介護の費用捻出から離職、相続等の諸問題をワンストップでサポート~FP/行政書士 河村修一氏インタビュー

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高齢者社会白書によれば、今や高齢者の人口比率は28.1%であり、介護をはじめとする様々な問題に誰もが直面することが身近になっていく。

制度や助成、法律、税務など知らなければならないことは数多く、いきなり当事者になってまごつくのは必至だ。

介護者専門のファイナンシャルプランナーであり、行政書士としても様々な相談に対応する河村修一氏に、備えるべき介護の知識について伺った。

ファイナンシャルプランナー/行政書士 河村修一氏

突然、介護の世界の当事者になる怖さ

介護の世界を選んだきっかけを教えてください

もともとは、私が34歳で生命保険会社でサラリーマンをしていたときに、60歳だった母親が脳溢血で倒れたのがきっかけなんです。

脳溢血で倒れて、一命はとりとめたんですが、その後リハビリ病院に入って退院したときには要介護4くらいだったかな。

半身不随ですから、最初はベッドに寝たきりでしたが、その後は杖をついてデイサービスに行ったりしていました。

故郷は山口県なのですが、当時65歳の父親が老々介護でずっとみていたわけですが、だんだん父親も疲れてきますし、母親も自分の思う通りに身体が動かないのでわがままになって、父親に八つ当たりするわけです。両方によくない。二人とも疲れてくるんですよね。

ご兄弟はいらっしゃらなかったんですか?

私は東京にいて遠距離ですから、たまに帰ることしかできませんでした。

兄貴も東京でサラリーマンでしたので、お互いが協力し合って帰省する日を決めていました。

そうするうちに、2011年にまた倒れて、今度は反対側もダメになってしまったので、さすがに家でみることはできなくなり、老健(介護老人保健施設)に入りました。

そうしたら毎日見舞いに行っていた父親が鬱病になってしまった。

10年間ほどひとりで介護してきたわけですが、老々介護をしている人は4人に1人が鬱病になるという話も聞いたことがあります。

あるとき、私が帰省したら夜中2時頃にそば作ったりしている。どうしたのかなと思ったのですが、あくる日聞くと何も覚えていないんです。

どうやら認知と鬱を併発しているのかもしれないという話でした。

私はその前に会社退職しており、時間はありましたが、介護費用の知識など全然なかったんです。そこで、金銭的なことをいろいろ調べてみたら、いろいろな軽減制度とか補助制度があることを知って、ある程度楽になりました。

こうしたことを普通の人は知らないのではないかと思って、介護にかかわるお金のついてのファイナンシャルプランナーを始めようと思ったわけです。

知らないと不安になるし、慌てますよね

最初はバタバタバタするだけしかできませんが、落ち着いてくると、今度はいくらお金がかかるんだろう、親の年金だけで大丈夫かなと不安になります。

こういうことは、経験した人以外にはみんな知らないのではないかと思いました。

今、介護認定者は650万人ですが、当時はまだ500人万ほどくらいでした。

 

ということは経験者も少ないわけですね

つい先月、今度は軽い認知症でケアハウスに入っていた父親が脳梗塞で倒れました。そうですね。ですから、そういった知識を提供したいと思いました。

急性期の病院に入院し、今度はリハビリ病院行きます。ケアハウスはまだ契約しているので、お金も入院費とケアハウス代、ダブルでかかってきます。

今後はリハビリ病院に入って老健に入ることになるのでしょうけれども、こうしたことも、全部突然起こるんです。

朝方に意識をなくして病院に運ばれ、そのときはまだ、「大したことなかったんだね」と電話で話したら、「ああ全然大したことないよ、何か知らないけど入院しろって言われた」という答えだったのですが、1時間後に反対側がまた脳梗塞になって、もう話せなくなりました。

