リフォーム費用の相場がわからない?業者の探し方をFP(専門家)が教えます

PR
執筆:ファイナンシャルプランナー 四方裕伸氏

リフォーム費用の相場がわからない!良い業者の探し方教えて!
リフォームには大きく分けて「大規模リフォーム」と「中小規模の修繕」とに分かれます。

「大規模リフォーム(リノベーション含む)」での注意点は「新築」と同じとお考え下さい。

そして、それはこれから述べる「修繕」の注意点が理解できれば、その応用となるのです。

つまり、応用である「新築」や「リノベーション」を、基礎である「修繕」より先に経験するので、日本人は住宅に関する失敗が後を絶たないのです。

今回は、基礎である「修繕リフォーム」を解析し、家計にやさしいリフォーム業者選びの注意点を解いていきましょう。

<執筆>:ゆうりFP株式会社 四方裕伸氏

あわててリフォーム会社を探さない

住宅は10年経つと中小規模の修繕が徐々に必要になってきます。

例で挙げると、エアコンなどの家電、ガス給湯器、白蟻対策、塗装の剥離、室内の汚れや破損・水回り劣化などです。

この時失敗したと後悔する可能性のある人は、一種類の人です。

答えは「直し方が分からない人、および直し方を知っている人を知らない人」です。言い換えれば、「あわててリフォーム会社を探す人」です。

「あわててリフォーム会社を探す人」にさえならなければ、料金にも仕上がりにも後悔するする人がほとんどいないと言えます。

知り合いのリフォーム業者には頼まない

但し、「知り合いにリフォームできる人がいる」と安心している人は論外です。相手に、お金と仕事への全幅の信頼がなければ逆効果なのです。

解説すると、知り合い(親友・親族等)は人間です。

人間は罰則(法もしくは理性)が無ければ基本的には自分の為だけに行動してしまう動物です。

「親友だと思っていたのに裏切られた。」という良く耳にするフレーズは、人間という動物の生理現象みたいなものなのです。(①自然の摂理※AIも同じく(①自然の摂理)裏切りが発生します。人工物における公平性は〔部分的視点〕のみにしか効果がありません。

日本人の多くが、新築後10年間はリフォームのことを気にしない

多くの日本人は新築してから10年間リフォームのことを気にしません。

だから壊れたら慌てて、家電量販店に駆け込んだり、ネットでリフォーム会社を探したり、タイミングよく飛び込んできた営業マンに頼んでしまうのです。(②環境の摂理

この(②環境の摂理)現象は、急を要する災害時も同じです。訳も分からず保険会社や代理店に紹介されたリフォーム会社に修繕を依頼してしまいます。

これを聞いて私には対処できないとあきらめる人が多いのですが、それを前提に書いていますので、あきらめる必要はないのです。

なぜ「日本人が新築後10年間リフォームを気にしない」ことを私は環境の摂理と定義付けたのかといいますと、日本の建築進化の歴史において生まれた環境の影響だからなのです。

家(物(もの))は使うとボロくなります。何とかボロくならないためにどうしたらいいかを研究し続けたのが今の建設大国「日本」なのです。

メンテナンスフリー

そして生まれた言葉が「メンテナンスフリー」です。

この、「メンテナンスフリー」は日本を美しくしてきた研究のたまものである反面、「だまし・ごまかし」に使われ続けてきた諸刃の剣だったのです。

これにより起こった日本人の住人の「錯覚」こそが衣食住における元来持ち合わせていた「住」の基礎能力を劣化させた原因なのです。

「錯覚」=リフォームの事はほったらかしで良いよね~・・・

そこで、皆様が忘れている常識を文字で起こしてみます。

家は使うとボロくなるが、毎日使い毎日掃除をし、こまめにメンテナンスすれば1000年以上長持ちする。逆に家は使わなければきれいなままだが、窓を閉め切って空き家で放置すれば10年も経たずに朽ち果てる。

皆様常識として理解できる事なのに、改めて文字に起こすと、普段の生活がいかに「メンテナンスフリー」という言葉によって矛盾しているかが分かると思います。

これが「日本人が錯覚を起こす環境の摂理」なのです。

ここまでをご理解いただけると、リフォームの相場に悩む時間が短縮できる方法が分かりやすくなります。

リフォーム会社の立場で考えてみる

自分はリフォーム会社の人だと思って、一度想像してみてください。

Ⅰ日本で、てっとり早く受注を増やすにはどうすればいいでしょう?

