副業としても最適!貸会議室ビジネスの最前線~日本レンタルスペース協会 代表理事 若杉真里氏インタビュー

一般社団法人 日本レンタルスペース協会 代表理事 若杉真里氏一般社団法人 日本レンタルスペース協会 代表理事 若杉真里氏

シェアリングエコノミーの市場規模は、2018年度に過去最高の1兆8,874億円を記録しました。そのうち、スペース関係(民泊、駐車場、会議室、イベントスペース等)の市場は、現在の約5,000億円から、10年後には約3兆5,000億円に達するとも言われていますシェアリングエコノミー協会リリースより

民泊が一時のブームほどではなくなった今、急拡大しているのが貸会議室ビジネスです。日本レンタルスペース協会の若杉真里氏(代表理事)に、副業としても有効な貸会議室ビジネスへの取り組み方を伺いました。

貸会議室ビジネスのブームが来ている

若杉さんが貸会議室ビジネスにたどり着いた経緯を教えてください。

もともと貸会議室というものに特別興味があったわけではなく、最初は不動産というところから勉強しました。

子育てをしていると、小さい子どもはすぐ熱を出したり病気したりするので、月の半分も仕事できないということがありました。

そこで、自分自身が動かなくてもキャッシュが入ってくるような仕事はないかと思い、不動産について勉強してたどり着いたのが貸会議室ビジネスでした。

不動産ビジネスと貸会議室ビジネスには共通点が多く、違うのは、不動産のほうは購入してローン組むのでローンに縛られるのに対し、貸会議室はローンに縛られずにできるということでした。

いつごろから貸会議室ビジネスを始めたのですか。

リサーチを始めたのは3年前です。実際に手を出し始めたのは2年前で、そのころはまだ貸会議室の市場は一般的なものではなく、予約サイトも「スペイシー」ぐらいしかありませんでした。

最初はセミナーなどに参加して情報を集めていたのですが、具体的にどこのエリアがいいのかを聞きたくても、あまり具体的なことは教えてもらえませんでした。そこで、サイトの予約状況を見て研究し、トライアンドエラーで勉強しました。

今、いくつの会議室を運営しているのですか。

直接関わっている物件は30件くらいですかね。私自身が作って運営している部屋のほかに、私が監修して作って運営は他の人に任せているものもあります。

やり方だけ教えてほしいという人もいますし、丸投げで私が運営を請け負っているケースもあります。コンサル的にかかわっているお客さんは20人ほどいらっしゃいます。

管理サイトに載せているものでいえば、200件以上あります。予約サイトに掲載したり、予約対応、電話・メール対応などを行っていたりします。

貸会議室予約サイト「スペイシー」がオープンしたのは2013年。ここ数年で貸会議室はとても増えました。

10年前、私は司法試験の勉強をしていたのですが、仲間と勉強会をやる場所を見つけるのが大変でした。

当時は喫茶店の会議室ぐらいしかなく、時間3500円でワンドリンク頼まなければいけないようなところしかなかった。ここ数年、バーッと増えたのは3年前くらいからですよね。

不動産投資の人たちが流れてきているのでしょうか。

2018年に「かぼちゃの馬車事件」があったために、不動産投資に対する銀行の融資は高属性じゃないと審査を通らなくなり、自己資金も1/3必要になってかなり厳しくなっています。

貸会議室ビジネスは、誰もが参入できる状態なので、ブームになっているんです。
あと、民泊も「180日規制」が入って旨味が少なくなったので、民泊ビジネスを考えていた人も流れてきています。

私もその流れに乗った形ですが、始めたのはブームになるちょっと前でした。

無人でできる敷居の低いビジネス

立ち上げに大きな資金を用意する必要はないのですか?

50~100万円ぐらいの初期投資で始められます。不動産屋さんに払う敷金・礼金、あと内装費用ですね。

内装は全部自分でやれば安く済むし、私のような運営代行、作成代行に頼むと若干かかりますが、私はその中でも格安でやっています。

嫌だったり、うまくいかなかったりしたら、いつでもやめられるので、非常に敷居の低いビジネスと言えます。

まず物件を探さなければなりませんよね。

転貸できる物件が増えたわけではありませんが、理解のある不動産業者さんが増えてきた感触はあります。

今までは門前払いされることが多かったのですが、探し始める人が増えたので、そういうビジネスがあるということが認知されて、不動産屋さんが一生懸命大家さんに交渉してくれるようになりました。

ブームになっているのは、不動産屋さんの頑張りが大きいですね。

昨今、東京都内ではオフィスは探すのが大変と言われますが。

貸会議室ビジネスは、普通にきれいな物件を探すのではなく、古くて借り手が見つからない物件を使わせてもらうわけなので、どちらかというとニッチな市場なんです。

こぎれいで面積も広い物件はTKPさんなど大手の貸会議室運営会社が探していて、賃料も高いので使用料も高くなります。

個人で参入できる市場ではありません。だから雑居ビルの一室のような物件から始める方が多いですね。私もゆくゆくは広くてきれいな物件で貸会議室をやってみたいと思っていますけどね。

