今はチャンス!動かない変わらない企業は淘汰されるだろう~グローバル・リンク・マネジメント代表取締役社長 金大仲氏インタビュー

グローバル・リンク・マネジメント 東証一部上場時の写真

グローバル・リンク・マネジメント 東証一部上場時の写真

 

家業の手伝いで「商売」を知り、金融機関や不動産会社で学び、自ら起こした会社で上場を果たし、グローバルな展開を目指す。

業界トップシェアを狙うグローバル・リンク・マネジメントを率いる金大仲氏に話を聞いた。

父親の事業を立て直した苦労を知識に変えた

起業された経緯をお聞かせください

バブルがピークの頃、父が中華街にあった自宅で飲食店を始めましたが、素人でしたから、過剰な設備投資をして失敗しました。

私は当時中学生でしたが、中学・高校時代はその失敗が重くのしかかり、その環境を目の当たりにしたことで、すごく勉強になりました。

15年ほど続けましたが、当初20人くらいいたスタッフもいなくなり、自分と母、親戚など数人でお店を回さなくてはならず、非常に苦労しました。

大学卒業後は起業しようと考えて、ノンバンクで1年ほどファイナンスを学んでから家業に戻り、不動産事業や飲食の家業を盛り返して、28歳くらいまで家業を手伝って、何とか立て直しました。

しかし、「このままではこれ以上大きなビジネスはできない」と思って、不動産の会社に入って一から勉強しなおしました。

不動産業界で起業しようと決めていたのですか

ノンバンクに入ったのも不動産担保や貸付を学びたかったからでしたが、投資用の収益不動産に非常に興味がありました。

28歳である程度、家業を立て直した頃に、自宅用にマンションを購入したのですが、そのマンションデベロッパー企業は設立5年目で売り上げが100億円あり、上場も視野に入れていました。

そして社長が33歳だということを知って、自分は、5年後にそういう姿になれるだろうかとあらためて考えました。

食べてはいけるし、事業はそこそこ大きくなっているだろうけど、5年後に100億のモノを作って上場を考えるような立場にいるだろうか。

そこで、環境を変えて本格的に不動産業をやりたいと考え、30歳で家業から転職しました。

できれば収益不動産を取り扱う会社がいいと思い、不動産の開発を行うデベロッパーを探して1年間修業しました。

会社の経営は身近に感じていたのでしょうか

中高大と家業を手伝いながら、商売の仕組みというか、基本的なキャッシュフローや仕入れ、販売、毎週の売り上げや販管費といったものは母と一緒にチェックしていました。

若いうちに商売の感覚や大変さを知ることができ、多くのことを学びました。

多額の借り入れを行って失敗してしまうと大変なことになるということもわかりました。

父は方向性だけ決めるようなタイプだったので、銀行とのやりとりは自分が母をサポートしていたのですが、追加融資を断られるなど、資金繰りでは本当に苦労しました。

店を回しながらいろいろなことを試行錯誤しなければなりませんでした。

その苦労を知識に変えていったのですね

売上があがっていても、利益が残らなければ回収はできないという金融機関の視点というものを学びました。

いくら詳細な事業計画などを作っても、回収できるかできないか、銀行はそこしか見ません。

もちろん事業利益で返してもらうのが一番いいわけですが、担保はどうなっているか、不動産なのか、人なのか。

逆に担保になるものがあれば、金融機関はお金を貸してくれます。

どんな条件なら借りられるのか、どんな商品をどう扱うか、資金を借り入れて事業をどのくらい拡大できるか。

借りる側だけでなく、ノンバンクで貸す立場も経験しました。

高利で借りる企業の場合、いったん傾いてしまうと、事業収益から回収することは非常に難しく、貸し付けたときは喜ばれても、その後乗り越えていける企業は半分しかなく、半分の企業はさらに厳しくなっていくということもわかりました。

事業貸付をやっていると、会社の資金繰りや、資金回収に対する在庫還元数など、どうやっても立ち直れないビジネスモデルだとだめだということを実感しました。

いろいろなビジネスモデルを見る機会でもあったのですね

多くの事例を見て、1年ほどで辞めて家業に戻り、家業に活かしました。

不動産と金融の知識をもとに、実家がもっていた不動産をベースに増やしていきながら、安く買って売却するというところまでもっていきました。

不動産ビジネスとは?ビジネスモデルのスタートはどこから?

不動産ビジネスを手掛けるグローバル・リンク・マネジメント

不動産を購入する際の判断は何を基準に考えればいいのでしょうか

基本的には、今もそうですが、収益還元法ですね。
不動産は利回りであり、同じ物件はひとつとしてありません。
これだけの賃料が取れる、これだけの入居者がいる、というのはなぜか。

マクロの人口動態や開発などの都市政策が大きく関係しており、街が活性化されるから人が来る、人が集まるから経済が繁栄する、繁栄するからテナント賃料が上がるというシンプルなサイクルです。