①自然の摂理と②環境の摂理をうまく利用し、「あわててリフォーム会社を探す人」を見つければいいのです。

そして、その人に信頼してもらえるためには、その時だけ信頼していただけるもの(資格や組織権力の有無、会社規模や笑顔)等にお金をかければいいのです。

そしてそれに費やしたお金を相場に合わせるなら、人件費と材料費と工期を下げればよいのです。

Ⅱ日本で長く受注を続けるにはどうすればいいでしょう?

①自然の摂理と②環境の摂理を意識しつつ、理性を持って人件費と材料費と工期にできるだけお金をかけ、その場の信頼を得るための費用には、将来を見据えて目をつぶると良いのです。

つまり、あなたがあなたの住まいを大事に思い、「お金よりもまず、ちゃんと高品質に仕事をしてくれる人を求めたいなら、10年間でⅡの業者を探し続けることをお勧めします。

リフォーム費用の相場

さて、いよいよ本題です。

リフォーム費用の相場について述べますが、一言で言ってあってないようなものです。理由は、宅建士や建築士しかできないような独占業務がなく無資格でできる、つまり誰でもできる仕事だからです。

そのうえで、リフォーム業界の暗黙の知識を参考にしたうえで、注意点を述べます。

まず、暗黙の知識です。

材料費・・・定価の半額前後
職人・・・もともとやんちゃな人、手に負えない人が多いです。
元請・・・注文者への責任を担う
下請・・・仕事のまとめ役
孫請・・・専門職人チーム

※工事前に、どれだけの知識のある職人が点検し欠陥を発見し、下地を白くして良い設計図(青写真)を描けるかで、仕事の8割が決まります。

工事のクオリティーは孫請チーム次第です。

下請がたづなを引くので、職人の動きが下請で変わります。どんな腕利きの職人にも欠点があります。それを瞬時に把握し対処するのが一流です。

最後に元請は隠し事なく、すべてに正直に対応できるかです。

以上の事を参考程度に頭に入れ、次にリフォーム価格をⅠ、Ⅱ、大手で比較してみましょう。あくまでも判断目安です。

<リフォーム価格>

大手
材料費 普通 普通 若干安い
職人 安め 普通 安い
元請 高い 普通 非常に高い
下請 まちまち まちまち まちまち
孫請 普通を望む 普通 普通だが

 

例えば塗装工事の場合、請負金額相場150万円から200万円の場合の価格差は、

Ⅱが100万円から150万円。この50万円の差は下請の利益率の差が大きな要因、元請の利益率の差が小さな要因です。

Ⅰは150万円から250万円になり、Ⅱとの差は元請の利益率が大きな要因です。

大手は200万円から300万円となり、Ⅱとの差は当然に元請の利益率が大きな要因となります。

多くの場合職人の腕や材料費や孫請チームの能力はもちろん、下請、元請担当者の能力は価格に比例しないとお考え下さい。

また、特殊技術や特許材料、特別寸法を使う場合は比較もできません。

以上のことから、Ⅱの組織にいる、でできるだけ能力の高いチームに頼むことができる人が理想と分かります。

しかし、そんな理想のチームと出会えることはなかなか現実的に難しいですし、今の世知辛い世の中ではⅠや大手のリフォーム会社がほとんどです。

リフォーム会社選びの注意点

そこで、リフォームの必要に迫られた場合の注意点をまとめます。
まずは、冷静になって下記の事を整理しましょう。

①一度自身がお願いしたことがあるリフォーム会社で満足できたのであれば、またそこにお願いしましょう。

②一度自身がお願いしたことがあるリフォーム会社で起きた不満が許容範囲であれば、またそこにお願いしましょう。

③新築を建てていただいた会社に満足しているのであれば、そこにお願いしましょう。

<①~③までができない場合>
④知り合いがリフォームで満足していることに、うらやましく思えば、お願いしてでも紹介していただきましょう。ただし、その知り合いに不満を漏らすのはダメです。

