遺品整理や住宅売却を行う終活ビジネスの最前線~株式会社LifeTie 代表取締役 岩本大輝氏インタビュー
株式会社LifeTie 代表取締役 岩本大輝氏
核家族化、熟年離婚、孤独死、孤立死など様々な社会問題が深刻化する中、「故人様、ご遺族様の大切な想い出を次の世代につなげる、あるいは残したい」をキャッチコピーに、1年前に設立されたのが、関東圏を中心に遺品整理を行う株式会社LifeTie。
同社は一般社団法人遺品整理士認定協会から遺品整理士の資格を取得し、優良事業所として認定されている。
故人が残した住宅の処分も多く、どのような不動産会社に依頼すればよいかなど、終活全般のお金にまつわる話を代表取締役の岩本大輝氏に伺った。
遺族の思いをくみ取って遺品整理を行う
御社の業務内容を教えてください。
もともと前職で不動産や買い取り事業に関わる仕事をしていたのですが、3年ほど前に、昨今の少子高齢化や核家族化が進む中で、遺品整理の重要性に気づきました。
そこで、一般社団法人遺品整理士認定協会から遺品整理士の資格を取得し、遺品整理の仕事を神奈川県川崎市川崎区から広げていくことを目指しています。
実はここ川崎市川崎区は、高齢者率が高いのです。地域の方々やケアマネジャー、様々な会社と連携しつつ、現在、1都3県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)で遺品整理事業を進めています。
遺品整理というのは、故人様の思い出の品や遺品、貴重品などを丁寧に仕分けしご遺族様にお引き渡しするお仕事です。
亡くなられた時、ご遺族様はショックでどこに何があるか分からない状態です。中には重要書類もあります。それをLifeTieが丁寧にご遺族様のヒアリングなどを通じて発見します。
なぜ遺品整理事業を始められたのですか。
私はシングルマザーの家庭で育ちましたが、母親の仕事の関係上、祖父母と過ごす時間が多かったのです。
父代わりだった祖父が他界したのをきっかけに、死に向き合うようになりました。祖父の遺品整理をし、思い出を振り返った時に、遺品整理の大切さを理解したのです。
LifeTieは整理を通じて故人様の思い出や想いをご遺族様にお繋ぎする遺品整理・特殊清掃の作業を行っています。
遺品の買い取りもできることが強み
昨今は核家族化が進み、家族同士の関係が希薄になっています。
そうですね。高齢者の方と息子さんや娘さんが離れ離れで暮らし、核家族化が進んでいると認識しています。
私がエンディング事業に関わっていた3年前はまだ「終活」という言葉が浸透しておらず、セミナーを開いてもマイナスなイメージで受け止めらました。
最近では「終活」がマスメディアで取り上げられるようになり、遺品整理の認知も向上しました。核家族化に合わせて孤独死も増えており、特殊清掃を伴う遺品整理の需要があります。
LifeTieは地域支援包括センター、葬儀会社、不動産会社と連携してワンストップで対応しています。
様々な遺品整理の提案を行うLifeTie
遺品の買い取りでは、どんな事例がありますか。
前職での宝石商としてのキャリアをもとに、主にダイヤモンド、ルビー、時計、指輪の査定も行っており、遺品の買い取りに活かしています。
古物商許可も保有しているので、家具や家電も買い取っています。あくまで遺品整理をしていく中で貴重品が出てきた場合、ご遺族様の意向に沿って、ご売却を検討されているときは、買い取りをします。
売却したいというご遺族の意向は多いのでしょうか。
ご遺族様と故人様は別々の場所に居住されていることが多く、生活環境も異なっています。久しぶりにご対面されたのが亡くなられた時、というケースもあります。
そこで私たちが丁寧に一品一品遺品整理していく中で、宝石や時計が見つかることもありますが、ご遺族様から売却の意向を示され、買い取るケースも増えています。
特殊清掃・遺品整理の作業に入る前に、作業の見積もりを提示し、買い取った貴重品代は見積もりから差し引きます。
ごみがたくさん出て処理する分量が多いと、処分代がかさむ傾向にあります。ご遺族様としては少しでも見積金額を下げたいので、貴重品の買い取りをしっかりできることは私たちの強みとなっています。
年代や性別によって遺品の傾向も様々ですが、男性の場合は時計、18Kのネックレス、女性の場合はプラチナの指輪などを残される方が多いですね。
