年商11億のギガオーナーが語る「税務署との戦い方」~とりやま財産経営 鳥山昌則氏インタビュー

自ら160億円の不動産を管理・運営し、年11億円の収入をあげる鳥山昌則氏は、税務調査の対応に強い「闘う税理士」として知られる存在だ。

不動産賃貸業では難しいと言われている「消費税の還付」でも300件ほどの実績を持ち、専門的で具体的なアドバイスが得られると、不動産賃貸業を営む個人や法人から頼りにされている。

現在、税理士法人とりやま財産経営の代表社員である鳥山氏に、税理士を志した理由、不動産賃貸はなぜ儲かるか、この業界や、この収入であれば税務署は狙ってくるという税金にかかわる秘話を伺った。

とりやま財産経営 鳥山昌則氏※著書『税務署との交渉術』と

たどり着いた儲かる商売は、「不動産賃貸」だった

鳥山さんのご経歴を教えてください。

実家は恐竜博物館のある福井県勝山市です。
高校は商業科、短大は経営学科に進学しました。

税理士を志したのは、経営者と親しくでき、儲かる商売を見つけられるかもしれないという、やや不純な動機でした(笑)。

20歳の時に、東京・水道橋のお蕎麦屋さんで住み込みのアルバイトをしながら、すぐ近くにあった会計の専門学校に通いながら、税理士の合格を目指しました。

勉強もはかどり、短時間に集中してスピード感をもって学習し、22歳の時に難関の税理士資格を獲得しました。この時のハングリー精神は今でも役に立っています。

当時、田舎で一旗揚げたいという気持ちがありました。親の構想では、農業は兄が、今のコンビニのような実家のよろずや商売は私が継ぐことになっていたようです。

しかし、東京で今の女房に会いまして、相性も良く結婚して福井県に帰ることはありませんでした。

それから会計の専門学校の講師、三軒茶屋の会計事務所での修行、某アパレル会社での経理部長を経て、鳥山会計事務所として独立し、今は税理士法人とりやま財産経営の代表社員を務めています。

ちなみに福井県というのは、日本で一番経営者を輩出している都道府県なんです。

「儲かる商売」は見つかりましたか。

儲かる商売とはなんぞや、と思いながら仕事を続けてきてたどり着いたのは、不動産業でした。中でも、自分で不動産を所有して不動産賃貸業を行うのが一番良いビジネスです。

一方で、税理士業界は厳しくなっています。

起業する人も減っていますし、中小零細企業が廃業していくのと、税理士は増えているのです。

建設業界の景気が良かったバブル時代は、一人親方も節税のために法人成をし、よく飲みに行っていましたが、建設工事がパタリと途絶えると、飲みに行けなくなり、飲み屋も廃業しました。

もっとも不動産賃貸業の顧問先に特化するなどやり方次第ですが。

その反面、不動産賃貸では収益を上げることができています。私の不動産賃貸での収入は11億円、不動産投資160億円で、「ギガオーナー」と言われています。

なぜ私がギカオーナーになれたか。

かりに30年たっているRCビルを例にとると、通常20年ほどしか貸してくれません。そこで返済スパンを長くしてもらいます。

ある信用金庫では、経済的耐用年数ということで、40年まで伸ばしてくれるところがあるのです。そうすると、楽に返済できて相続税対策にもなります。

今、サラリーマン大家も増えています。駅近の物件を購入する方向性は間違っていまませんが、家賃利回りを考えたほうがいいです。

この不動産賃貸業は安定収入にもなり、将来の安心につながります。今、私は不動産賃貸と会計事務所の両輪の仕事をしています。

ギガオーナーの節税アドバイスには、説得力がありますね。

私は不動産税務、消費税還付のプロです。不動産賃貸業の消費税還付は300件ほど手がけています。

私の場合、個人でも法人でもできる消費税還付だからニーズがあるのです。不動産は好きで自分が投資していますから、節税対策提案や税務調査の対応に強いのです。

ちなみに、管理仲介などをする不動産グループ会社も5社保有しています。とくに不動産分野では、一般の税理士とはアドバイスの質が異なります。

ちなみに私の息子も30歳になり、税理士法人鳥山会計を運営しています。

税務署はブームが終わってからやってくる

税務署に目を付けられないようにするには、どうしたらいいですか。

たとえば建設業で、1,500万円の収入がある一人親方の場合、1,000万円を超える収入があると消費税を払う義務がありますから、意図的に600万円を無申告にして、900万円の収入と申告するケースがあります。