⑤ネット一括見積やホームセンターや飛込みへの依頼はできるだけ避けましょう。理由はⅠの業者である確率が高いので、避けるべきです。

⑥今決めてくれたら値引きするという契約ははっきり断りましょう。

⑦工期にはこだわらないで、その業者で一番の職人チームにこだわりましょう。

<①~⑦を踏まえると頼める先がない場合>
⑧金銭的の抑えることは無理とお考え下さい。直すにはそれなりのお金がかかるとあきらめることが重要です。そして、同じかかるならクオリティーを正しく高めることに全力を注ぎましょう。

もちろん資金的に無理のない範囲である事は前提ですが、自分の気に入ったリフォームができ、長持ちするのであれば、かかった費用は何倍にも実質価値を生みます。

リフォーム業者の探し方【まとめ】

リフォームを安く抑えるには、物の意味や性質を一つ一つ知らなければ、結局損をします。

その知識や知恵(経験)や応用力が高ければ高いほど安く抑えられます。現在は、大手リフォーム会社ではその経験の共有化がなされているので、損とは言えません。

つまり、Ⅱの会社の3倍の金額がかかっても、大手で買った方が得ですという不思議な傾向になっているのです。また、国も大手なら目が行き届くので推奨するのです。

だから、何もない人が失敗しないためにはこの選択が得策です。リスクを背負ってⅡを慌てて探してもⅠに十中八九つかまってしまいます。

そんな中、数は減りましたが、Ⅱを貫いている組織はまだまだ存在しますし、それを目指す若者もわずかではありますが都会にもいます。

食の世界ではチェーン店に押され、父ちゃん母ちゃんの定食屋がめっきり減りました。

リフォームの世界でも同じ状況です。普段から手間暇かけておいしい定食屋を探すように自分に合うリフォーム会社を探求することも楽しいですよ。

<執筆者>四方裕伸

CFP 1級ファイナンシャル・プランニング技能士
日本FP協会SG幕張代表
千葉県損害保険代理業協会理事
ゆうりFP株式会社 代表取締役
http://ulifp.com/

勤めていたハウスメーカー倒産から独立し、FP事務所・損害保険代理店・建築設計事務所・リフォーム事業を順に立ち上げ、倒産時のお客様や知人・企業を中心に、木造注文住宅を中心としたリスクと設計の知識を生かして様々な生活者へのお手伝いをしてきました。


※以下の関連記事は「お金のプロへのインタビュー」編集部が執筆したものです。

フラット35はリノベ・リフォームでも融資可能?

中古マンションや一軒家を購入して自分好みにするリノベ・リフォーム。自分好みの間取りにしたい・建売物件では満足できないと考える人のマイホーム取得手段として、一定の地位を得てきました。

ぜひ私も、と思ったところで気になるのは住宅ローンに関することです。ここでは、リノベーション・リフォームでも融資可能なフラット35について、知っておきたい基礎知識を紹介します。


リノベベーション・リフォームで利用できるフラット35は2種類

フラット35には、リノベベーション・リフォームで使える専用商品を扱っています。利用できる商品は、【フラット35】リノベ・【フラット35】リフォーム一体型の2種類です。

【フラット35】リノベ

中古住宅購入と性能向上リフォームを合わせて行う人や性能向上リフォームが行われた中古住宅を購入する人が検討できる商品です。

当初5年もしくは10年間、通常のフラット35金利より0.5%優遇された条件で住宅ローンを借りられます。

性能向上リフォームの詳細については後ほどくわしく紹介しますが、どんな工事も対象になるわけではありません。条件を満たす工事を行った場合だけに適用される優遇プランと考えてください。

