押し貸しとは闇金の罠！無視でOK？対応策について
自分の銀行口座に心当たりがない入金があったらどうしますか？
ラッキーと思ってさっそく使うという人もいるかもしれませんが、もしかしたらそのお金は闇金からの押し貸しかもしれません。
闇金の罠である「押し貸し」とはどのようなやり方なのか、万が一押し貸しにあってしまった場合の対応などをご紹介します。
押し貸しとは？
押し貸しは、銀行口座に勝手にお金を入金して、後から高い利息とともに返済を要求してくる悪質業者の手口のこと。
知らない間に勝手にお金を振り込んで返済を求められることもあれば、借りる意思がないにも関わらず「お金を振り込みます」と連絡が来て、やはり勝手にお金を振り込まれて無理やり貸付が行われてしまうのです。
借りたくもないお金が勝手に振り込まれるのもタチが悪いですが、個人情報を握られているのもとても気持ち悪いことです。
押し貸しの手口
ある日突然、自分の銀行口座に勝手にお金が振り込まれます。
心当たりがないんだけど・・・と思っていると、数日後「この間貸した30,000円と利息の返済が遅れてるんですけど、どうなってます？」と闇金から連絡がくるのです。
お金を借りる手続きはしていないので、心当たりがないと言うと、「30,000円振り込んであったでしょ？利息を返済してくれないと家族や職場に取り立てに行くことになりますよ」と脅してきます。
30,000円を全額返済するから返済先を教えて欲しいと言っても返済させてもらうことはできません。
なぜなら、相手は利息と称して継続してお金を払わせることを目的としているから。
元金を全額返済されてしまうと利息を取ることができなくなってしまうことから、返済させないようにするのです。
押し貸しで振り込まれる金額はいくらぐらい？
振り込まれる金額は、1万円程度の少額から数十万円になることもあります。
相手の懐具合を考えて返済可能なギリギリの金額を狙って勝手に貸し付けてくるのです。
押し貸しの被害にあってしまうケースとは？
闇金も、むやみやたらに知らない人の口座にお金を振り込んでいるわけではありません。確実に返済してくると思われる立場が弱い人を狙って押し貸しを行なっているのです。
押し貸しの被害にあう人は、何らかのきっかけがあって闇金に個人情報や口座番号が知られていることになります。
では、一体どこから自分の情報が漏れているのでしょうか。
闇金を利用したことがあり個人情報を知られている
闇金を1度でも利用したことがある人は個人情報を握られていることになります。
押し貸し被害にあいやすいのはこういった人たちです。
闇金からお金を借りてしまう人は、大手消費者金融などからは借りることができないくらい信用能力が低いケースがほとんどです。
闇金はこういった困っている人を狙って押し貸しを行ない、さらに利息を要求してきます。
闇金と知らずにお金を借りてしまったとしても、お金を借りるということについての知識をあまり持っていないということになるので、「無理やり貸し付ければ利息をつけて返済してくるだろう」と思われてしまいます。
給料ファクタリングなどを利用したことがある
給料ファクタリングは、給料を債権として買い取ってもらうことで給料日前に現金を手にすることができる方法です。
この給料ファクタリングについても賛否ありますが、仕組みそのものは必ずしも違法とは言えません。
問題となっているのは給料ファクタリングと称して貸付を行なっている業者が違法業者であるケースが多いということ。
闇金が資金を集めるために給料ファクタリングと称してお金を貸して、法外な利息を要求していることが非常に多いため、金融庁も注意喚起を行なっているのです。
＜ご参考＞金融庁「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください！」
給料ファクタリング業者は違法業者であったり闇金であることがほとんどなので、利用してしまうと個人情報を悪用される可能性も高いのです。
悪質な訪問販売、フィッシング詐欺などにあったことがある
しつこい訪問販売やネットのフィッシング詐欺など、悪質業者の手口にあったことがある人も個人情報を知られている可能性が高いので、押し貸し被害にあうことがあります。
闇金から実際にお金を借りたことがなくても、あらゆる手段でしつこく押し貸しを行おうとしてくるのが怖いところです。
押し貸し被害の解決方法【やってはいけないこと】