本当に何が起こるか分からないし、やはりバタバタするわけですよ。

何をどうするべきなのか、戻らないといけないのか、戻って何をすればいいいのか、どんな手続きをしないといけないのか。

それで一命を取りとめると、次お金が今度いくらかかるんだろうということになる。
分かっているつもりでも、今回もやはりバタバタになりました。

介護を入り口にワンストップでサービスを展開

河村さんが行っているサポートメニューを教えてください

介護者の皆さんに、介護費用の節約や捻出、制度についてお伝えする介護関連の相談業務が主ですが、今後はその枠を出て、サラリーマンで得た財務知識等や簿記講師のキャリア等を生かして中小企業支援等も行いたいと思っています。

知らない人はまったく知識ゼロで、自分が介護を経験していなければ分からないですよね。

セミナー後のアンケートで、「老健とか特養とか、専門用語で分かりません、初心者にも分かりやすく説明してください」と書いてきた人がいました。

昨今では皆さんにもある程度知識がある方も多いのですが、どうやって介護費用を捻出するかという観点から、認知症のご相談が多いので、民事信託には需要があると思っています。

認知症になってしまうと、お金の面でも介護が難しくなりますね

私も父が認知症になったので経験しましたが、銀行でお金を下ろせなくなりそうになって困りました。

少子高齢化で高齢者が増え、認知症は2025年で700万人に達すると言われています。

誰でも介護費用はまず親のお金から使いたい。それが使えないと全部自分のお金で出さないといけなくなります。

相続したら同じじゃないかと思われるかもしれませんが、それはずっと先の話ですから。

実際に、自宅を売って介護費を払いたいというご相談などもあります。

行政書士としてなら、そういった手続きの部分まで支援できるわけですね

そうです、行政書士ならそういった法律関係も取り扱えるので、資格をとりました。行政書士は仕事の幅が広いですから、相続、遺言、贈与に関してもできます。

社会的には、介護離職が問題になっていますが

育児の場合は育児休暇がありますし、子育て中なら「子どもが病気で熱を出して」と言えば「大丈夫?早く帰ったら」と許してもらえる雰囲気が職場にもありますが、「親が介護なんで会社休みます」というのは、実際にはなかなか言いづらい部分があると思います。

母親は昨年9月に亡くなったのですが、結局、介護が始まってから17年でした。

終わりがなくて、場合によっては10年も20年もかかるわけですから、何とも難しい問題だと思います。

有料老人ホームも安くなったとはいえ、都内だと最低月25~30万くらい、田舎でも月15~20万は必要です。厚生年金なら何とかなっても、国民年金だと全然足りません。

一気に何千万もかかるわけではなくても、5万とか10万という費用がずっと続いて、それがいつ終わるかわからないんですよね。

住宅ローンと違って、何年続くか分かりませんね

そうです、だからやはり大変だと思いますね。
私の場合などは、遠距離ですから交通費も正規料金であれば片道4万弱かかかって大変です。早割などを使って計画的に帰るようにしていますが。

辞めたら辞めたで大変ですよね

本当に自分で直接介護をすることになったら、もちろん大変ですが、本当は会社が嫌で介護を蓑にして辞める人もいるかもしれません。

そうゆう私自身、介護を理由に会社を辞めましたが、本当は私が直接介護するわけではなかったので、関係ありませんでしたからね。

介護で会社を辞めて、自由な時間もある程度取れるようになった人の中には、自分で商売を始めたいという人もおられ、初めて商売にチャレンジするのに何から始めたらいいか、飲食店だったら許認可が必要らしいとか、どんな書類が要るのかとか、そういった方々をサポートしていきたいです。

また、創業支援では、お金を借りたい方への事業計画書の作成など資金調達の仕方なども併せてサポートしていきたいとも思っています。

介護者の費用捻出から、会社を辞めて商売を始めたいという方の創業支援までできます。

介護を入り口に、そういったことまでワンストップでサポートできる

認知症などで重い介護になってしまったら、後が続かなくなる。軽い認知症などの介護であれば、まだ判断能力があるから生前贈与なども含めていろいろな提案ができる場合があります。