【フラット35】リフォーム一体型

性能向上リフォームの条件から外れる工事内容でも【フラット35】リフォーム一体型を利用できます。中古住宅の購入資金とリフォーム工事の代金をセットにして、マイホーム取得資金を借入できるプランです。

リフォーム一体型を選べば、工事内容に対する制限がなくなります。性能向上リフォームにとらわれず、需要に合わせた設計にできるところは魅力でしょう。

【フラット35】リノベ・リフォーム一体型の違いは?

「フラット35 リノベ」と「フラット35 リフォーム一体型」の違いを一覧表で見ておきます。工事内容だけではなく、申込先や期限に違いがあるので気をつけましょう。

まぎらわしいのですが、リフォーム会社に依頼したらリフォーム一体型・リノベーションしたらリノベというわけではありません。

リノベーションを行っても「フラット35 リフォーム一体型」の対象にしかならなかったり、リフォームなのに「フラット35 リノベ」が使えたりするケースはあります。

【フラット35】リノベ 【フラット35】リフォーム一体型
工事内容 省エネルギー性・耐震性・バリアフリー性・耐久性・可変性のいずれかに制限される 制限なし
借入額 100万円以上8,000万円以下
ただし、中古住宅購入価額とリフォーム工事費の合計額以内
100万円以上8,000万円以下
ただし、中古住宅購入価額とリフォーム工事費の合計額以内
募集期限・制限 2018年4月1日〜2019年3月31日の申込受付分のみが対象
※期限前でも予算に達したら受付終了
なし
申込先 中古住宅を購入してから性能向上リフォームを行う場合は【フラット35(リフォーム一体型)】の取扱金融機関。性能向上リフォームがなされた中古住宅を購入する場合は【フラット35】の取扱金融機関 【フラット35(リフォーム一体型)】の取扱金融機関
既存住宅売買瑕疵保険 一戸建ては原則必須。ただし、新築時にフラット35を利用した住宅など一定の条件を満たせば不要。マンションは任意

&n]

【フラット35】リノベの利用条件・金利引き下げ制度

【フラット35】リノベの対象になる性能向上リフォームの内容や金利引き下げプランについて、もう少しくわしく見ていきます。すべてを暗記しなくても大丈夫なので、概要だけでも目を通しておきましょう。

性能向上リフォームとは

性能向上リフォームは、省エネルギー性・耐震性・バリアフリー性・耐久性・可変性と、4種類に分かれています。4種類のうちのいずれかに当てはまるリフォームだけが【フラット35】リノベの対象です。

1.省エネルギー性

冷暖房器具を使わなくても、夏涼しく、冬暖かい住環境を整えるためのリフォームです。代表的な例としては、断熱材を入れ替えたり、断熱性のある窓へ交換したりする工事があげられます。

高性能な給湯器を導入することも、省エネルギー性リフォームの一例です。断熱性能を高めることで気管支ぜんそく、アトピー性皮膚炎の改善率が高まることを示した調査もあり、家族の健康維持にも貢献します。

2.耐震性

耐力壁を追加したり軽い素材の屋根に変えたりすることで、耐震性を高めるリフォームが含まれます。国の定める基準をクリアすることで地震保険料が割引になるケースもあり、経済的な副次効果も期待される改修です。

3.バリアフリー性

けがや病気、加齢などで身体機能が衰えてしまった人でも、安心して生活できる住環境を整えます。段差を解消する・手すりをつける工事などが具体例です。

早いうちから両親の介護を見込んだリフォームをしておくことで、将来の不安が軽減されます。将来設計を家族でよく話し合い、みんなが快適に生活できる環境を整えましょう。

4.耐久性・可変性

丈夫で長持ちする住宅になるように、浴室をユニットバスに変更する・木材に防腐・防蟻処理を行う工事などが該当します。構造レベルで長持ちする工夫がなされた住まいは地震にも強く、災害対策としてもおすすめしたいリフォームです。

