債務整理すると結婚できない?影響は?ローンは組める?

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「結婚することになったから、借金をなんとかしたい」と、結婚直前に債務整理を検討する人も多いのですが、「債務整理をしたら結婚できなくなるのでは・・・」と逆に躊躇してしまう人もいます。

実際に債務整理すると結婚はできないのでしょうか?ローンに影響はあるのでしょうか?また、結婚後と結婚前なら、どちらに債務整理をするのが良いのでしょうか?


もくじ

債務整理すると結婚できないの?

債務整理と結婚には、法律上なんの関係もありませんので、「債務整理をしたら結婚できなくなる」というのは完全に嘘情報になります。

極端な話ですが、自己破産の申立てを行なって免責許可が裁判所からおりた日に役所に行って婚姻届を出すことも可能なのです。

もちろん自己破産したことを役所の人に知られることもありません。

法律上は、債務整理と結婚に関係性は全くありません。

ただし、相手との関係性が恋人から配偶者に変わり世帯が一緒になることで、債務整理をすること(したこと)が日常生活に影響してくることはあります。

結婚前に債務整理の相談をするケースは多い!

結婚は自分の生活も気持ちも大きく変化するものですし、大切な人と家族になるわけなので、入籍をする前に債務整理をして借金問題を解決しておこうと思う人は多いです。

結婚相手のためということもありますが、借金をしていることが相手にバレたくないという思いもありますよね。

結婚してお財布がひとつになると、今までのように借金を返済することもできなくなるかもしれません。

もし返済が遅れてしまったら、債権者から督促状が届いてしまうことになります。

こういった理由から、結婚前に借金をなんとかしておきたい!と思う人が多いようです。

結婚前に債務整理をするケースと、結婚後に行うケースで、生活にどの程度影響があるのか、どんなデメリットがあるのかを確認しておきましょう。

「結婚前」に債務整理をするポイント

債務整理をすることそのものは結婚には影響はありません。むしろ、借金があることと債務整理をすることを相手に告げて、理解してもらってから結婚する方が、相手にも相手の家族にも誠実と言えるのではないでしょうか。

結婚前に債務整理するデメリット

債務整理そのものが結婚・入籍に影響することはありませんが、ふたりの新しい生活に影響してしまうことは考えられます。

経済的な不安があります

結婚前の債務整理が生活に影響するとしたら、経済的な心配が考えられます。

借金の返済があると貯金が後回しになってしまいますし、欲しいものを我慢して借金の返済を行うことで、喧嘩に発展してしまうこともあるでしょう。

ただし、後ほど詳しく解説しますが消費者金融などの債権者が債務者本人以外に借金の返済を求めることは一切ありませんので、その点は安心してください。

債務整理をするとブラックリスト状態になるのですが、これも債務者本人だけのことで配偶者の信用情報には影響ありません。

これは逆に、借金がある人と自分が結婚したとしても、自分が返済を求められることはないということにもなります。

ローンが組めない、クレジットカードが持てない

債務整理をすると、一定期間は必ずブラックリスト状態になります。

任意整理または特定調停が5年、個人再生と自己破産は10年が一般的なブラックリスト期間です。

⇒債務整理の情報(履歴)が消えるのはいつ?

ブラックリスト状態の間は、自分名義でローンを組むことができません。(ローン審査に通りません)

そのため、高額な買い物のローンはすべて相手に任せることになったり、現金で購入することになるでしょう。

クレジットカード審査にも通らないため、カード払いもできません。

どうしてもクレジットカードが必要な場合は、相手に家族カードを発行してもらうという方法がありますが、引き落としは相手の口座から行われることになります。

住みたい家に住めないことがある

マイホームが欲しいと思っても、住宅ローン審査に通りません。

例えば夫がブラックリスト状態の場合、妻だけが住宅ローンを組むということも不可能ではないのですが、審査が圧倒的に不利になってしまいます。

賃貸物件を借りる場合も、保証会社を通さないと借りられない物件の場合は、夫が審査に通らないため借りられない可能性も出てきます。

保証人になれない

ブラックリストの間は、保証人になることができません。

誰かの保証人になる機会は滅多にないと思いますが、例えば子供が奨学金を借りる時には保護者が保証人になるのが一般的です。

貸与型の奨学金では「保証人」と「連帯保証人」の2人が必要になり、このうち連帯保証人は原則として親がなることになります。(保証人は学生・親と生計が別の4親等以内の親族がなります)

自分が保証人になれない場合は、配偶者にお願いすることになるでしょう。

両親どちらも保証人になれない場合は「機関保証」という保証機関を利用する方法もあるのですが、この場合は保証機関の利用料金を毎月の奨学金の中から支払うことになるため、受け取ることができる額が減ることになります。

