闇金からしつこい勧誘の電話やハガキ・SNSが来るのはなぜ?解決策
ある日突然、闇金から「融資審査に通過しましたのでご連絡します」などと書かれたDMが届いたらとても怖いですよね。
闇金からお金を借りたことがある人に対して、何度も「また金を借りろ」と脅しのような勧誘をしてくるのはよくある手口なのですが、闇金に関わったことがないのに電話がかかってきたらどうすれば良いのでしょうか。
また、闇金はどこから個人情報を手に入れているのでしょうか?
闇金から電話・ハガキ・SNSなどで勧誘がくる原因や解決方法を知っておきましょう。
闇金から勧誘が来てしまう原因
闇金から電話、ハガキなどで連絡が来てしまうということは、あなたの個人情報が闇金に知られているということになります。
一体、どこから大切な個人情報が漏れてしまったのでしょうか?
闇金を利用したことがある
過去に闇金を利用したことがある人や、実際にお金を借りていなくても、闇金に申し込みをしたことがある人は個人情報を握られていることになります。
借りたお金を完済していたとしても、取得された個人情報を使って新たに勧誘されてしまうこともよくあります。
個人再生・自己破産をしたことがある
個人再生または自己破産をすると、「官報」に氏名・住所などが掲載されることになります。
官報は国が発行している新聞のようなもので、その内容は法律や政令の制定・改正、破産や相続の情報となっています。
ご参考:インターネット版官報
個人情報の保護やプライバシーに敏感な時代になっても、なぜ官報に氏名・住所が掲載されてしまうのかというと、それは債権者のためです。
個人再生を行うと借金を5/1~10/1まで減らすことができますし、自己破産においては借金が全額免責となります。これは、債務者にとっては非常に助かる制度ですが、債権者にとっては一大事なんです。
万が一、債務者が自己破産をすることを知らなかった債権者がいた場合、その債権者は交渉する余地もなく貸したお金が全額戻ってこないことになってしまいかねません。
こういったトラブルにならないように、官報に掲載して全国に広く呼びかけるのです。
しかし、この官報が闇金の情報源になっているのもの確かです。
個人再生・自己破産などの債務整理をした人は、一時的に経済的に弱い状態になっているケースがほとんどなので、お金に困っている人を狙うために官報をチェックして勧誘してくるのです。
アダルトサイト、恋愛系サイト、懸賞サイト、個人間融資などを利用したことがある
近年は、インターネットを使った闇金の詐欺も横行しています。
気をつけたいのが、アダルトサイト、恋愛系サイト、懸賞サイトなどの、人間が欲に負けてついつい手を出してしまいそうなサイトです。
もちろん、きちんとした運営を行っているサイトも多いのですが、迂闊に個人情報を入力してしまうと、闇金から狙われる可能性もあります。
また、実在する銀行などとそっくりのホームページを作成して、個人情報を搾取する「フィッシング詐欺」を行う悪質な業者もいます。
それから、「個人間融資」にもお気をつけください。
お金を貸してくれる親切な人に見せかけて、その裏は高利貸しを行なっている闇金であることもよくあります。
少しでも怪しいと思ったら、そのサイトをすぐに離れるようにしてください。
SNSのDMから手当たり次第連絡している
Twitter、InstagramなどのDMから勧誘されることもあります。
例えば、Twitterで「借金の返済が大変!」とつぶやいたとします。この書き込みをチェックした闇金が「審査なしで貸せますよ」などと連絡してくるのです。
「SNSだったら個人情報はバレてないから大丈夫じゃない?」と思われるかもしれませんが、怖いのはSNSに投稿している内容から身バレする可能性も高いことです。
怪しいDMには返信しないようにしましょうね。
闇金の勧誘手口
ここでは、闇金がどのような方法で勧誘してくるのか、その手口を見ていきましょう。
ここでご紹介している勧誘方法は、いずれも日本貸金業協会「貸金業相談・紛争解決センター」に実際に報告されている手口ですので十分にお気をつけください。
闇金から電話で勧誘される
突然電話をかけてきて、無理やりお金を貸そうとする非常に悪質な事例です。