税務署は元々、800万円以上の個人事業主を狙う傾向にあります。

理由は単に収入が多いと、脱税しやすい環境にあることや、今申し上げたように無申告している金額があるのではと疑うからです。

法人成している場合、1,000万円の売上ではほとんど来ません。次に狙うラインは、1億円でしょう。

ちなみに、この一人親方の場合、無申告加算税・住民税・延滞税などを含めて、脱税の時効は7年ですから、7年にさかのぼって追徴されます。

このケースですと、2,000万円ほど追徴金を支払うことになります。

最初、税務署は3年調査すると言ってきますが、悪質な脱税と判断すると、必ず7年さかのぼって調査するということを覚えておいた方がいいです。

脱税は重加算税・延滞税・経費にならないという三重の制裁を受けますが、「悪銭身に付かず」ですから、払えないということになります。

ただ、私が担当すれば、500万円くらいは軽減できます。

建設業はオリンピックが終わると、事実上の建設ブームが終わり、建設投資額も減少に向かうと見込まれています。

税務署は、そのようにブームが終わった後に来ます。いくら「ブームが終わったからお金はありません」と泣きついても、税務署は税金を負けてくれませんから、大変なことになります。

消費税については、これから本格的に狙ってきます。

1,000万円越えの売上高ですと10%になると、もらった消費税から支払った消費税の残りを税金として支払うことになりますから、重い税金になります。

税抜き本体と消費税をそれぞれしっかりと計上して消費税の納税額は貯金しておく習慣をつけるべきでしょうね。

この業界は要注意!

税務署が狙ってくる業界はありますか。

一番狙われる業界といえば、今申し上げた建設業ですね。はっきりいって業界全体がどんぶり勘定ですから、追徴しやすいのです。

個人の不動産賃貸業では、接待交際費を多く計上していると狙われやすいです。

税務署の考えでは、不動産賃貸業は接待交際費をそれほど必要としないはずだというのです。そのため、接待交際費が多額だと、個人の家の支出も経費にしていると疑われ、税務調査の対象になりやすいと言えます。

接待交際費についてはきちんと仕分けして、その他の経費など適正な科目に振り分けたほうがいいでしょう。

狙われやすい売上高ベースは?

法人は売上高1億円あたりから狙われやすい。一人親方で1,000万円超えの個人事業主と、法人成りして1億円の売上を超える法人のどちらが税務調査に入られやすいか。

それは、個人事業主です。法人で売上高1,000万円ですと、ひょっとしたら生涯税務調査に入られないかもしれません。

個人事業主が経費を上乗せし、所得を減らして申告するケースはよくあると思いますが、そのやり方の限界はありますか。

個人事業主でも所得が少なすぎると税務調査に入るケースがあります。

たとえば収入が800万円で、経費その他を引いて最終的な所得を100万円にすると、税務署としては、「税務署を甘く見ているな」と受け止める場合があります。

実際、年収100万円では生活できませんから、税務署も時として懲戒的に税務調査を行います。

たとえば収入が800万円ですと、所得360万円は欲しいところです。そのあたりですと、税務調査はなりにくいと思います。

最後に鳥山さんのモットーを教えてください。

最近になって、税理士とは、命の次に大事なお金のドクターであるということが分かってきました。

ギリギリの節税をすれば税務署とツバぜりあいをすることになります。

結果的にグレーを白にすることができれば、本領発揮です。税務署と折り合いをつけるためには、「知識」「経験」、そして「度胸」が必要です。

これからもお金のドクターとして、お客様の大事なお金を守るために闘う税理士として邁進していきます。

税理士法人とりやま財産経営 税理士法人鳥山会計の池袋オフィス※池袋オフィス外観

社名 税理士法人とりやま財産経営 税理士法人鳥山会計
所在地 東京都豊島区池袋2-65-6 慶愛鳥山ビル1F
代表者 鳥山 昌則
創立 2013年11月1日
従業員数 95名
顧問先数 2,500件
業務内容 財務計算業務 経営分析・診断・コンサルティング業務 法人税と所得税の税務申告と税務代理業務 消費税還付 事業継承・相続対策業務 相続税申告 商業登記業務 社会保険労働保険業務 建設業、古物商、宅建業、風俗営業等許可申請代行 その他付随業務 保険活用による危機管理業務 財務運用プランの提案・助言 経理事務員の教育他
会社HP https://www.toriyama-ac.com/

取材日:2019年7月29日

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