クリーニングや備品チェックなどは定期的にしているのですか。

1週間に1回ほどです。普通に会議室として利用する分には、そんなに汚れることもありませんから。

エリアや物件によって違うと思いますが、どのくらいの売上になりますか。

うちでは1物件あたり、小さいところで大体、月に5~10万円の手残りを目指しています。これは売上ではなく、売上から家賃やWi-Fi費用などの経費を差し引いた手残りです。

一番大きいインパクトは予約サイトの手数料で、30~35%かかりますから、売上が24万円あるとすると、そこに8万円くらいかかる。あとは家賃ですね。

家賃の3倍程度の売上を見込めるところでなければ、始めるべきではないでしょう。

家賃8万円の物件なら、売上は最低24万円というのがラインになります。その上でエリアとか物件を詰めていきます。

どういった方が貸会議室ビジネスを始めていますか。

貸会議室ビジネスを始める方でも、いろいろなスタイルがあります。昼間は普通に会社勤めをしているけど、会社もどうなるか分からないし、柱をもう一本持ちたいということで始める人もいます。

6、7件の会議室を運営すれば、1件5万円でも30万円の副収入になりますから、それなりにインパクトがありますので、副業として運営して将来に備えることができますよね。

また、すでに会社を経営している方が、本業が不安定だからと、新たな収入の柱として始めることもあります。そういった意味でキャッシュポイントのひとつになるわけですね。

ほかには、主婦の方が、パート仕事をすると子育てが大変なので始めたりしています。

無人でできるビジネスなので、敷居が低いわけですね。

ビジネスは、自分が動いて稼ぐか、人を動かして稼ぐか、モノを動かして稼ぐか、という3つがあると言われますが、貸会議室ビジネスはモノに動いてもらうビジネスです。

モノさえ作ってしまえばあとは勝手に動いてくれる。あとやることといえば、メールや電話の対応ぐらいです。

だから主婦でも十分にできるんですね。モノをしっかり作りこめば、月に5万円の売上でも2件もっていれば10万円になりますから、普通にパートに出るよりも割がいい。

時にはクレームが来てへこんだりすることもありますが、それも慣れですから。そういう意味で、非常に良いビジネスだと思います。

貸会議室ビジネスで成功する運営のポイント

回転をよくするためにはどんなことをすればいいですか?

まず予約サイトで上位に表示されるように、キーワードなどを工夫します。あとは価格調整ですね。

他より高すぎても安すぎてもダメで、まず相場を調べて、ちょい安くらいで始めるときもありますが、土日はちょっと高めにしたり、という工夫をしながら運営しています。

どんな方が貸会議室を利用しますか?

エリアと室内の雰囲気によって異なります。ソファやソファベッド置くと、パーティなどに使っていただけます。正統的な会議室の内装にすると、ビジネス利用が多くなりますね。

YouTuberさんの利用も多いですね。中野あたりの貸会議室の利用目的は「撮影」が多いそうです。部屋の中で撮影するのか、撮影時の楽屋として使うのか分かりませんが。

貸会議室の運営で苦労することは。

やはり不特定多数のお客さんを相手にする仕事ですから、何やかんやクレームも受けますし、ダブルブッキングをはじめトラブルもあります。

よくあるクレームは「鍵が開かない」とか、「電車の音がうるさい」といったものですが、前のお客さんコーヒー缶を出しっぱなしで帰ってしまったというクレームなどもあります。

無人なので、そういう管理が難しいわけです。前に使われた方によってクレームが発生する。前の人が無断延長したために使えなかったというクレームもあります。

貸会議室ビジネスを始めたい方へのメッセージ

この記事を読んで貸会議室ビジネスに興味をもった方は、何から始めればいいですか?

実際に運営している人の話を聞くのが、一番早いですね。私の場合は、最初の2、3年はトライアンドエラーでしたが、だんだん成功率は上がっていて、今ではそうそう失敗することはありません。

運がよかったのか失敗は少ないですが、無駄なセミナーに参加してお金の時間が無駄になったことはあします。失敗しなくなるまでに3年かかりました。

あとは貸会議室を紹介してくれる不動産さんとつながることですね。そこで挫折する人が多いのですが、とにかく電話をかけまくること。

門前払いされたらそこはあきらめて、話を聞いてくれる不動産屋さんと仲良くなる。私も何回も門前払いされました。

たとえばどういう失敗例がありますか。

やはり、スペースによってはお客さんが来ない時期もありますし、不要な備品を入れてお金を使いすぎてしまったりすることもあります。

初期費用を早く回収するためにも、あまりお金をかけずに見栄えよくして、お客様に心地良い空間を作るところがポイントです。

お金は使うべきところに使って、使うべきじゃないところには使わないというスタンスでいかないと、どこまでもお金をかけたくなってしまいます。

思いつきや見切り発車で始めて、脱落する人もいます。何となく始めて、前にそこで働いていたからとか前に住んでいたからという理由でエリアも見きわめずに始めたり。

勝てるエリアと勝てないエリアがあるので、自分の好き嫌いとは別なところでやったほうがいいと思います。

エリアの見分け方は?