万が一、押し貸しにあってしまった場合、振り込まれたお金はどうすればいいのでしょうか。
押し貸し被害にあってしまった時に、やってはいけないことを確認しておきましょう。
「放置（無視）しておいて良い」はウソ
ネットの情報では「押し貸しで振り込まれたお金は返済する必要がないから無視して良い」と言われることもあるのですが、放置はおすすめしません。
なぜなら、押し貸しにあったということは既に個人情報を握られていて詐欺被害にあっていることになるので、連絡を無視して元金すら返済しないとなると返済を要求されるだけでなく嫌がらせがエスカレートする可能性があるから。
相手は悪質なやり口で暴利を稼いでいる闇金です。放っておくだけで解決するような生易しいことではないのです。
お金は絶対に使わないで！
闇金が勝手に振り込んできたお金だからといって、使い込むのもいけません。
登録業者・無登録業者に関わらず、年109.5％を超える利息の貸付契約は無効になります。
押し貸しは契約すらしていない勝手な貸付なので返済義務はないのですが、相手は闇金なのでそんな理屈が通ることはありません。
お金を使ってしまうとさらに事態はややこしいことになってしまい、嫌がらせを受けることもあります。お金には絶対に手をつけないようにしてください。
また、振り込まれてきたお金は押し貸しではなく、誰かが本当に間違えて振り込んだ可能性もあります。
この場合、お金を使い込んでしまうと刑法254条の「遺失物横領罪」に該当してしまうこともあるんです。
▼刑法254条 遺失物等横領
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
引用：e-Gov：https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=140AC0000000045
押し貸しで振り込まれたお金には決して手をつけないでください。
闇金には連絡しないで
「もしかしたら、あの闇金からの押し貸しかもしれない・・・」と心当たりがある場合でも、こちらから闇金に連絡して確認するのはやめておきましょう。
また、闇金から「金を返せ！」と言われても応じてはいけません。
闇金には、こちらの理屈は一切通じません。
1度でも返済してしまうと相手の思うツボで、なんだかんだと理由をつけてさらに返済を要求されてしまい、要求を無視すると嫌がらせをされてしまいます。
押し貸し被害にあった時には、無理にお金を返そうとはせずに一刻も早く関係を断ち切るための行動を取ることが最も重要なのです。
返済しないで
押し貸しされたお金は使ってはいけませんが、無理に返済しようとするのも良くありません。
なぜなら、闇金から「○○銀行の○○口座に振り込んで返済して」と言われてその口座に入金してしまうと、それが新たな押し貸し被害を生んでいることがあるから。
闇金から言われた口座に返済しただけなのに、あなたが別の人の口座に押し貸しをした加害者になってしまうことがあるんです。
振り込まれた相手が警察や弁護士に相談をしたら、真っ先にあなたが疑われることになってしまいますので闇金の言うことを信用してはいけません。
押し貸し被害の解決方法【速やかにやるべきこと】
闇金に連絡を無視するのもダメ、返済してもダメとなると八方塞がりのように思えますが、自分ひとりだけでなんとかしようとするのは実際とても難しいことなのです。
押し貸し被害にあってしまった場合にやるべきことを順番に見ていきましょう。
まずは銀行に確認を
全く身に覚えのない入金の場合、もしかしたら誰かが間違って入金をしてしまった可能性もあります。
知らない人からお金が振り込まれていると誰しも不安に感じるものですが、まずは落ち着いて銀行に確認してください。
間違いだということがわかったら、相手に返金するための組戻の手続きを行うことになります。
組戻には手数料が発生しますが、この場合は相手側が負担することになります。
各相談窓口に相談する
金融庁「ヤミ金融対策法のポイント（PDF）」によると、違法業者被害についての相談先は、
となっています。
また、取り立ての脅し、高金利貸付けの被害は、各都道府県警察本部の警察総合相談などの窓口に相談するようにとされています。
押し貸しかどうかわからないけど不安だから相談をしたい場合などは、これらの窓口に相談してみるのも良いでしょう。
ただこれらは相談の受付は行なっていても闇金に直接連絡をして悪質な手口をやめるように警告するなどの対応は期待できません。