・突然闇金から電話がかかってきて融資の勧誘をされ、内容証明代金、手数料などの請求を受けたため融資を断ったところ、解約料を請求された。
・電話で闇金から融資の勧誘があったため断ったところ、勤務先にまで毎日電話がかかってくるようになった。
・正規の金融機関を名乗る闇金から電話がかかってきて、借入金を一括返済するように請求された。
※きちんと返済を続けている人に対して、正規の金融機関が一括返済を求めることはありません。
闇金からメール・SMSで勧誘される
「ニッセン・クレジット」「セゾンファンデックス」などの金融機関になりすまし、不特定多数の人にメールやSMS(ショートメッセージ)を送って、氏名、住所、クレジットカード番号、有効期限、暗証番号を取得しようとします。
典型的なフィッシング詐欺ですので、怪しいメールに記載されているURLは開かないようにしましょう。
別のケースでは、「携帯電話を契約して郵送すれば、信用情報が書き換わって融資が可能になります」「仮審査の結果、融資可能となりました。お手すきの際にご連絡ください」などとSMS・メールで突然連絡が来るケースもありました。
配送業者やAmazonを装った悪質なSMS詐欺が横行していることも広く知られています。
<参考>佐川急便「佐川急便を装った迷惑メールにご注意ください」
闇金がLINEで勧誘
連絡手段としてLINEを使用する「LINE闇金」も横行しています。
例えば、LINEで申し込みをするだけでお金を借りられることをアピールして、若年層を狙った勧誘です。
LINE広告から融資の申し込みをしたら高利貸しの闇金だったという事例もあるようです。
なぜ闇金がLINEを使ってくるのかというと、LINEならアカウントだけでやりとりができるので警察にもバレにくいですし、アカウントを削除されてもまたすぐに作ることも可能であり、闇金にとっても使いやすいツールだから。
しかし、事務所を構えておらず固定電話回線もひかずに貸金業を行うことはそもそも違法です。LINE闇金にもひっかからないようにしましょう。
闇金からハガキ(DM)・チラシで勧誘される
闇金からハガキやチラシが自宅に送られてくるのは、典型的な勧誘の手段ですね。
手間も送料もかかることからこの手口は激減しているかと思いますが、Yahoo!知恵袋には闇金からのハガキが何度も届くことで困っている方もいらっしゃいます。
<参考>Yahoo!知恵袋
この相談者さんは自己破産をした経緯があるようなので、やはり官報から個人情報がバレてしまったものと思われます。
闇金からFAXで勧誘される
国に登録をしている正規の金融機関を装って、融資の勧誘をするFAXが届いたという事例もあります。
例えば、「与信枠設定通知書兼申請書」などと書かれた書類をFAXで送付してきて、住所、氏名、会社の資本金などの情報を取得しようとする被害が出ています。
申し込みもしていない不審な業者に借金の申請をする人はいないかと思いますが、問い合わせをすることもやめておきましょう。
闇金が新聞・雑誌・チラシで広告を掲載している
こちらも実際にあった事例です。
・新聞に記載されていた貸金業者に申し込みをしたところ、「年収が少ないため、情報センターの情報を操作する必要がある」と言われ、大手消費者金融を紹介された。
「年収を高めに申告して、こちらから紹介を受けたことは内緒にしておくように」と言われ、その紹介料として融資額の21%を支払うようにと言われた。
・大手消費者金融を紹介するから、融資を受けられたら手数料として20%を払うように指示された。
・チラシに記載されていた貸金業者に申し込んだところ、信用情報を審査するので、まずは大手消費者金融で借り入れをして、契約書などとお金を郵送するように指示された。
闇金のホームページも存在します
実在する正規の貸金業者になりすまして個人情報を取得しようとしたり、融資の勧誘をしているサイトもあります。
また、「ソフト闇金」の名称で堂々と運営しているサイトもあります。
「闇金は怖いけどソフト闇金なら大丈夫だろう」という甘い考えは通用しません。法律を無視した高利でお金を貸している悪質業者であることは闇金と同じですので、決して手を出さないようにしてくださいね。
闇金の勧誘に引っかかってしまうとどうなるの?
