住宅ローン審査に通過するコツをファイナンシャルプランナーに聞いてみた!

執筆:竹下FP事務所 竹下昌成氏


住宅ローン審査に通過するコツ

「住宅ローンはお一人様お一つ限りのボーナス商品」です。

現在、変動の適用金利で0.475%などと史上最低水準をキープしています。固定金利でも1%前後です。35年間1%固定ということは政府が目指している物価上昇率2%が達成されると却ってトクするレベルです。

「とにかく借入時が勝負!!」なのですが希望通りの条件で利用している方ばかりではありません。希望額に届かなかった、金利が思ったより高かった、など。

 住宅ローンは20項目ほどのチェック項目が全部マルなら貸しますよ、って商品です。少し知っておけば準備できること、少し時間があれば準備できることもたくさんあります。

住宅ローン審査に通過するコツ

さて、住宅ローン審査に通過するコツは2つ。

1.自分の属性を整える
2.自分の身の丈に合った物件を選ぶ

もしくはこの組み合わせです。

1はテクニカルな面、2は根本的な面が強いかもしれません。
順に考えていきましょう。

1.自分の属性を整える

(1)信じてもらうこと

”属性“とは申込人がどんな状態にあるのかということです。
金融機関に好まれやすい状態を理解しましょう。

①年齢
80歳が返済最終期限の金融機関が多いので35年の住宅ローンを組むリミットは44歳となります。でも、定年って何歳?退職金の見込み額は?

今までの預貯金額は?という話になります。収入が見込める期間に返済期間が終わるようにしましょう。

②収入
サラリーマンは税込みの収入を指します。多いほうが良いですが残業代や各種手当などイレギュラーなものは厳しく見られるケースもあります。まぁ、借りるほうとしても不安定な収入をあてにするのは危険ですよね。

③確定申告
無申告は論外です。節税のために所得を抑えている場合でも申告書上のものが所得です。「実際はもっと所得があるんだー、ベンツに乗ってるんだー」などと言ったところで相手にされません。

銀行員からすると「まともに納税してない人になんでこんな低利で金貸さないといけないの?」って話です。確定申告はそれなりの数字のものを3期分そろえましょう。借りてしまえばあとはご自由にどうぞ。

④勤務形態
金融機関によって見方に差が大きい部分です。私も早期退職を経験したので「正社員だろうがクビになるときはクビになるのになー」、と思うのですが金融機関は正社員を好みます。

いろいろな働き方がありますが正社員に近い勤務形態になれるよう考えてみましょう。

⑧勤続年数
目安1年以上、上場企業は即、フラットは1ヶ月。転職を考えている方は住宅ローンを借り終わるまではガマンです。

⑨産休
金融機関によって見方に差が大きい部分です。最近は共働きで女性でもローンを組むケースがあります。

どんどんおなかが大きくなっても知らんぷりする銀行員もいますがリスキーです。産休に入ると収入が減る、確実に復帰するとは限らない、というわけでかなり厳しくなります。バレて「貸しません」とならないよう充分に計画的に考えましょう。

個人信用情報
どこでいくら借りてるかチェックされます。消費者金融、キャッシング、カードローン、クレジットカード引き落とし不能などは住宅ローン審査にマイナスです。

キャッシングは枠の1/3を年間返済額とみなしたりします。家族にナイショの消費者金融の借金を住宅ローンに落ちて白状するハメになることも。完済に向けて整理しましょう。

氏名・住所・生年月日・電話番号などのデータで個人を特定しますが、まれに同姓同名人物が混同することがあります。自分に全く身に覚えのない場合はその可能性も考えましょう。

その際は過去にさかのぼって住民票をとって金融機関に提出するなどして別人だと証明することになります。面倒ですがアンラッキーということで仕方ありません。

①資産背景  現預金・株式・貯蓄型生命保険・社内預金
②家族構成  子供が多いと厳しめに審査する銀行もあります
③周囲の協力 ペアローン・連帯保証人・担保提供者・収入合算・相続・贈与
④暮らしぶり 通帳の写しを提出するケースもあります。残高の確認と同時に通帳の出入りもチェックされます。

(2)健康でいること

①健康な方
住宅ローンには生命保険がワンセットになっています(フラットは任意)、団体信用生命保険(略して団信)ってヤツです。しかも生命保険料は金融機関負担です。

ご家族にとっても思い出の詰まった家にローンなしで住み続けることができるありがたい制度です。金融機関的には「貸した金は死んでも返せ」ということですので団信に加入できないと借りれません。通常の民間生命保険よりは基準は緩く普通に健康であればOKです。

②まぁまぁ健康な方
最近はこんな方向けのワイド団体信用保険ってものが出てきました。健康面がチョット基準外という方向けで金利が0.3%アップなどになりますがありがたい制度です。

③団信に加入できない方
フラットを利用し団信を任意加入にするのが一般的です。つまり住宅ローンには生命保険をつけないことになります。万が一のときは手元資金で返済する、売却する、遺族が返済を引き継ぐなどして対応します。

病状によっては民間生保で同等の保障を賄えるケースもありますがかなり割高になります。健康診断の結果などが良くなれば生保に加入する・借り換えするなども検討しましょう。

(3)相手を替えること

住宅ローンはいろいろなところで取り扱いがあります。
都銀・地銀・信金・信組・JA・ネット・フラット・勤務先・・・。一般的には組織が小さくなるほど審査は通りやすくなります。通りやすい分、金利は高めになる傾向があります。あまりたくさんの金融機関に同時に申し込むと「買い廻り」といって怪しまれます。まずは3行程度にしぼってチャレンジしましょう。