LifeTieは一般社団法人遺品整理士認定協会より優良事業所として認定を受けている
処分を希望されるものはどんなものですか。
一番多いのは仏壇です。仏壇はかなり立派なものが多く、LifeTieはお寺さんと提携していますので、仏壇の供養まで一貫して行えます。
故人様とご遺族様は親族ですから、なかなか一気に処分することに踏み出せない方が多いです。
LifeTieのキャッチコピーは、「故人様、ご遺族様の大切な想い出を次の世代に繋げる、あるいは残したい」というものです。
故人様の思いを次の世代のご遺族様につなぐお手伝いをしたいという思いで遺品整理をしておりますので、大切な故人様の写真、重要書類、手紙などを丁寧に仕分けしてご遺族様にお渡しています。
故人の不動産売却をより高く
故人とご遺族が離れて住んでいるような場合、故人の家を売却したいと意向もあると思うのですが。
8割方のご遺族様は、故人様の家を売却したいご意向です。家の荷物を整理した段階で不動産会社に依頼したいという要望があります。
捜索物を探すにあたって、ご遺族様とコミュニケーションし、不動産はどうされますかと伺うと、たいてい「売却を検討しています」と答えられます。
「近くの街の不動産屋に見積もりをお願いしている」というケースが多いです。私も不動産会社と人脈がありますが、不動産屋は病院と一緒で、更地、中古、都心部、郊外など、それぞれ強い専門性をもっています。
値段も会社によってまちまちです。100~200万円も違うとやはり大きいですから、気に入った不動産会社があれば担当者を紹介するアフターフォローサービスも行っています。お客様が損をしない、一番いい不動産会社をご紹介できます。
更地にした方が高くなるのでしょうか。
必ずしも更地にした方が高く売れるとは限りません。たとえば築年数5~10年だと、解体して更地にするのにまた費用がかさみます。築年数が浅ければ、そのままご売却されれば、高値で成約することも可能です。
築年数50年以上なら解体し、新築の家を建てた方がいいです。専門性の高い不動産会社とよくご相談されることが望ましいでしょう。
私たちも、できうる限りの提案をいたします。ちなみに、家屋解体についてもLifeTieは安くできるスキームを保有しますので、ご相談いただければと思います。
終活関連ビジネスの今後について教えてください。
高齢化社会の到来を前に 終活関連ビジネスが拡大し、 4兆円規模もターゲットに入ってきたといわれています。
新規業者の参入によって葬儀や生前整理等の業態が多様化し、 それぞれのライフスタイルに合わせた人生の幕引きを望む方が増加傾向にあります。
しかし、一方では費用の問題から質の低い業者に頼らざるを得ず、 不本意な結果になってしまう方も少なくありません。
そんな中で、最近、葬儀も遺品整理も業者が乱立する中で、良いサービスを提供できるスキームを確立しました。今後増え続けるエンディングビジネス需要において、お客様の隠れたニーズを発掘するため、LifeTieは、神奈川県を中心に終活ライフケアサロンを運営する株式会社ENBRIDGE と業務提携契約を締結し、10月から終活情報サービス「知っ得!!」を提供します。
「知っ得!!」とは、生前整理と葬儀サービスの質は維持したまま安価に提供するスキームを実現する業界初の無料相談窓口です。 知らずに損をすることのないように「知っ得!!」と名づけました。
遺品整理・生前整理にノウハウを持つLifeTieと、終活ライフケアサロンを運営するエンブリッジが提携することで、 豊かな老後生活からエンディングまでを総合的にサポートし、より安価でハイレベルな終活サービス実現を目指します。
社名 | 株式会社LifeTie |
代表者 | 代表取締役 岩本 大輝 |
所在地 | 〒210-0007 神奈川県川崎市川崎区駅前本町11-2 川崎フロンティアビル4階 |
TEL | 050-5306-1242 フリーダイヤル 0120-961-177 |
対応業務 | 遺品整理、生前整理、住環境福祉整理、特殊清掃、残置物整理、遺品買い取り、不動産売買相談 |
対応地域 | 1都3県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県) |
ホームページ | https://ihinseiri-lifetie.com/ |
取材日:2019年9月27日