民事信託も提案できるし、お付き合いを続けていれば、亡くなったときには相続についてもできます。

ただ、認知症がひどくなって要介護5などになってしまうと、手の打ちようがなくなります。

介護を入り口に人間関係を構築して、のちのち相続までご相談にのりたいと思っています。

税金のことを知らないサラリーマンが多いのでは

お客様へのアドバイス事例を教えてください

介護保険は2015年に改正があり、補足給付の要件が厳しくなりました。

低所得者の場合、特養に入っていると補助が入ったのですが、配偶者が住民税課税者の場合にはそれがなくなり、基準額を払わなければならなくなりました。

突然5万くらい特養への支払費用が上がって余分に仕送りしないといけないので困るという方がいました。

その方は介護の得意な弁護士に相談したのですが、全然ダメだったそうです。FPだから具体的な税金の話はできないとお断りしたのですが、どうしてもと食い下がられまして。

税務上の控除の話なのですが、収入も課税所得もよく分からないということだったので、その辺を説明して理解していただき、感謝いただいたのが印象に残っていますね。

税金の知識がない会社勤めの人は多そうです

サラリーマンで確定申告をしていない場合は、税金の仕組みや用語が分からない方が多いですね。

もちろん勉強している人もいらっしゃいますが、
例えば、親が身体障害者手帳を持っていないから障害者控除はできないと思っている人も多いです。市区町村に申請し、一定の要件をクリアすれば「障害者控除対象者認定書」を交付してもらえるのですが、そんなことも知らない人が多い。

皆さん、制度を知らないし、サラリーマンだと税金のことをご存じない。配偶者控除とか扶養控除、医療費控除は知っていても、住民税の仕組みを知らなかったり。

ほかにはどんな相談が多いですか

今後は分かりませんが、今まででは後見人を付けると弁護士や司法書士などの専門職が選ばれる可能性があり、お金がかかって馬鹿らしいという人もいますね。

そこで民事信託の需要が高まっています。

親が認知症になると親名義の自宅という財産を売って介護資金にあてることができなくなります。

だからその前に信託を組むわけです。

委託者=受益者(自益信託という)を母親にして、受託者を子どもにして、お母様名義の所有権を子ども名義に移すわけです。

自益信託のため贈与税はかかりません。信託を組めば民法とは違う信託法の世界に入り、信託契約書にお母様が介護施設に入居した時に自宅を売ることを記載しておきます。

だから、元気で判断能力があるうちに信託契約を結ぶと、委託者兼受益者である親が、万が一認知症になった場合にも、受託者である子どもが自宅を売って介護費用にあてることが可能になるわけです。

そういうわけで、今、民事(家族)信託が非常に脚光を浴びています。

民事(家族)信託とはどのようなものでしょうか

認知症になったら財産が凍結されますが、親が委託者兼受託者、子どもが受託者になって、信託契約書に家を売却することを反映させておけば、子どもは売ることが可能になります。

もちろん元気な間はずっと住み続けることもできます。ただ処分権がこの子どもに移るだけです。これが一つ目の効用です。

また、遺言というのは次の代しか決めることができませんが、民事(家族)信託であれば二次まで、三次まで決められます。

さらに、所有権を移転すれば、通常だと贈与税がかかりますが、自益信託の場合には贈与税がかからないんですよ。

そういった特徴がありますので、認知症対策としては非常にいいのかなと思いますね。ただし認知症になってしまってからでは遅いので、あらかじめの対策です。

今までは任意後見、財産管理委任契約などのような契約しか対策しかなかったのですが、民事(家族)信託もひとつの選択肢だと思います。

最後に、お客様へのメッセージをどうぞ

介護や高齢者の親をもつ子世代に対する介護とお金の悩み、介護費用節約や捻出のご提案、相続、遺言まで、人生の最後までをワンストップサービスを提供しています。

介護離職を余儀なく選択された方や、フリーランスで働く方の創業支援、補助金活用などにも対応しています。

弁護士、司法書士、社会保険労務士、税理士等との連携もありますので、お気軽にご相談ください。

事務所名 カワムラ行政書士事務所
代表 河村修一
業務内容 起業・会社設立・顧問契約・営業許可等の申請・更新・小規模事業者向け補助金・民事信託(家族信託)・相続・遺言作成・ファイナンシャル・プランニング業務
お問い合わせ TEL:03-5941-9763 / FAX:03-5941-9762
※携帯:070-5026-6750
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取材日:2020年3月15日

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