最近はAIで最適な金融機関を選ぶサービスなんかもありますが料金は10万円~です。自分で調べるべきことですしもったいないと思います。

(4)借入額の目安を知ること

全ての借入の年間返済額÷給与収入額のことを返済比率、略して「へんぴ」などと言いますが住宅ローンの審査可決基準は一般的に35%以下になります。

例えば月額10万円返済だと年間返済額120万円。年収が400万円だと30%という計算です。全ての借入を含めて計算するので他の借入はないほうがいいに決まってます。

また、総収入と手取り金額は違います。実際の生活は数字以上に苦しくなりますので25%以下にしたいところです。

返済比率の計算方法は2パターン。実際に適用される住宅ローンの金利で計算する方法と審査金利と呼ばれる仮の金利で計算する方法があります。審査金利は将来、金利が上がっても大丈夫なように余裕を持って高い金利で計算しているものです。都銀だと審査金利3.5%程度でしょう。

一方、地銀などで貸し出し金利=審査金利としているところもあります。少しでも借入金額を増やしたいときはこういったタイプの金融機関を探すことになります。

2.身の丈に合った物件を選ぶ

身の丈に合った物件を選ぶ
現在の超低金利だからこそ年収500万円の人が3500万円の住宅ローンを組めたりします。だからといってローンをめいっぱい組み、家を人生の最大の目標にすることは慎重に考えるべきだと思います。

また、審査で希望額まで届かないケースは客観的に考えて相当なムリが生じているということです。一方、それは“単なる現在の評価”に過ぎず落ち込む必要はありません。再検討できるチャンスですし経済力が整えば住み替えなどすれば良いだけです。

「家は一生に一度の買い物」ではありません。何度でも買えます。一生に一度だと刷り込まれているから新築にこだわり、過度にぜいたくになります。

(1)自分の価値に合ったものを選ぶこと

物件のことをよく調べましょう。どうせ分からないとか時間がないとか言わず、モノとしての価値や将来性、自分のライフプランや優先順位に合ってるか考えましょう。

例えば、築35年の物件をどう思いますか?
特に女性は嫌がる方が多いですが、新築を買ってもローン完済時には築35年になります。そのあとも住み続けますよね!?クロスや水廻りを修繕するだけでピカピカになります。新築にこだわる必要はありません。

例えば、必要以上に広い物件をどう思いますか?
家は物置ではありません。厳選した品を身の周りに置き大切に整理整頓して暮らしていく。掃除も大変ですし、子育て期を過ぎれば夫婦2名の生活も想像できます。子供がたまに帰省するなら近所のホテルを利用するほうがお互いに快適かもしれません。

例えば、築が古くても便利な場所で賃貸にまわせるような物件をどう思いますか?
便利な場所であればクルマを所有せずにすむかもしれません。クルマのコストは一生涯で3000万円とも言われます。その分は住宅ローンの早期返済にあてましょう、次の居宅のために貯めましょう。住居をランクアップし再度、住宅ローンを組む。

その際に旧居宅を賃貸にまわせば家賃収入を新居宅のローン返済に充当できます。ムリなく資産形成できるのではないでしょうか。

(2)ちゃんとした不動産業者を選ぶこと

金融機関と良好な関係の常識的な業者です。会社も大事ですが担当者はもっと大事です。客には愛想がよくても金融機関担当者には偉そうに言う営業マン、客から預かったローン審査書類をなかなか金融機関に提出しない営業マン、とにかく審査だけ通して売りっぱなしの営業マン、二重契約をすすめる営業マン・・・。

誠実な会社、誠実な営業マンを選びましょう。探すのに自信のない方は紹介してもらいましょう。すでにその会社と取引のある人、すでに自分が信頼している人が候補です。

(3)ちゃんとしたアドバイザーと戦略とセカンドオピニオンを選ぶこと

詳しい人を利用しつつ自分の知識を増やしていきましょう。

①不動産担当者
とにかくローンさえ通れば売りつけてオシマイ、って営業マンはいっぱいいます。歩合給割合の高い会社は要注意です。

②金融機関担当者
銀行員だからと言って信用はできません。不動産会社から預かった申込書類を机の引き出しに入れっぱなしで一か月なんて人間もいます。複数の担当者と話をすること、進み具合のチェックを定期的にすることが大切です。

③ファイナンシャル・プランナー
ファイナンシャル・プランナー これもFPだからと言って詳しいとは限りません。得意分野や経歴・実績、できれば人物面も調べて相談しましょう。

 
<最後に>

何のために家を買うのでしょうか?
家族のため・手狭になった・資産になるから・金利が安いから・転勤を避けるため・家賃より安いから・ステイタス・・・。

人それぞれですが「豊かな生活、幸せな暮らしを送りたいから」、ではないでしょうか。

では、豊かな生活とは??

家だけの一点豪華主義もステキかもしれません。しかし身の丈を超える家を買うことは負の連鎖を産む側面もあります。家に過剰にお金をかけるなら、おいしいものや趣味に費やすほうが豊かさや余裕を実感できるのではないでしょうか。

健康にもつながるでしょう。

また、老後資金や教育資金の問題もあります。年金2000万円問題を持ち出すまでもなく自分の老後に備えることは必須です。教育を充実させることによって子供も豊かに過ごせる確率は高まります。それは自分自身のためでもあります。

家を買う時はその選択ができるときです。
しっかり考えましょう。

<執筆者>竹下 昌成(たけした あきなり)

・TAC専任講師
・株式会社メディエス代表取締役
・日本FP協会会員(CFP)
・宅地建物取引士
・貸金業務取扱主任者
・住宅ローンアドバイザー
・スカラシップ(奨学金)アドバイザー
・少林寺拳法3段

〒669-1103
兵庫県西宮市生瀬東町17-2

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