老後2000万円問題の処方箋「自宅投資」のポイント~コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社 代表 渕ノ上弘和氏

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「自宅投資」のポイント
株式会社Housmartでは、AIを用いてお客様に最適な中古マンションを提案するアプリ『カウル』を運営している。同社は、「老後のための資金づくりがしたい」と思う人を対象に、「自宅投資」に基づいたマンションの購入方法をレクチャーする「老後2,000万円問題への処方箋」というセミナーを開催した。

講師を務めたのは、不動産鑑定士、宅地建物取引士、マンション管理士、AFP、2級ファイナンシャル・プランニング技能士などの資格をもつコンドミニアム・アセットマネジメント株式会社の代表取締役・渕ノ上弘和氏。

聞きなれない「自宅投資」とは一体何か、その魅力はどこにあるのか。セミナーの要旨をレポートする。

老後2000万円問題の最重要ポイントは「高齢社会における資産形成・管理」

コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社 代表取締役 渕ノ上弘和氏コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社 代表取締役 渕ノ上弘和氏

私は、幼少期から不動産に関心があり、不動産業界で15年間勤務して、国内大手の管理会社で一貫してマンションの資産価値向上に向けて業務に従事してきました。

個人としても2物件の管理組合副理事長を務め、自分の培ったノウハウを実践してマンションの資産価値管理に臨んでおります。プライベートでもマンションと法律が大好きで、趣味もマンション巡り。宅建の講師も務めています。

本日は、参加いただいた皆様に3点の情報を共有したいと思います。

1.資産形成における「自宅投資」の魅力
2.マンションの資産価値を構成する要素
3.資産価値を定量的に把握するスキル

「老後2,000万円問題への処方箋」というテーマですから、どうやってお金を生んでいくかということを解説します。

老後2000万円問題の最重要ポイントは、話題になった金融審議会市場ワーキング・グループ報告書のうちの「高齢社会における資産形成・管理」の部分にあります。

この部分には、現役期には「小額からでも資産形成の行動を起こす」、リタイア期には「金融資産の目減り防止や計画的な資産の取り崩しに向けて行動する」、高齢期には「資産の計画的な取り崩しを実行するとともに、認知・判断能力の低下や喪失に備えて行動する」と、それぞれの時期にそれぞれの行動が必要になると書かれていました。

とくに高齢者の方々は、高齢期の時期に、自分の資産を正確にマネジメントできるかということを心配されています。

この報告書は撤回することになりましたが、人間が長寿命化したことによって、現役期から高齢期にかけての資産寿命を少しでも延ばすことが大事だという認識は広がりました。

私はファイナンシャルプランナーでもありますので、ライフプラン表の作成をお願いされることがあります。

現役から老後までの支出は、住宅購入、子供の学費、結婚援助など多岐にわたりますから、個々人が自分のライフプランに沿った資産形成を行う必要があります。

65歳で退職された後は、退職金や公的年金が収入として確保できる一方、医療費や介護費用という二大老後支出もありますので、不安を払しょくできるような資産形成が大事になります。

セミナーでは活発な質問が寄せられ、自宅投資への関心も高かった。

「自宅投資」はリスクの見える化につながる

現実的な資産形成ができるかということは、ゆとりのある老後生活を送る上でとても大切です。

まずは、「収入と支出の差」を大きくすることから始めます。さらに低リスクでこれを実行できる手法としては次の3つがあります。

1.家計の見直し
2.長期投資や積立投資を開始
3.自宅投資を行う

この中でも、リスクを見える化できる「自宅投資」を特におススメしています。

それでは自宅投資とは何か。

「自宅投資」とは、出口戦略を考えた上で資産価値の高いマンションを自宅として購入し、相場を見ながら運用し、現金化を目指すことです。

まず、戸建て住宅は統一した市場価値がはかりにくいですから、私はマンションにフォーカスしています。

マンションを現金化するには、次の3つの方法があります。

1.自宅の売却
市況を見ながら売却し、売買利益を確保するというものです。今は不動産市況が好調なので売却するとプラスになるケースがあります。

2.自宅を貸す
たとえば転勤やライフスタイルの変化に伴って転居し、マンションを貸すケースがあります。

3リースバックの活用
リースバックは自宅売却後、売買代金をもらって賃貸契約を結び、そのまま住み続けることです。最近話題になっています。

それでは、自宅投資の事例を実際の物件で説明しましょう。

ライオンズマンション茅場町(物件概要)
間取り:1LDK
平米数:約45㎡
築年月:1979年9月
最寄り駅:茅場町駅徒歩8分

この事例では、リーマン・ショック後の2009年1月にリノベーション済みの物件を1,850万円で購入し、5年ほど自身で居住しました。その後は賃貸に出し、賃貸収入を得て、賃借人が退去した2017年11月のタイミングで、リフォームした上で売り出し、最終的には2018年5月末に2,300万円で売却しました。

自宅投資としては、通常の不動産投資と比較して、税制や金利などの観点からも優れた投資と言えます。

自宅用で購入すれば、金利も安く、ローン減税も最大200万円で、キャピタルゲインは3,000万円まで非課税です。

自宅投資を実践するには、3つのアクションが必要です。

1.資産価値を保つ中古マンションを見きわめるノウハウを身につける
2.出口戦略を考え、資産価値の高いマンションを購入する
3.自宅を運用し、最適なタイミングで現金化する

