時代の流れに適応した不動産投資~田丸ビル 代表取締役 田丸賢一氏インタビュー

時代の流れに適応した不動産投資~田丸ビル 代表取締役 田丸賢一氏インタビュー

時代の流れに乗った投資を

田丸さんのご経歴を教えてください。

東京都新宿区出身です。祖父の代に東京都杉並区で建設業を営み、その後、不動産業を始め、50年以上に渡り不動産の仲介管理・私で3代目になります。

大学を卒業後、製薬会社でしばらく働いておりましたが、10年前に「田丸ビル」の役員に就任し、専念するようになりました。

現在は代表取締役に就任し、所有している不動産の賃貸管理・運営を中心に業務展開しています。

現在、どのくらい不動産物件を所有しておられるのですか。稼働状況はいかがでしょうか

杉並区を中心に、ビル3棟、マンション1棟、アパート1棟、区分所有マンション約20戸です。

ビルにはオフィスと店舗が入居しております。

また住居物件も、日本人以外の外国人留学生なども受け入れておりますが、ほぼ満室稼働です。

やはり立地が一番でしょう。創業時より一貫していることですが、無理に物件を広げることなく、ビル経営では管理しやすいよう、荻窪エリア内に限定しております。

不動産投資についてお聞かせください。投資に興味を持ったきっかけは何でしょうか。

投資については、小さなころから身近に感じていました。祖父や母親が株式投資をしていたことで、優待券を利用してレストランに行ったり、金額を計算してみて「利回り」や「投資」の概念を高校生の頃に理解したように思います。

今は、株式投資と不動産投資の両方をやっています。
車の両輪のような感じでしょうか。

不動産については、家業ということもあり、大学生の時に宅地建物取引主任者の資格を取りました。

また、新宿区出身ですが、西新宿の高層ビル群が現在ほど出来上がっていなかった時のまちの様子も覚えています。

小学校の屋上から良く見えたのですが、1年生の頃には高層ビルの間から富士山がはっきりと見えていた西新宿のところに、6年生になり卒業する時には都庁をはじめ超高層ビル群がすっかり出来上がり、富士山が見えなくなっていました。投資とは別ですが、不動産は身近に感じていましたね。

どのように不動産投資を始めたのでしょうか。

初めての不動産投資をしたのは、2009(平成21)年頃でした。競売で区分所有マンションを購入したのです。

渋谷区の15㎡のワンルームを490万円で購入しました。ちょうど底値の時期でしたね。現在は900万円になっています。

このワンルームを、管理費込み5万8,000円で賃貸しました。

サブリースなしで修繕費等の維持管理費や税金を計算すると、元が取れるまで9年もかかりませんでしたし、実質利回りを計算すると約11.8%です。

「買うべきとき」を逃すべからず

ボトム(底値)で物件を買われたのはすごいですね。売却して最も収益を上げた物件はどのような物件でしょうか。

5,000万円で購入した土地が2億4,500万円で売却できました。評価金額は1億円だったのですが、土地の個性に着目し、急がず粘り強く持っていたところ、あるミュージシャンが「どうしても欲しい」と、その値段をつけてきたのです。

騒音の多い大通りの交差点に近い土地で、地下室で楽器演奏を行っても近所迷惑にはならない立地でしたので、ピンポイントで「その土地が欲しい」と。

不動産の売買で重要なポイントは何でしょうか。

不動産では、ボトムではなくとも「買うべき時」というものがあります。

同じ立地、同じ条件の不動産はありません。たとえば、投資用不動産を購入予定で、立地がよく、念入りにチェックしていたエリアに掘出し物が出たら、お金に余裕があるなら、即、購入すべきです。

そのタイミングで他の投資家に先を越されたら、二度と手に入らないでしょう。理想は「底値で買って高値で売る」ことかもしれませんが、タイミングも重要ですので、割安であれば必ずしも底値にこだわる必要はないと思います。

不動産投資と株式投資の両方で成果をあげられているとのことですが、両者の違いは何でしょうか。

同じ投資でも、不動産投資は株式投資とは違い、ゼロになることはありません。

株式であれば紙切れ同然になってしまうこともあるでしょうし、実際に経営破たんした企業の株式の価値はほぼゼロ円です。

ですが、不動産の価値は、ゼロになる可能性はほとんどありません。リターンとリスクの違いもあります。

一般的には株式投資はハイリスク・ハイリターン、不動産投資はミドルリスク・ミドルリターンと言われ、知識や経験、運用方法、スキルによっても変動しますが、両者のリスクとリターンが同じにはならないです。

株式投資は市場参加者数と流動性の点で、リーマンショックのような不況時なら1日から数日間で直接的に大きな影響を受け、信用取引等の制度も絡むといった個別銘柄以外の要素も多く、構造が複雑だと思います。

