾーンも同じ年代なので、話も合います。

FPによって当たりはずれがあったりしませんか。

ユーザーは、チャット上で相談したFPに、5段階で評価し、ショートレビューを投稿できます。

優秀なFPがユーザーから高評価を得る仕組みですので、マッチングプラットフォームとしての質も高めることができました。ユーザーが希望する場合は、直接アポイントメントをとって、対面でライフプランニングを依頼することも可能です。

「人生100年時代」を迎え、老後の生活資金や教育・住宅費などお金の不安が高まるとともに、一人ひとりのライフプランに合ったアドバイスに対するニーズは増しています。

今後も、お金のプロであるFP・IFA企業とさらなる連携強化を行い、お客さまの将来を支えていけるよう、サービス改善に努めていきたいと思います。

「お金の健康診断」のユーザー属性「お金の健康診断」のユーザー属性

若い世代の「ものの考え方」

若い方々には、どんな投資傾向がありますか。

若い人は、「保険に加入していないのですが、どのような保険がいいですか?」「投資のやり方がわかりませんがどうすればいいですか?」といった基本的な質問が多いですね。

投資については、貯蓄の代替に近い方法として国際分散投資を推奨しています。世界経済は毎年3~4%ほど成長しています。リーマン・ショック後も回復しているので、基本は国際分散投資がベターです。

逆に、短期間で売り買いをするようなやり方は、ほとんどの投資家が敗北することがほぼ証明されているのです。

若い男性には短期で一気に勝負をかけたいという人が多く、女性はインデックスファンドの積立投資に向いていて、実際ほったらかし投資を好む傾向にあります。

「お金の健康診断」でお金のプロに相談するためのステップ「お金の健康診断」でお金のプロに相談するためのステップ

400Fには若い優秀な社員がたくさん集まっていますが、あえてスタートアップ企業が選ばれている理由は何でしょうか。

インターネットは非常に低コストで物事をつなぐことができますので、中間マージン者の利ザヤ分をすべて捨てても、スケールさえ構築すれば儲かるシステムができあがります。

Uberがその好例です。我々も金融でプラットフォームをつくり広げ、収益を確保していきます。

今の若い世代は、大企業が崩壊していくのをたくさん見ていますし、そうした企業で働くことの息苦しさにも気づいています。学校教育においてもイノベーションが重視されるようになっていますし、我々の世代は小さいことから「お前は何をしたいのか」と問われ続けました。

スタートアップ企業を選ぶ若者が増えているのは自然のことだと思います。

これだけ巨大な組織が日本で発展した理由は社会学的には諸説あり、そのひとつは、軍国主義がそのまま移転したというものです。

官僚組織的な厳密な命令形態が残っているのは戦争体制の名残りというわけです。そのような縦割り組織が高い生産性を維持できたのは、一般の方々が同一性の強いものを求めたからでしょう。

高度成長時代は、テレビ、クーラー、クルマのような三種の神器のように、定義が確定しているものを生産していればそれでよかった。

均一な製品を安定的に大量供給できる体制が必要だったのです。しかし、消費者の嗜好が多様化し、インターネット、パソコンやスマホが進展していくと、大企業よりもスタートアップ企業で頑張った方がよほどやりがいはあるのではないでしょうか。

会社名 株式会社400F
所在地 東京都港区赤坂1-9-13 三会堂ビル7F
設立年月 2017年11月1日
代表者 代表取締役社長 中村 仁
事業内容 人々の生活と資産に関わる諸問題を解決する製品の企画/開発/運用
お金に関するデータ基盤に関連した企画/開発/運用
資本金/資本準備金 100万円 / 100万円 (2017年11月1日時点)
HP https://400f.jp/
https://okane-kenko.jp/(お金の健康診断サイト)

取材日:2019年11月21日

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