65歳過ぎてもリタイアしたくない!シニアの働き方・生き方

執筆:北村滋郎氏

65歳過ぎてもリタイアしたくない!シニアの働き方・生き方

あなたは65歳で定年を迎え、これからのことを考えておられることと思います。退職金と年金だけでなんとかなりそうな方はいいのですが、年金だけでは2000万円足りないという情報もあり、不安になられていると思います。

しかしながら、全国で定年を迎えるシニアに方々には私の実施するセミナーの中でこう伝えています。

「人生100年時代になった今、定年になったら、退職金と貯蓄と年金で逃げ切れるという時代はもはや終わりました。これは人生80年時代の発想です。」そうであれば、逆にリタイアなんてありえない、と認識を改めて65歳からの働き方・生き方について考えてみませんか?

あなたがもし今年65歳で定年を迎えられる方でしたら、学校を卒業して約40年の月日が経っています。

そして人生100年時代を迎えた今、あなたの人生に残された時間は、さらに35年あると考えてほしいのです。

第二の人生とキャリアを創っていくには十分な時間といえないでしょうか。山あり谷ありの人生を生き抜いてきた今だから!これからできること(可能性)は前半の人生よりも後半の人生の方が大きなものになるのは間違いありません。

さあ!もう一花も二花も咲かせる人生を生き抜いていきましょう!そのためのプランニングについて説明させていただきます。
それならすぐに再就職を、と慌てる必要はありません。まずは100歳まで生きがいをもって生き抜くためのプランニングを立てるこそが重要なのです。そのためには、終活ということを少し考えてみる必要があるのです。

終活はブームだけれどもヤル気がでない理由

現在、世間では「終活」がブームの様相を呈しています。

セミナーの広告をちょっと見るだけで「あなただけの葬儀プランセミナー」「遺言書の作り方講座」「すぐにわかる相続税対策」「成年後見制度を知っていますか」などというテーマで「終活セミナー」と称して、あちこちで開催されています。

しかし、これらの終活セミナーは、ほとんどが葬儀屋さんの営業、司法書士たち・税理士さんたちの営業手段として開催されており、しかもほとんどが死ぬための準備と言えます。

これはこれで必要なのでしょうが、準備をしたら自分はもう「終わった人」であとは死ぬだけ・・・、という後ろ向きのイメージを持ってしまうのも無理はありません。だから終活なんてやりたくないという人も多いのも当然です。

終活のもう一つの側面

自分が死ぬための準備はヤル気が出ないけど、こう考えてみてはいかがでしょう。なぜ準備するのかというとそれは、遺される家族に絶対迷惑をかけなくないためと考えてみてはいかがでしょう。

配偶者や子どもには迷惑をかけたくはないですよね。これなら準備もできるのでないでしょうか。そして、この準備が完了すれば、次は終活のもう一つの側面である「自分が100歳まで生きがいをもって生き抜くためのプランを作る」ということを始めてみて下さい。

65歳で定年を迎えた方ならば、あと35年どうやって生き抜きますか?

若いころにチャレンジできなかったことはありませんか?勤めていたときに我慢していたことはありませんか?家族とやりたかったことはありませんか?自分の人生を振り返って、これからの35年のプランニングをぜひやってみて下さい。

そうでなければ、居場所のないシニアとしてパチンコやゲームセンター(たまの息抜きならOKですが)に集まることになってしまいかねません。

終活の全体像とは

終活には、「①遺される家族に絶対迷惑をかけないための準備」、と「②自分が生きがいをもって100歳まで生き抜くための準備」、の2つの側面があるのです。(全体像は下図参照)

終活の全体像が頭の中にあれば、どんな終活セミナーを受けても、今日はこの部分と理解しながら準備することが可能となります。

リカレント教育と100歳まで生き抜く未来設計図

しかし、終活で最も大切なことは「リカレント教育」だと言われています。リカレント教育とは、いつでも学び直し・やり直しできるための生涯教育と辞書等には書かれています。

もっと砕いていうと、若い時に学校で学んだことは時代を経て、すでに賞味期限が切れている、だから後半の2回目の人生には、それに合ったことを学び直して後半を生きるということなのです。知識や技能(スキル)も大事なのですが、リカレント教育で最も大切なのは、自分の価値観を改めるということです。

価値観とは、自分の経験からくる頭の中にある「モノサシ」のこと。自分が正しいと感じてきたモノサシが、後半の人生でも通用するのかを確認していかねばならないということなのです。

たとえば、前半の人生は「足りないものを足していく」ことに重点を置いた価値観で生きてきた。だから、家族を作り、家を建て、欲しいもの・必要なものを買い、貯金もしながら生きてきたのです。

しかし、後半の人生は逆に「不要なモノをそぎ落として減らしていく」ことに重点を置いた価値観で生きていくことが必要となります。

だから、家具も食器も必要なモノだけにする、不要な情報も捨てる、自分の心を不安にする人間関係さえも捨てていき、本当に必要なモノだけを選りすぐった上で、新たな人脈を作りあげていくことが最も重要となるのです。このように価値観を一つ一つ改めていく学習が求められます。

これから残りの人生を悔いなくやりがいを持って生き抜くためのプランを立てるには、この後半の2回目の人生に合った価値観でプランニングしなければ、生き直しとは言えないのです。

準備が整ったら、未来設計図を作ってみましょう。どんな表でもいいのですが、見える化できる表を作ってみるといいでしょう。私は日本メンタリングスタディーズ協会で「マイライフメンターノート(10年計画表)」(下図参照)の作成をおススメしております。
マイライフメンターノート
日本メンタリングスタディーズ協会「マイライフメンターノート」より引用