一方、不動産投資には、株式投資よりも物件自体の個性が強いです。そこをうまく見きわめれば良いと思います。

株式投資が所有と経営の分離で、投資家が経営を経営者に委任するのであれば、不動産投資は立派な事業ですので投資家自身の経営スキルが必要なのではないでしょうか。

これからの不動産投資では、どんなことに注意すべきですか。

価格が安い物件の中には、とくにマンションでは旧耐震基準の物件もありますから要注意です。

区分所有者の場合、耐震改修工事や建替をしたいと思っても管理組合の総会決議で一定数以上の賛成がなければできません。単に耐震診断をすることさえ、反対者が多ければ実行に移すのは難しいでしょう。

融資を利用する場合はフルローンも避けるべきです。銀行の融資改ざん問題にも見られるように、周りの意見をすべて鵜呑みにするのではなく、投資家自身が勉強して知識と経験を磨いて行うのが本来の不動産投資のあり方かと思います。

時期を問わず再投資の考え方も重要です。良く見かけるケースですが、不動産投資をしてお金に少し余裕ができたため、海外旅行に行ったり、高級車等の贅沢品を購入したりした結果、いざ大規模修繕や立ち退き費用等が必要なときにお金を捻出できない場合があります。

投資で一度成功したら、その資金を浪費せずに節約して貯めて、資金に充てる再投資を繰り返していけば、前述の費用も捻出できるように投資が軌道に乗ります。

あとは出口戦略を忘れずに。どんなにリノベーションをしても躯体全体の老朽化には対処できないのではないでしょうか?

なるほど。割安物件は要注意ですね。

また、投資に回せる資金があったとしても、価格の推移を見て、相場が割高で購入を控えるべき時期には、キャッシュのままで寝かせておくことも戦略のひとつです。

ここ最近、2015年くらいからは不動産は購入していませんでした。

高値掴みをしないことは簡単なようでプロの業者も含めて多くの方が出来ていないことです。景気は常に変動するということを忘れないようにして、現在だけを見ずに過去を考察し、将来も見据えて投資の意思決定をすれば高値掴みは防げるでしょう。

そろそろ、買いの時期になってきた

今後の相場はどう動くと思われますか。

そろそろ「買い」の時期になってきたと見ています。徐々に、値下げ可物件や掘り出し物といえる物件が出はじめました。

不正融資の問題を発端として、各銀行が融資の引締めをした結果、借入が厳しくなった中小中堅企業は在庫をさばかないといけないので、そういう物件が安く出されたりもしてきています。

同様に個人の不動産投資家の融資の審査が下りなくなった結果、高値でも買い支えていた投資家層の購入が減り、高すぎる価格では売れなくなり値下げをし始めたのではないかと思います。

条件が合う物件が出たら、すぐに動きます。

「投資」に躊躇している方も多いと思います。何かメッセージを。

お金は循環するものです。投資のリスクを認識し、自己責任というルールを守れる限りにおいては余力次第ですが、寄付や投資はどんどんすればよいと思います。

ただ、「投資」と「投機」とは違います。私は信用取引や先物、仮装通貨には手を出しません。一攫千金を狙う投機ではなく、「論理的思考」を駆使し、中でも経済合理性を意識して、たとえばなぜ利回りがよいのか、しっかりと見きわめてから投資はすべきです。根拠のない利回りには手を出すべきではないと思っています。

自分の子どもにも、そんなフィナンシャル・リテラシーを身につけてほしいと考え、妻の了解を得て「お金の教育」をしています。

ゲーム感覚ですが、少し大きくなったら実際に運用もさせるつもりです。ゲーム感覚なのでリスクは実際に負わないものにするか親が負うようにしますが、失敗の原因と成功するための策を、根拠をもって考えてもらい、「本番の投資はリスクがあり、自己責任である」という認識をしてもらいます。

投資せずに貯金をしたとしても、それは浪費(マイナス)を減らす(マイナス)意味で「節約」という運用といえます。

マイナスのマイナスはプラスになります。投資で成功をしても浪費が激しければ、再投資が出来ずに、投資が長続きはしませんので「節約」も投資をする上では重要です。家族で一緒にすることにより投資が身近なものと感じられるかもしれません。

今後も、先を見すえて「時代の流れに適応していく」という方針を守りながら、情勢を見きわめて投資を続けていきます。

東京都杉並区の第五田丸ビル※東京都杉並区の第五田丸ビル

社名 株式会社田丸ビル
所在地 東京都杉並区南荻窪4-36-4 第三田丸ビル
代表 代表取締役 田丸賢一氏
創立 1968年2月21日
業務内容: 不動産業(不動産売買・賃貸・仲介・斡旋及び管理)、戸建て住宅・マンション・集合住宅の増改築、リフォーム、マンション管理業、損害保険の代理業務、建築材料一切の販売、建築の請負、不動産コンサルティング、FP業務
好きな投資家 ウォーレン・バフェット
趣味 筋トレ
保有資格 マンション管理士/AFP認定者/競売不動産取扱主任者/任意売却取扱主任者/管理業務主任者/賃貸不動産経営管理士/不動産コンサルティングマスター(公益財団法人不動産流通推進センター認定)/2級建築施工管理技士(仕上げ)/既存住宅アドバイザー(首都圏既存住宅流通推進協議会)/他
会社HP https://www.tamaru-bldg.co.jp

取材日:2019年7月26日

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