外資企業で鍛えたビジネスセンスで資産運用コンサルを展開~アクセス税理士・不動産鑑定士事務所 植崎氏インタビュー

日本とシンガポール、マレーシアに事務所を構え、「不動産と相続」を中心とした資産運用コンサルティングを展開しているアクセス税理士・不動産鑑定士事務所。

代表の植崎紳矢氏は東京大学卒業後、米系投資銀行勤務、不動産事業を経て、相続を中心とした税金相談を受けるようになった。

最先端の分野でビジネスを学んだ植崎氏にお話を伺った。

アクセス税理士・不動産鑑定士事務所の代表「植崎紳矢」氏

植崎紳矢氏(東京都内のオフィスにて)

 

結果を出せば収入は上限はなし、でも仕事は超ハード

ご経歴を伺います、東京大学から外資系の証券会社に入られたのですね

東京大学経済学部を卒業し、ゴールドマン・サックス証券会社に入社しました。

自分がメインでやっていたのはデリバティブ(金融発生商品)の設計、開発という分野でした。

お客様のニーズに合わせて金利や為替を組み合わせた金融商品を組成し、お客様に販売していました。

1990年代頃、東大から外資系企業に入社する方が多かったのでしょうか

自分は1995年卒業でしたが、すでに外資金融の業界に進まれた先輩方はアグレッシブに仕事をしていました。

当時の外資系企業は、高収入な一方で翌年にはどうなっているかわからないというネガティブなイメージもあり、メジャーな就職先ではありませんでした。

本意な就職ではなかった?

当初はぜひ進みたい業界というわけではありませんでしたが、面接でお会いした皆さんがすごく生き生きして驚いたんです。

実力主義の中で自分の可能性を試してみたい、と思うようになり就職を決断しました。

ゴールドマン・サックスは外資系でも大変アグレッシブな企業という印象ですが

「やるなら頑張る、やらないなら去る」という、ある意味清々しい環境でした。顧客も周りのスタッフも一流、文句を言う暇なんてありません。

結果を出して、収入を得て、週末は楽しく過ごす、という生活です。

最初の職場がそういう環境だったことは、振り返っていかがですか

実力主義の世界を最初に見ることができたのは良かったと思っています。

「自分はどうしたいのか、どうなりたいのか」という目標を明確にし、そのために今何をするのか、そのプロセスを考えたり、無駄を省くためにできるかぎり計画を立てるという姿勢を学べたと思います。

お金も貯まり、自分で何かやりたいなと思って退職したのは、就職してから5年後でした。

その後は、不動産業の他、飲食店や語学学校への投資等、色々な事業や投融資を行ってきました。

シンガポール、マレーシアに法人を設立

日系銀行でも仕事をしていたのですか?

はい、会計士試験をパスしたのが30代だったのですが、その後の将来を考えたときに、ファイナンスという分野の実務をもう少し経験したいと思いました。

特に、以前取り組んでいたデリバティブズといった高度な金融ではなく、どちらかというと中小ビジネスの運営にそのまま直結する融資などの間接金融の分野です。

具体的にいうと?

業務内容はウェルスマネジメントという富裕層個人向けの融資がメインでした。上場企業の創業家ですとか、事業オーナー向けの融資などを行っていました。

レバレッジをかけた資産運用やリース資産を使用した節税対策など、クライアントにより様々な取り組みをされていて、とても勉強になりました。

証券会社と銀行とでは仕事は異なりますよね

はい、考え方がまったく違います。

極端な言い方かもしれませんが、証券会社ではアップサイドの可能性を探ることが多く、投資をどれだけ増やして回収できるか、という考え方です。

銀行ではどれだけダウンサイドを限定できるかを探ります。融資をどれだけ確実に回収できるか、という考え方です。

対照的な考え方ですが、どちらも正しい。資産運用の際にも、そのバランス感覚は大事と思います。

シンガポールでも会社を作りましたね

海外で子どもを育てたいという思いもあり、2013年頃に現地で会計事務所を設立しました。
現在は自分は日本をベースにしています。

シンガポールオフィスはパートナーのマレーシア人が現在運営をしています。
一昨年にマレーシアオフィスも開設しました。

ターゲットはシンガポールの富裕層ですか

多くは現地に進出した日系企業や、シンガポール法人などの外国法人を通じて海外投資を行う日本人顧客でして、そのようなクライアントに会計業務のサービスを提供しています。

日本の不動産に投資をするシンガポール人投資家の支援も行っています。

日本での相続サポート

アクセス税理士・不動産鑑定士事務所のコーポレートサイト

アクセス税理士・不動産鑑定士事務所のコーポレートサイト

 

今はどのような仕事が中心になっているのですか

クロスボーダーの仕事も引き続き対応していますが、相続関係の仕事が中心となります。

相続税の申告や、生前対策、不動産を中心とした資産運用の取り組みのご提案をしています。

相続の対策は複雑なイメージがありますが

そう思います、平成27年に税制改正が改正され、相続税の基礎控除額が引き下げられ、これにより相続が発生して納税が発生するケースが急増しました。

また2019年より約40年ぶりの相続法の改正が行われており、遺言制度が改正されたり、被相続人の介護や看病に貢献した親族の金銭請求が可能になるなどしています。

そもそも相続とは、相続税とはという税務的な話から、遺産をどう分けるかという法的な話まで多岐に渡る中で、相続というイベントを取り巻く枠組み自体が変化しています。

相続の個々の相続の税務や法律は調べることができますが、では自分はどうしたらいいのか、といった疑問に答えるには相続の全体を俯瞰できる能力が必須になります。
ここがとても難しい部分に思います。

やはり相続実務の経験が必須になると

はい、相続というイベントは通常であれば一生に数回程度しか経験しないものですから、一般の方がご自身の判断で最善の選択をできるのは困難なケースも多いです。

円滑、円満な相続を行うには専門家の支援は必要と思います。

どのような方にご相談して良いのか分からない方も多いと思いますが

専門家といってもその分野は様々です。
おそらく相続税が気になるのであれば税理士に、遺産分割や遺言などを懸念されるのであれば司法書士や弁護士に相談するのが良いと思います。

不動産や保険の専門家に相談されるのもありですが、どの分野でもやはり相続に力を入れている方にご相談されるのをおすすめします。

相続を気にかけている方がするべきことは?