中でも重要なのは、「資産価値の高いマンションを見きわめる」ことです。

今のマンション市場のトレンドを整理してみましょう。

1.新築よりも中古
都心の新築マンションはもはや一般家庭が手に入る物件ではなくなっています。

2.共働き世帯の支持が高い地区
30代の過去3年間の都心移住者数が高い地区は中央区、江東区、港区の順。職住近接の傾向が強まっています。

3.シニア世代のマンション移住
シニアライフもアクティブに生きたいという志向が増え、利便性を求め、都心マンションへの移住が進んでいます。

この3点を念頭におけば、都心の人気エリアで中古マンションを選択することが求められます。

「マンションの資産価値」を分解して見きわめる

次はいよいよ資産価値の高いマンションの見きわめ方です。
マンションの資産価値を構成するのは次の4つの要素です。

1.エリア特性
2.マンションブランド
3.専有部分
4.共有部分

まず「エリア」ですが、立地条件の前提として「駅近」であることが必須です。人間は贅沢になるもので、私の実家は駅から30分の場所にありましたが、一度、駅近の場所に引っ越してしまうと元には戻れなくなります。

駅から徒歩7分を高評価としている物件サイトもありますが、私は、駅から徒歩10分でも「街の力」が強ければ評価額は高く査定されると思います。

23区でいうと、どのエリアの中古マンションを買うべきでしょうか。

30~40代の買い手の移住エリアを照らし合わせると、移住者が多く、価格も上昇傾向にあり、人気があるのは「品川区」「足立区」「葛飾区」です。

逆に、「江東区」は移住者が多いものの、価格上昇幅の天井が見えはじめていますから、注意が必要かもしれません。

名門校である「番町小学校」「九段小学校」「泰明小学校」(千代田区・中央区)などの公立小学校区内の物件は、つねに一定の需要を保っており、資産価値が高い傾向にあります。

人気のある区かどうかということだけでなく、評判の良い小学校・中学校の区内かどうかにも注意してください。

次に「マンションブランド」。

好立地をしっかり仕入れる大手が強く、高級ブランドを選択しておくと、より値崩れリスクを防ぐことができます。

立地との相関関係があることもあり、ブランド名だけでは物件の資産価値は確定的には言い切れませんが、最高級にグレードが高いマンションブランドとしては三井不動産の「パークマンション」、住友不動産の「グランドヒルズ」などがあります。

3番目の「専有部分」では、近年、次のようなことで人気が決まります。

1.ニーズのある間取りかどうか
3DK(65㎡~80㎡)、2DLK(55㎡~65㎡)が人気です。

2.梁が目立たないか
梁はデッドスペースを生み出すため、不人気です。

3.キッチンはオープンカウンターか
開放感があり根強い人気です。リノベーション150万円程度で設置することも可能です。

4.眺望(前建ではないか)
目の前に物件があると日当たりやプライバシーの観点から嫌がる買い手が多いです。
眺望は、その物件特有の資産です。変更ができないので重視して選びましょう。

最後に「共有部分」です。これについては、3つの問題を確認しましょう。

1.長期修繕計画の妥当性
いくらお部屋が立派でもマンション管理計画が杜撰だと、修繕積立金の値上がりで買い手が急激に減ってしまいます。見込みが甘いと巻き添えを食うので要注意です。

2.管理組合の動き
名ばかり管理組合の場合、マンション経営について正しく議論される機会が少なく、運営がうまくいきません。会合が定期開催されているか、などの運営をチェックしましょう。

3.共用設備
共用部分というと、ラウンジなどの豪華な施設を想像しがちですが、管理状況は見えにくいのが実情です。マンション管理業務の基礎は「エントランス」「ゴミ置き場」「掲示板」の3要素に反映されているため、要チェックです。

コンサルティングサービス”Journey”の様子

今日お話しした点を配慮していただき、資産価値の高いマンションを自宅として購入し、出口戦略を描き、最適なタイミングで現金化すれば、老後2000万円問題の解決の処方箋につながります。

弊社では「マンション購入に関するご不安、わからないことすべて」をサポートするコンサルティングサービス「Journey」を実施しています。是非、お問い合わせください。

株式会社Housmart (ハウスマート)
所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座2-10-8 マニエラ銀座ビル6階
TEL 03-6427-6511
Mail info@housmart.com
代表者 代表取締役 針山 昌幸
設立 2014年10月
事業内容 不動産売買仲介向け 営業支援ツール「プロポクラウド」の運営
中古マンション売買サービス「カウル」の運営
不動産メディア「マンションジャーナル」の運営
不動産データベース「マンションライブラリー」の運営
ホームページ https://housmart.co.jp/

 

コンドミニアム・アセットマネジメント株式会社
所在地 〒104-0061 東京都中央区銀座2-10-8 マニエラ銀座ビル7階
TEL 03-6427-6330
代表者 代表取締役 渕ノ上 弘和
事業内容 中古マンション売買仲介サービス
ホームページ https://coam.co.jp/

取材日:2019年9月19日

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