金利引き下げ制度について

【フラット35】リノベの金利引き下げ制度は、金利Aプラン・金利Bプランに分かれています。金利Aプランに該当すると当初10年0.5%の引き下げ・金利Bプランだと当初5年0.5%の引き下げです。それぞれの条件は、以下の表を参照ください。

金利Aプラン 金利Bプラン
省エネルギー性 ・認定低炭素住宅
・一次エネルギー消費量等級5の住宅
・性能向上計画認定住宅(建築物省エネ法)
・断熱等性能等級4の住宅
・一次エネルギー消費量等級4以上の住宅
・全居室の開口部に一定の断熱改修がなされた住宅(リフォーム工事前の住宅に条件あり)
・全居室の開口部と床・外壁・屋根(天井)のうちいずれか1か所以上に断熱改修がなされた住宅
・LDKの開口部の断熱改修かつ1種類以上の高効率化等設備への交換が実施された住宅
・LDK以外の居室1室以上の開口部の断熱改修※4が実施され、かつ、2種類以上の高効率化等設備※5への交換が実施された住宅
耐震性 耐震等級3(構造躯体の倒壊等防止)の住宅 ・耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上の住宅
・免震建築物
バリアフリー性 高齢者等配慮対策等級4以上(共同建て住宅の専用部分は等級3でも可) ・高齢者等配慮対策等級3以上の住宅
耐久性・可変性 長期優良住宅 ・劣化対策等級3かつ維持管理対策等級2以上の住宅(共同住宅などについては、一定の更新対策が必要)

 

金利Aプラン・Bプランともに、列挙されているどれか1つを行えば対象です。気をつけたいポイントですが、リフォーム工事前には対応していなかったものを対応させることが条件とされます。

もともと条件を満たしていた箇所をグレードアップさせるだけでは、対象になりません。また、建物丸ごと改修する全部改築工事は対象外です。

また、改修を行うだけでなく、中古住宅の維持保全に係る措置を行わないといけません。中古住宅の維持保全に係る措置とはどのようなものかを次の項で見ていきます。

中古住宅の維持保全に係る措置とは

中古住宅の維持保全に係る措置とは、1~4のいずれかに該当する措置のことです。措置がとられていることを適合証明検査で確認できてはじめて【フラット35】リノベの金利引き下げ制度が適用されます。

1.インスペクションの実施

住宅の専門家が劣化状況や欠陥を確認することを「ホームインスペクション(住宅診断)」と呼んでいます。2018年の宅建業法の改正により、中古住宅の売買に際してインスペクションの説明義務が生じることになりました。

相談する業者によっては費用負担なく診断を依頼できることもあるため、担当者に聞いてみましょう。

2.瑕疵保険の付保等

対象物件に対して、既存住宅売買瑕疵保険もしくはリフォーム瑕疵保険をつけることが条件です。既存住宅売買瑕疵保険・リフォーム瑕疵保険はいずれも、住み始めた後に見つかった欠陥に対する補償を求めるもの。修繕費などを保険でまかなうことにより、泣き寝入りにならないように備えるねらいがあります。

3.住宅履歴情報の保存

リフォーム箇所の写真や図面を買主が保存することで、履歴を遺すねらいがあります。リフォーム履歴をすぐに確認できるようにしておけば、将来的に点検や売買を行うときに便利です。自らの手もとに残しておくことにより、リフォーム会社が倒産しても困らないようにする措置といえます。

4.維持保全計画の作成

リフォームした住宅を良質な状態のまま残せるように30年以上の維持保全計画を求める措置です。リフォーム時点で計画を建てておくことによりメンテナンスコストも明確になり、家計管理にも役立ちます。

【フラット35】リフォーム一体型の利用条件と特徴

【フラット35】リノベの対象にならなかったリフォームには、【フラット35】リフォーム一体型を検討できます。リノベのように金利引き下げ制度がないかわりに適用条件はゆるく、どんな工事にも検討できるところが特徴です。