弁護士・司法書士へ相談しましょう
個人情報を握られてしまい押し貸し被害にあっている本人が闇金に交渉するのは非常に困難ですし、無理をすると嫌がらせがひどくなるリスクも考えられます。
取り立てをやめてもらいたい、振り込まれたお金だけ返済して闇金との関係を一切断ち切りたいなどの具体的な対応を希望している場合は、弁護士・司法書士に相談するのが確実な手段です。
闇金対応に強い弁護士は、被害者の直接の代理人として闇金と交渉を行なってくれます。
早ければ相談をしたその日のうちにトラブルが解決することも実際にありますので、困っている場合は弁護士・司法書士への相談を強くおすすめします。
⇒闇金問題を専門家に相談して嫌がらせストップ！費用・流れ・必要書類
警察に相談した方が良い？
押し貸し被害にあっていることを警察に相談することもできますが、相談をしても詳しく調査をしてくれることはないと思います。
なぜなら、押し貸し被害にあっても自分の銀行口座に相手の口座番号が表示されることはありませんし、振込名義は偽名を使うことができるため相手を闇金と断定することがとても難しいから。
闇金から取り立てをされている様子の録音などがあれば動いてもらうことはできますが、押し貸し被害にあっていることを証明するのは難しいため警察の働きで具体的な解決に至ることはあまり期待できません。
ただし、脅されるような取り立てにあっている場合や身に危険を感じるとき、緊急事態には迷うことなく110番通報をしてくださいね。
押し貸しにあった口座は解約する
押し貸しにあってしまった口座は解約することを検討してください。
押し貸しにあったということは、闇金は口座番号や名義人名などの個人情報を握っていることになりますので、そのまま使い続けていると再度押し貸し被害にあうこともあります。
また、別の闇金に口座情報が流れてしまい、別の被害にあう可能性もあります。
普段使っている口座を解約するのは手間もかかって大変かもしれませんが、被害拡大を防ぐためにも解約をするようにしましょう。
携帯番号を変更する
携帯電話番号を変えることもとても大変なことですが、闇金に握られている情報はできるだけ変更すべきです。
携帯番号をそのままにしていると、電話やSMSで闇金から何度も融資の案内が来ることになりますし、やはり個人情報が別の闇金や悪質業者に売られてしまっていることも考えられます。
闇金としっかり縁を切るためにも、変更できるもの（口座番号、電話番号、メールアドレスなど）は全て変更してしまいましょう。
押し貸しで振り込まれたお金はどうすれば良いの？
振り込まれたお金は返済できればスッキリしますが、返済先口座がわからないケースも多いことでしょう。
弁護士に相談をすれば「供託」という方法で返済する方法を教えてもらえますので、やはり専門家への相談するのが安心です。
どのような場合でも自分の判断で勝手に使ってしまうことだけは避けてください。
押し貸しの解決方法は弁護士・司法書士に相談するのが確実（まとめ）
自分の銀行に勝手にお金が振り込まれていたらとても焦ると思いますが、まずは落ち着いて銀行に確認しましょう。
銀行で確認してもわからない場合は、押し貸しの可能性があります。
押し貸し目的で振り込んできた場合は、闇金から必ず取り立ての連絡があります。
「利息だけでも払ってくれたらこれで終わりする」などと言われるかもしれませんが、絶対にお金を払ってはいけません。
闇金は勝手にお金を振り込んできて法外な利息を要求するくらいタチが悪い集団なので、自分で交渉しても良い結果にはならないでしょう。
被害を最小限で食い止めるためにも、闇金対応に強い弁護士・司法書士に相談して自分の代理人として対応してもらうことを強くおすすめします。
闇金問題を相談できる窓口はいくつかありますが、最もスピーディに解決できる方法は間違いなく闇金に強い弁護士・司法書士に相談をすることです。
自分と家族を守るためにも自分から闇金に連絡するような危険なことはせず、専門家に任せるようにしてください。
「債務整理」と「闇金対応」が得意なおすすめの専門家をご案内していますで、以下のボタンからランキングをご覧ください（※すべて全国対応）。
この記事の監修者
この記事の監修者は、株式会社タンタカの代表取締役「丹野貴浩（⇒プロフィールはこちら）」で、簿記1級の資格を持ち、10年以上、クレジットカードやローンなど金融系のWEBメディアを運営・管理している実績があります。