理想は、「相続」について一家で話す機会を持ち、そこで家族皆の気持ちだったり、思いを伝えたり、聞いたりすることが大事と思います。

家族の関係が改善される可能性もあるはずです。

付け加えるならば、相続税の試算や遺言書の作成を検討いただくのがよろしいかと思います。いわゆる生前対策といわれる取り組みです。

相続税の試算は大変そうな気がしますが

税金の話ですので、相談先は税理士ということになるかと思います。

不動産、預金、証券といった財産のリストがあれば相続税の概算の試算はさほど難しくありません。

その結果により、生前にとるべき税務的な対策も「見える化」されると思います。

遺言書の作成は一生に一度

生前対策にはどのようなものがあるのでしょうか

一般的には贈与、生命保険の加入、収益不動産の取り組みなどです。

どのような対策をどの程度行うのかは、ご本人の意向も踏まえながら個々の案件ごとに異なると思います。

遺言書の作成も馴染みのない方も多い気がしますが

そうですね、遺言書の作成は一生に一度でしょうから(注:遺言書を書き換える場合は複数回の作成ともなります)、当然と思います(笑)。

ただ、先ほど申し上げた相続法の改正で、自筆証書遺言の方式が緩和されたり、法務局における保管制度が今後開始されるなど、手続きも簡素化されています。

個人的には公証役場で作成する公正証書遺言という形式をおすすめします。
専門家に相談されれば手続きはさほど難しくありません。

遺言書を作成することにより、例えばご自宅は配偶者、預金は子供に相続させるなど、ご自身の意思を反映させた遺産の分割が可能になります。

海外では遺言の作成はごく普通に行われています。相続が争族になるのを回避するためにも、作成をおすすめします。

相続と資産運用

資産運用のご提案というのは収益不動産などの投資でしょうか

不動産を中心とした資産運用のご提案をしています。短期的な投資ではなく、中長期で資産を殖やしていく取り組みです。

金額により、区分マンション、一棟アパート、一棟ビルなど、様々で、立地は比較的駅近の都心部が多いです。

中長期での投資になりますか

はい、不動産の売買は(仲介手数料、不動産取得税、登録免許税など)取引コストが高く、短期の売買ですと投資リターンは低くなってしまいます。

一方で不動産賃貸業の(家賃収入)利回りは有価証券の配当利回りや金利に比べて高い傾向にあり、収入のブレも少ないといえると思います。

結果として、不動産投資が中長期で安定したリターンを得やすいと言えると思います。

相続対策で収益不動産を購入する方も多いですが

多いと思います、そもそも相続対策で不動産を購入される理由は、相続税の計算において財産評価を下げるためですが、同時に収益不動産の保有は資産を殖やせる可能性があります。

相続対策として考えると、収益不動産の保有は二重のメリットがあると言えます。

中長期で運用すると投資としての効果もありそうですね

単純な計算ですが、毎年5%のリターンがあるとすると、10年間運用すると50%(5%×10年)財産を殖やすことができます。

実際にはより厳密な投資収益の計算が必要になりますが、中長期で運用した際の投資の効果は大きいと思います。

そして、この投資効果は、融資を利用することで高めることができます。
レバレッジ効果といわれるものです。

投資分析などは、相続をきっかけに見直しをしても良さそうですね

はい、投資収益の計算はぜひ行ってほしいと思います。

一家の財産となると金額が大きくなることも多いですし、ポートフォリオがどれだけきちんと運用されているかが分かるかと思います。

この分析をしてみると、遊休地や駐車場として利用されている土地など、資産運用の観点からは非効率な状態が分かったりします。

いろいろな提案の可能性がありそうですね

非効率な状態であれば、それをどう脱却できるのかをご説明します。

最終的な意思決定はクライアント側にありますが、例えば遊休地を売却して、都心部の収益不動産に資産を組み替える等、改善できる部分は多々あると思います。

今後の不動産の市況で気になる点は?

昨今のコロナウィルスの影響もあり、世の中は大きく変動する可能性があります。

不動産においても、テレワークなどの急速な普及により場所の概念が以前より薄れる可能性があるかもしれません。

職場に通う頻度が減り、職場に近い都心部に住み続ける必要もないのでは、という流れです。

社員の出勤の機会も減ることで、オフィススペースの需要も減少する可能性があり、この流れは、不動産の相場にも影響を与えると思います。

今後のビジネス展開について教えてください

税務のみならず、資産の管理や運用についてもアドバイスを必要としている顧客は多いと思います。

そのようなニーズに応えることで顧客満足度を高めるとともに、当事務所の競合他社との差別化も図っていきたいと考えています。

国際相続のご相談にも積極的に対応していく予定です。

社名 アクセス税理士・不動産鑑定士事務所
所在地 東京都中野区上高田1-31-6 東洋ビル7階
代表者 植崎 紳矢
ホームページ https://accessadvisors.tokyo/

取材日:2020年5月14日

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