また、妻がカーローンを組むために夫が保証人になる必要があるなど、夫婦どちらかの保証人になるケースも考えられます。

ブラックリストになるのは債務者本人だけなのですが、日常生活においては家族にも影響してくることは考えられます。

「結婚後」に債務整理をするポイント

債務整理せずに入籍する場合、借金があることを相手も知っていれば問題ありませんが、知らせていない場合は注意が必要です。

「あと数ヶ月で完済できそう」という程度なら、借金があることを内緒にしたままでも新生活に影響は少ないかもしれませんが、債務整理を検討しなければならないくらいの借金であれば、毎月の返済額も高額になっているのではないでしょうか。

毎月何万円も返済があることを秘密にしてしまうと、後からバレる原因になります。

新生活が始まると何かと生活費がかかります。今まで通りの金額を返済できず延滞してしまったら自宅に督促状が届くことも考えられます。

借金を内緒にしていたことがバレてしまったら自分も辛いですし、相手の方のショックも大きいと思います。

結婚後に債務整理するデメリット

結婚後に債務整理をしても、経済的な不安があることと、ブラックリスト状態になるためローンが組めない、クレジットカードを持てない不便がある点においては「結婚前に債務整理するデメリット」で解説した内容と同じです。

さらに、入籍後に個人再生・自己破産をする場合は、配偶者(同居している家族全員)に実質的な影響があることもあります。

借金があることを内緒で結婚して、あとから債務整理をするとなると、余計な心配をかけてしまったりトラブルに発展することもあるでしょう。

「個人再生」では配偶者の給与明細も必要になる

個人再生を行う場合、世帯全体の家計収支を説明することになります。

配偶者に収入があれば、2ヶ月分の給料明細などを資料として提出することになるので、協力してもらわなければいけません。

また、家計を管理している通帳や保険証書、持ち家の場合は不動産の保有状況がわかるものなども必要になります。

これらは日常生活であまり持ち出すことがないものですし、自分で管理していない場合は置き場所すらわからないこともあるでしょう。

そういった、明らかに普段必要じゃないものを探すところを見られることで心配をかけてしまうことも予想できます。

「自己破産」では持ち家も処分の対象になる

自己破産をすると持ち家は処分の対象になり、家族と住んでいる家であっても自分名義の家であれば売却されてしまいます。

家族でどこか別の場所に移り住むことになるので、家族への影響も非常に大きいと言えるでしょう。

購入した住宅が夫と妻の共有名義になっていて、夫だけが自己破産する場合は、夫の持分だけが売却されて換金されることになります。

夫が自己破産するからといって妻の持分が勝手に換金されるようなことはないのですが、この場合は別の問題が起こります。

夫の持分が競売にかけられて別の人が購入した場合、妻はこの見知らぬ人と不動産を共有名義で持っていることになるのです。

不動産を処分したい時にスムーズに売却することは難しいでしょうし、相続する際には話がとてもややこしくなります。

また、住宅ローン返済が終わっていない場合も問題です。

妻が夫の住宅ローン連帯債務者になっている場合は、自己破産をした夫に代わって妻が返済を求められることになります。さらにこの場合は原則として一括返済を求められることになります。

返済できれば住み続けることができるのですが、現実問題として住宅ローンの一括返済は非常に難しいのではないでしょうか。

返済ができない場合は妻も自己破産を行わなければならず、住宅も手放すことになってしまうでしょう。

一定額以上の財産も差し押さえられます

自己破産では、破産者本人名義の20万円以上の価値がある財産も差し押さえとなります。

家、土地などの不動産、車、貯金、保険(解約返戻金がある場合など)などは差し押さえられますので、家族への影響がないとは言えません。

個人再生と自己破産は、借金を大幅に減額、または全額免責できる効果の大きい方法なのですが、相手への影響も大きい債務整理方法になってしまいます。

では、任意整理はどうなのでしょうか?

結婚後に「任意整理」をするデメリットは?

任意整理では、債務者本人が最長5年間ブラックリスト状態となってしまうためローンを組むことはできませんし、クレジットカードも持てないという影響はあります。

ただこれは任意整理そのもののデメリットとなり、結婚前に任意整理をしても同じです。

結婚後に債務整理をするデメリットとして考えられることは、

・結婚相手や家族に影響やダメージはあるか?
・結婚相手にバレてしまうのか?

というところが大きいと思います。

個人再生・自己破産では、この2つの影響は「ある」ということになるのですが、実は任意整理に関しては相手にバレずに影響もなく行うことが可能です。

そういう意味でのデメリットはないと言ってよいでしょう。

もちろん、絶対にバレないという保証はありませんが家族に内緒で任意整理を行なって借金問題を解決した事例は本当にたくさんあります。

なぜ任意整理は結婚相手にバレにくいの?