働き方の3パターン

終活という準備が整ったあなた!あとは生きがいを持って100歳まで生き抜く行動あるのみです。私はセミナーで、「定年になってから、そこからが楽しいんです。”正しいこと“は1回目のキャリアで十分やってこられたでしょう。

これからは”楽しいこと“だけを追求して生きることで価値観が変わって、人生で得られるモノも大きく変わってきますよ。」とお伝えしています。

65歳からの働き方では、3つのパターンが考えられます。一つは再就職するという道です。 シニアの就職支援を専門的に行ってくれるところも増えています。

ハローワークやシルバー人材センター(軽作業が中心)などに相談するといろんな仕事を紹介してもらえます。再就職のメリットは、収入を得ることが比較的に簡単ですぐに可能になります。

デメリットは、自分の本当の楽しいことではなく、つらい作業になる可能性があるということです。

家族のために我慢しながら懸命に働いてきた1回目の人生だったのに、また我慢をしながらつらい仕事を辛抱して2回目の人生も働くことが楽しいのかどうかをよくご自身の心に問うていただく必要があります。

二つ目は、ボランティアに参加するという働き方です。さまざまなNPO法人等が地域活動を行っており、自分も興味がある中で、楽しみながら、誰かのお役に立てているということで喜びを感じることができるのがメリットですが、デメリットは収入がほとんど見込めないという点です。

もっと言えば交通費などで赤字になってしまうことも多く、逆に家計を圧迫していくという場合もあるということです。年金2000万円不足問題が解決されていない方であれば要注意です。

三つめは、自分の経験を活かして起業するという道です。しかし、起業となると失敗して逆に借金を負ってしまうというデメリットもありますが、自分の好きな仕事で一生働き続け、なおかつ収入も得られるのなら、それ以上のやりがいはないというのがメリットです。

それぞれがご自身の価値観で選択されるのが一番だとは思いますが、私のおすすめは3番目の道です。それほど大きな事業ではなく、ミニ起業で投資も少ない事業を考えていくことはいかがでしょうか?

年金2000万円不足時代では、シニアの生活は毎月5万円程度赤字になると言われてします。だから毎月5万円程度の売上げを上げることのできるミニ起業であれば、これにも対応でき、しかも自分の本当に好きなこと・楽しいことで誰かの役に立てるのであれば、これほど素晴らしいことはないのではないかと私は考えます。

ミニ起業のススメ

起業する際には、ご自身の事業計画を作って検討していくことが必要です。しかしながら、「事業計画の立て方」というセミナーが金融機関等で無料または安価で実施されていますが、このセミナーについて私はあまりおススメしません。

それは事業計画の中身ではなく数字の計画を立てて融資を受けることが中心となっているセミナーが多いからです。

数字の計画を作るよりも大切なことは、事業のコンセプトを作ることです。つまりは、自分が起業しようと考えるサービスを、なぜお客さんは買ってくれるのかという絶対価値と、なぜお客さんがあなたからサービスを買ってくれるのかという相対価値を考えることが最初の一歩として必要だからです。

そして事業コンセプトに合った商品(サービス)を揃えていくのです。数字はこれができたその後の話ですし、大きな融資を受けて起業するのは相当大きなリスクを抱えることになりかねないからです。

事業のコンセプトを自分で仮でもいいので、作ってみたら、それを丁寧に指導くれる師匠のような人を次は探してほしいのです。

またはそういう内容の起業塾を見つけるのです。起業は決して一人ではできないし、ここでの準備のための自分への投資(少々高額でも)がどうしても必要になってきます。

この自分への投資がうまくいけば、自分の本当の価値を改めて第三者の目を通して確認していくことができますし、その後のネットワーク(人脈)作りにも大いに役立っていきます。

このネットワークはお金には変えられない大きな価値を与えてくれます。何度も言いますが、起業は決して一人では成功しません、必ず誰かと助け合い、チームとなって実現していくものとお考え下さい。

それはできれば、次は個人事業主としての登録を行います。青色申告の事業主として承認してもらう手続きを税務署で行って下さい。認められれば、あなたは晴れて個人事業主として開業となります。

個人事業主の魅力は、サラリーマン時代にはなかった「経費」を利用することができるということです。あまり詳しいことはお話できませんが、経費を活用して事業所得が赤字になれば、あなたの所得合計が下がり、税金(所得税と住民税)や国民健康保険の保険料などが安くなることもあります。

また個人事業主であれば、年金の給付制限もありませんし、お得なことがまだまだたくさんあります。青色申告の個人事業主へチャレンジしていただくことをおススメいたします。

みなさんいかがでしたでしょうか。
65歳で定年を迎えて立ち止まって動けなくなってしまっている方はいませんか。人生100年時代を生きがいを持って生き抜くためのチャレンジにトライしてみましょう。

<執筆者プロフィール>

努力なしで幸せになれる人生と経営のアドバイザー
北村滋郎(きたむらしげお)M&M企画(社会保険労務士事務所)代表
1961年京都府長岡京市生まれ、神戸市在住。大阪大学人間科学部卒。
特定社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー(CFP/1級技能士)
キャリアコンサルタント(国家資格/CDA)、産業カウンセラー

上場企業に就職して管理職に就任。その後、正論を振りかざして上司を論破しまくったため、組織で孤立という挫折を経験。阪神淡路大震災での被災を機に、日本古来の哲学・仏教等に関心を持ち、人は理屈だけで動くのでないことを学ぶ。自然哲学を活かした経営理論を多くの師匠から伝授され、成果を上げて、取締役に抜擢される。現在は、会社経営のみならず人生経営にも理論を発展させ、生きるチカラを育むアドバイザーとして好評を得ている。

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