それは……ぜひ、日本レンタルスペース協会の講座に参加してください(笑)。

物件を選ぶポイントがあるんですね。

あります。ここではお話しできませんが、稼ぐためのものと自分の好みは分けたほうがいい、ということは言えます。

あとは物件の探し方にもポイントがあります。古い物件だからダメというわけではない。新しいほうがもちろん良いのですが、家賃も高くなりますから、古い物件の中で掘り出し物を見つける目利きの力が必要ですね。私がいけると思った物件はだいたい今まで成功しています。

先日も、あるポイントから絶対いけると私が確信した物件をご夫婦のお客さんに紹介しました。

奥様が「汚くて古いから絶対イヤ」とおっしゃったのですが、ご主人に説得してもらって、手直しして始めたら、初月から売上がバーッと上がって、2か月目から売上が25万円になりました。

家賃が8万円弱です。これはかなり稀な例ですが、奥さんはパートを辞めてしまいましたね。古い物件でもここを直せば大丈夫というポイントがあるわけです。もちろん、どうにもならない物件もあります。そういうのには手を出してはいけない。

駅近で便利なところがいいとも限りません。何かしら魅力があれば、駅から離れていても利用されます。

たとえば古民家だったりしたら、雰囲気もあるしお庭もあるし、撮影で使ってもらえたりしますから。

ご自宅の一角を貸会議室として運営している人もいます。スペースがあればできるので、外に借りなくてもいいんですよね。

東京以外でも成り立つビジネスですか?

成り立ちます。今はまだやっていませんが、大阪でもやらないかという話が来ていて、不動産屋さんとつながったところです。

遠方だと清掃やトラブル時の対応ができないので、人の手配をしているところです。大阪は家賃が安く、東京よりも少し安くすれば十分回せる。

すごく物件を増やしやすいエリアだと思います。あと、福岡や名古屋で展開している方もいます。人手さえつけば遠隔でもできます。

では、貸会議室ビジネスはまだまだ伸びますね。

はい、まだまだ伸びそうですね。空室を有効活用するわけですから、このビジネスには社会貢献の側面もあります。

副業とひと口に言っても、人には言いづらいビジネスが多いじゃないですか。貸会議室ビジネスは人にも遠慮なく言えるビジネスですから。

みんな、数をどんどん増やしています。スペースを作り上げるとやることがなくなっちゃって、じゃあ次やろうかなと。

たくさん持っている人は20~30件になりますね。もちろん1件でやめる方もいますので、性格が出るビジネスですね。

お掃除とか全部自分でやらないと気が済まない方もいるし、テーブルをDIYで3週間かけて作る人もいるし、全部丸投げという人もいる。

割り切ってビジネスだと思って物件増やしたほうが賢いと私は思います。あまり手間をかけると1件作るだけで疲れてしまいますから。手残り5万円の物件を10件持って、さっさと月収入を50万円にしたほうがいいでしょう。

ただ、今後は中途半端な会議室は淘汰されていくでしょうね。

名称 一般社団法人 日本レンタルスペース協会
所在地 東京都立川市錦町1-4-4
理事 代表理事 若杉真里(株式会社ブルーロータス)
理事 井崎忠弘(株式会社ハッピーメンター)
理事 清水雄貴(株式会社CROSS PLACE)
活動・目的 レンタルスペース・スペースシェアリングを広く人々に周知させる
レンタルスペース運営者と、レンタルスペース利用者を繋ぎ、双方の理解を深める
レンタルスペースで各イベントを開催し、スペースシェアリング市場を活性化させる
レンタルスペース運営者の知識の向上
レンタルスペースに関する資格を創設し、レンタルスペース運営の資格保有者を増やしてレンタルスペース業界の信用度を上げる
各種イベントを開催することにより、地域への貢献
空きスペース・不動産の有効活用を促進する
レンタルスペース運用者の情報交換の機会を提供する
レンタルスペース利用者の情報交換の機会を提供する
レンタルスペース運営に関わるセミナーの提供
全国会議室情報の提供
レンタルスペース運営可能物件の紹介
ウェブサイト http://rental-space-jp.com

取材日:2019年11月19日

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