任意整理は裁判所を介さずに、債権者と直接交渉して利息のカットと支払い期間の長期分割を求める手続きになります。

実際の交渉は弁護士・司法書士が行うことになるため、債務者の負担は比較的軽いです。

任意整理の場合、提出書類もそこまで煩雑ではなく、不動産や財産の処分もありませんので、日常生活を送る上での影響も少ないのです。

任意整理後は今までよりも返済負担が軽くなります。延滞さえしなければ債権者から督促状などが届くこともありません。

ただしバレるリスクは高くなっていきます

結婚後であっても、任意整理であれば内緒で手続きを進めることは可能ですし、弁護士・司法書士も事情を話せば協力してくれるでしょう。

ただ、任意整理の手続きそのものはバレずに行なったとしても、その後の生活で借金があることや債務整理をしたことがわかってしまうリスクはあります。

やはり日常生活において、クレジットカードが作れない、ローンが組めないというところが不自然に感じられるケースも出てきます。

子供のための教育ローンも組めませんし、家族みんなの幸せにも関わってくるマイホームを持つための住宅ローン審査にも通りません。

任意整理を隠しておきたかったけど打ち明けざるを得ない結果になってしまう可能性は十分に考えられるでしょう。

債務整理をするなら結婚前・結婚後どっちがいい?(まとめ)

法律上では債務整理が結婚に影響することはありませんし、結婚した後も配偶者に返済義務が課せられることはありません。

しかし、名実ともに夫婦となると、借金は自分だけの問題ではなくなってきます。

おすすめできるのは「結婚前の債務整理」

相手にも誠実に、自分も気持ちをスッキリさせて結婚生活を始めるためには結婚前に債務整理を行なっておく方が良いでしょう。

新しい生活が始まると何かと費用がかかりますし、お金の相談が必要になるケースもたくさん出てきます。

その時になって初めて「実は借金があって・・・」と切り出されるよりは、結婚前にわかっておいてもらえた方が、双方にとって前向きに検討しやすいでしょう。

少しでも借金を減らして早期完済を目指し、1日でも早くブラックリストから抜け出すためにも結婚前になるべく早く債務整理をすることをおすすめします。

結婚前に債務整理をしたことは伝えるべき?

債務整理を検討しなければならない借金があることを告白するのは勇気がいることですが、結婚後の生活に関わってくることを考えると、やはり借金があることと債務整理をすることは伝えておいた方が良いのでは?と感じます。

ただ、世間一般的には債務整理に対してネガティブなイメージを持っている人の方が多いことも事実なので、これは本当に難しい問題です。

債務整理をすることを伝えることで、結婚が延期・破談になってしまう可能性も考えられます。

債務整理から数年経過している場合

任意整理を行なって数年が経過し、あと数ヶ月で返済が終わるという状況で結婚を考えているのであれば話す必要はないのかもしれません。

ただし、この場合も「契約終了後5年以内」はブラックリストとなるので、返済が終わったらブラックリストから解放されるというわけではないのです。

新生活に影響がないことがわかっているならばあえて伝える必要はありませんが、ブラックリストから解放されるまでにまだ数年かかりそう・・・という場合は、車の購入、マイホーム購入などに影響してくることになるので、必要に応じて説明した方が良いでしょう。

債務整理をこれから行う場合

結婚をきっかけに、これから債務整理をするのであれば、2人のために借金問題を解決したいということをわかってもらうためにも伝えるべきでしょう。

その際に、ブラックリストになるのは自分だけであって配偶者の信用情報には全く影響がないことや、結婚したからといって配偶者が返済を求められることは絶対にないこと(連帯保証人になっていなければ)などを説明すると理解を得やすいかと思います。

新生活にどのような影響があるのかということを伝えておくと、今後もいろいろなことが相談しやすくなります。

とても難しいことではありますが、雨降って地固まると言う言葉もあるように、何かがあったことがより深い絆になることも本当にあります。

また、この選択は、自分自身が結婚相手に誠実でいるためにも最善の方法と言えるのではないでしょうか。

結婚後に任意整理をするのはおすすめできない?

人には本当にいろいろな考え方と事情がありますので、一概にダメとは言えません。

ただ、借金があることを内緒にしたまま結婚して、結婚後に債務整理をするという行動は客観的に見ると不誠実で、リスクが高い選択になることは間違いありません。

もしかしたら「債務整理しても相手の信用情報には影響ないんだったら、言わなくても問題ないんじゃ?」と思う人もいるかもしれません。

確かに自分の債務整理が相手の信用情報に影響することはありませんし、返済義務も発生しません。ただ、婚姻関係を結ぶとなると、そういった事務的・法的な問題とは別の深い問題があることも考えなければいけません。

「内緒にされた」という事実がお相手の心の傷になってしまう可能性もあり、最悪の場合、離婚になってしまうことも考えられるのです。

こんな結果になってしまうことは誰も望んでいないですよね。

債務整理をしてもしなくても、結婚することはできます。

しかし、せっかくのおめでたい門出ですので、家族になるために借金問題を整理したいから債務整理をするということを理解してもらって、晴れ晴れとした気持ちで結婚できる方法を検討することをおすすめいたします。


 

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この記事の監修者

この記事の監修者 この記事の監修者は、株式会社タンタカの代表取締役「丹野貴浩(⇒プロフィールはこちら)」で、簿記1級の資格を持ち、10年以上、クレジットカードやローンなど金融系のWEBメディアを運営・管理している実績があります。
   

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