利用条件はフラット35とほぼ同じ

【フラット35】リフォーム一体型の主な利用条件は、フラット35とほぼ同じです。中古住宅購入価額とリフォーム工事費の合計が1億円以下・一定の床面積基準を満たす住宅だけが対象となり、100万円以上8,000万円以下の借入ができます。

申込者の年齢は、原則70歳未満。親子リレー返済を選択する場合は、後継者の年齢をもとに借入期間上限を計算することから、70歳以上でも大丈夫です。

1点だけ大きく異なるポイントは、フラット35の技術基準を満たしていない中古物件でも、リフォーム工事を行って基準をクリアできるようなら対象にできるところ。リフォーム工事の計画段階で適合証明機関の確認が入り、問題ないと判断されれば、資金の融資を受けられます。

一般的なリフォームローンより低金利

フラット35には【フラット35】リノベがあることから、リフォーム一体型は見劣りする商品のように思われがちです。ただ、一般的な金融機関のリフォームローンはもっと金利が高くなります。

借入額が一定に制限されることも多く、大規模なリフォームには対応できないことも難点です。【フラット35】リフォーム一体型が、融資可能額・金利ともにフラットと横並びの条件になっているのは、大きな強みと考えられます。中古物件取得費用と1本のローンにすることで返済計画も建てやすく、利用しやすいリフォームローンといえるでしょう。

つなぎ融資が必要なところに注意

【フラット35】リフォーム一体型では、工事が終わったところでフラット35の技術基準を満たしているかの確認を受けてはじめて、借りたお金を受け取れます。

中古住宅の代金決済は工事を始める前に行いますから、自己資金がない場合はつなぎ融資が必要です。住宅ローンのように長期契約が必要なものではないとはいえ、10万円程度の利息が発生するケースも多々あります。金融機関や不動産業者の担当者から話しを聞いて、少しでも有利な条件でつなぎ融資を受けられるように調整しましょう。

フラット35で有名なARUHIでは、「ARUHI フラットつなぎ」というつなぎ融資専用の商品も出しています。同じ金融機関で契約することにより、つなぎ融資の返済・【フラット35】リフォーム一体型の資金受け取りという流れがスムーズに進みますから、なるべく手間をかけずに契約したい人にはおすすめです。

【フラット35】リノベ・リフォーム一体型の返済額を比較

最後に、【フラット35】リノベを選んだ場合と【フラット35】リフォーム一体型を選んだ場合で、返済計画にどのくらいの差がつくかを見ておきます。

シミュレーション条件は、3000万円を返済期間30年・元利均等返済・ボーナス払いなしとしました。【フラット35】リノベはBプランの適用として、当初5年間0.5%の金利引き下げを受けられます。毎月返済額と総返済額の差を示したものが以下の表です。
【フラット35】リノベ 【フラット35】リフォーム一体型
金利 1〜5年
0.89% 6〜30年
1.39% 年率1.39%
毎月返済額 9.5万円 10.1 万円 10.2 万円
総返済額 3,595 万円 3,671 万円

【フラット35】リノベ 【フラット35】リフォーム一体型
金利 1~5年
0.89%
6~30年
1.39%
年率1.39%
毎月返済額 9.5万円 10.1 万円 10.2 万円
総返済額 3,595 万円 3,671 万円

 
金利が0.5%引き下げられる分だけ毎月返済額、総返済額ともに有利になります。ただし、リノベの条件を満たすためにリフォーム代金があがる可能性が高く、不動産業者との打ち合わせが必要でしょう。

上の試算では総返済額の100万円に満たないくらいの差ですから、必要なリフォームだけを行ってリノベの適用を諦めた方が有利になる可能性も十分にあります。

リノベはあくまでも「リフォーム費用が高くなった分のクッションとして、金利引き下げが受けられる」くらいに考えた方がよさそうです。

PAGETOP