それが継続されるエリアなのか、建物、街、業態など全体が発展し続けるか、ということを大前提として見ます。

当初はどのような物件からスタートしたのですか

私が扱ったのは、横浜中華街や都心の収益性の高い物件、中古物件などで、シンプルに安く買いました。

相続、また競売などの理由で売らなきゃいけない方、早く売りたい方を探します。

安く買えれば利回りが高いわけで、そうなれば保有し続けてもいいですし、売却しても売却益が出る。

つまり「出口がある物件」、キャピタルゲイン、インカムゲインの双方を得られる物件を増やしていくことがスタートです。

物件を見る目は、どのようにして養われたのでしょうか

最初は怖いですし、難しいですが、だんだん経験を積むうちに見えてきたものがありました。

今につながりますが、この場所にこのような建物を建てたら、こういう人が住んで収益があがり、価値が生まれる。

金融機関もついてきますし、個人・法人の投資家も国内外から集まってくる。

そのように、この場所で不動産を所有したらどうなるかという流れ、チャネルを見るのです。

これは、ひとつひとつ物件を媒介する経験を重ねることでだんだん分かってきたことです。

コロナでも変わらない、レジデンス(住居)物件の強さ

順調に業績を拡大しているグローバル・リンク・マネジメント

順調に業績を拡大していますね

じつは昨年からやろうと思っていた第1号ホテルが、今年5月に竣工したばかりなんです。

今年は商業テナントビルも建つし、来年にかけてもいくつか建つ予定でした。

海外でも地方でもなく、東京でラインナップを増やそうと考えていたのですが、そこへ今回の新型コロナ感染症拡大が起こり、投資家は慎重に様子を見るようになった。

ホテルはインバウンドが減って、泊まる人がいなくなったし、商業テナントビルも先行きが見えなくなった。

投資家が減り、場所も関係なく、作っても売れるか見通しが立たない、困った状況になりました。

想像もしていなかったような状況ですが、その裏にもうひとつ、「えっ、そうなのか!」と思うようなこともありました。

それはレジデンス(住居)で、じつはレジデンスの需要だけは、コロナ禍があってもまったく変わらないんです。

我々は東京に現在2千数百室ほどを管理しているのですが、緊急事態宣言後も、賃料を下げてください、猶予してくださいという声はまったくありませんでした。

住宅確保給付金を申請したいので書類を出してほしいという方が10件ほど、0.3%あっただけでした。

不動産業界、金融機関でも皆さん、再認識していると思います。

現時点での話ではありますが、不動産でいえばホテル、商業テナントビル、それからエリアによってはオフィスも不安がありますが、住宅だけは大丈夫だと考えています。

過去のリーマンショックなどでも切り抜けていますね

東日本大震災の際も東京の物件は被害がなく、事業的に大きな影響はありませんでした。

リーマンショックは金融機関ショックでもありましたから、金融機関の貸し剥がしによってキャッシュが回らず、支払いができない企業が黒字倒産する例が若干ありました。

市場に流通している物自体の価格が下がったり、賃料が下がったりということはほとんどなく、不動産の価値自体が下がったわけではありません。

一時的に価格が下がったのは、供給量がすごく増えたからです。

不良債権化されたものを回収しなければならず、売り物物件が一気に市場に出てきたために、1年間ほど需給のバランスが崩れて安かったわけです。

我々は東京でビジネスを展開する中で、ビジネスボリュームとしてはそれほど大きく抱えていたわけではなかったので、大規模な貸し剥がしもされずに乗り切ることができました。

貸し剥がしされても残った企業は、不動産の収益物件をそのまま保有していた企業です。

我々が扱っている投資用の物件は、入居者が見つかればインカムがありますので、数年間保有してから状況を見て売却する、というビジネスモデルを学習しました。

コロナによる経済ショックも乗り越えるための準備をしています。

会社の規模が大きくなり、企業理念も社会貢献へ向けてリニューアル

グローバル・リンク・マネジメント代表取締役社長 金大仲氏

最近、企業理念をリニューアルされたそうですね

我々も業界トップレベルのシェアを担うような規模まで成長することができました。

多くのステークホルダーがいますので、お客様や社会の環境のためになることをしていきたいと考え、少し表現を変えて「豊かな社会のため」と対象を大きくしました。

御社のメイン事業、企画・開発から手掛けている自社ブランドのマンション「アルテシモ」シリーズをご紹介ください。

都心の一等地、ブランド沿線、長期的に収益性の高いエリアに特化したブランドです。デザイン性に優れたマンションを提供しています。「アルテシモ」とは当社の造語です。芸術の「ART」に、最上級を表す「issimo」を付けたのです。

昨年600室くらい供給しました。東京では、年間8000戸のマンションが供給されていますが、おかげさまで、当社は一番ではないもののトップクラスです。

2022年には1000戸以上を供給し、2024年には国内ナンバー1を目指します。

アフターコロナとして、どのような展開をお考えでしょうか

コロナ以降もレジデンス中心で加速し、その流れでスタ―アジアグループとファンドを形成させていただきました。

アセットマネジメント事業にも参入し、今後3年間で約600億円、東京のアルテシモシリーズをファンド化していきたいと思っています。

コロナで加速することはあっても、揺らぐことはありません。

御社の働き方はコロナによって変わりましたか

2019年から在宅勤務でオンライン化を始めていました。

3月からリモート中心にしていまして、働き方は大きく変わったと思います。

今年はコロナのために4月、5月は出社禁止とし、どうしても来なければいけないチームは交代制にしていました。

最初はなかなか在宅ではできない仕事もありましたが、今は全社員が在宅勤務でも可能な状態になっており、意外にできてしまうのだなと思っています。

実務もオンラインでできることが分かり、しかも移動時間がないから効率的だということも分かりましたので、アフターコロナでもこの動きは加速していきたいと思っています。

コロナに寄せて、一番考えることはどのようなことでしょうか

当社の理念、「不動産を通じて豊かな社会を実現する」はコロナの時代でも変わりません。ウィズコロナ、アフターコロナに向けて、我々のビジネスはどのように転換するか、何が求められてくるかということを考えるのが、今一番楽しいです。動かない、変わらない企業は淘汰されることになると思います。積極的に前に進みたいと思います。

社名 株式会社グローバル・リンク・マネジメント
設立 2005年3月
代表取締役社長 金 大仲
所在地 東京都渋谷区道玄坂1-12-1 渋谷マークシティウェスト21F
事業内容 不動産ソリューション事業(投資用マンションの企画・開発・販売・マンション管理等)
ホームページ https://www.global-link-m.com/

取材日:2020年6月18日

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