ご紹介したような闇金の勧誘の手口に引っかかってしまうと、どのような被害を受けるのでしょうか。
考えられる被害内容も確認しておきましょう。
高い金利で無理やりお金を借りさせられる
闇金が無理やりでもお金を貸そうとするのは、高い金利を取るのが目的です。
どんなにお金に困っていても、闇金から借りるのは絶対にダメです。
一時的に現金を受け取ることができても、法定金利を大きく超える金利で貸付が行われるので返済に窮してしまうことは目に見えています。
嫌がらせを受ける
万が一お金を借りてしまい返済が滞ってしまうと、面倒な嫌がらせを受けることになります。
・携帯、固定電話、会社に何度もしつこく電話をかけてくる
・自宅に突然大量のデリバリーが届く
・脅迫まがいの言動を取られる
・家族、親族が脅される
・あなたの名前でタクシー、救急車、消防車が自宅に呼ばれる
・SNSで個人情報が晒される
こんなトラブルに巻き込まれないためにも、安易にお金を借りてはいけません。
借りてもいないお金の請求がくる
闇金からの勧誘の対処方法を間違ってしまうと、借りていないお金の請求を受けることもあります。
迷惑料や手数料などの全く根拠のない費用を請求されたり、キャンセル料を請求されることもあります。
口座に突然お金が振り込まれる「押し貸し」
闇金に口座情報を渡してしまっている場合、勝手にお金が振り込まれてしまう「押し貸し」が行われてしまうこともあります。
押し貸しは、知らない間に自分の銀行口座に勝手にお金が振り込まれて、高い利息とともに返済を要求される手口です。
万が一、自分の銀行口座に心当たりのない入金があったら、そのお金には手を出さないようにして、いつでも返せるようにしておきましょう。
別の闇金からも勧誘される
闇金が他の闇金に個人情報を売却してしまうと、別の悪質業者からも勧誘されてしまうことがあります。
闇金の手口に引っかかって1度連絡をしてしまったことから、次々と連絡が来てしまい不安な思いをしている人も実際にいますので、十分に気をつけましょう。
闇金から勧誘がきた場合の対応方法
あなたのスマホに闇金から電話がきたり、自宅にハガキが届いてしまうと、とても焦ってしまうと思いますが、慌てて闇金にこちらから連絡してしまっては相手の思う壺です。
まずは落ち着いて、以下の対応を取りましょう。
チラシ、DM等は気にせず処分する
闇金からのチラシ、DMは破棄してしまいましょう。
今後このような郵便物を送ってこないように一言言っておきたいという人もいるかもしれません、こちらから連絡をしてはいけません。
相手は悪質な手口で人を騙すことに慣れている組織なので、素人が「こんなことはやめてください」と言ったところで大人しく言うことをきくはずもないんです。
郵便物、SMS、メールなどは無視するのがイチバンです。
郵便物は受取拒否も可能
不要な郵便物は受取拒否をすることもできます。
郵便物に必ず赤いペンで「受取拒絶」と書いて押印または署名をします。
そして、ポストに投函をします。
ただしこの方法は未開封の郵便物にのみ有効となり、開封してしまうと返送することはできませんのでご注意ください。
闇金からの電話勧誘はハッキリと断る
闇金からの電話に出てしまい相手が融資を申し出てきたら、ハッキリと断りましょう。
ただ、相手は闇金なので、申し出を断ってしまった途端に脅されることもあるかもしれません。
後から警察や弁護士に相談する可能性もあるため、可能であれば録音を残しておくことをおすすめします。闇金被害を専門家に相談する際に必ず役に立ちます。
変更可能な個人情報は変更する
これは面倒かもしれませんが、非常におすすめできる方法です。
闇金に知られてしまった個人再生は、できる限り変更してしまいましょう。
使い慣れたLINE ID、メールアドレス、電話番号などを変更することには抵抗があるかもしれませんが、闇金に知られてしまっている情報は後々どんなことに使われるかわかりません。
特に気をつけたいのが銀行の口座情報です。
闇金からの勧誘を断ったとしても、口座に押し貸しをされてしまったらさらに面倒なことになります。
闇金に口座情報を知られている心当たりがある場合は、口座の解約も検討してみてください。
警察に相談してもいいの?
闇金から勧誘があったことを警察に相談することも可能ですが、結論から言うと、トラブルは解決しません。
警察は民事不介入ですので、「闇金から勧誘の電話がきた」「闇金からDMが送られてきた」という程度では、調査もしてもらえないと思います。
ただ、闇金から一晩中電話がかかってくる、自宅に来てドアの向こうから脅してくるなど強く不安な思いをしている時には警察に相談すべきです。
身に危険が迫っているような時には、迷うことなく110番してくださいね。
闇金からのしつこい勧誘を相談できる専門家について
みなさんお分かりかと思いますが、闇金からの勧誘に対して「やめてください」と伝えたところで、簡単に引き下がることはありません。
かといった勧誘を断ってしまうと報復されるかもしれないという不安もあることでしょう。
勧誘を受けることがないように闇金に個人情報を渡さないことが非常に重要なのですが、すでにしつこく融資の誘いを受けていたり、脅されている、嫌がらせをされているようであれば専門家に相談することをおすすめします。
⇒闇金問題を専門家に相談して嫌がらせストップ!費用・流れ・必要書類
闇金に強い弁護士・司法書士に相談する
闇金対応で最も頼りになる専門家は、間違いなく弁護士・司法書士です。
ただし、弁護士・司法書士なら誰でも良いというわけではなく、闇金対応に強い弁護士・司法書士に相談をしてください。
なぜ闇金に強い弁護士・司法書士に相談すべきなの?
なぜ法律無視の闇金に対して弁護士・司法書士の介入が効果的なのでしょうか。
法律・訴訟の専門家である弁護士・司法書士は、闇金に対して毅然とした態度で法に反していることを淡々と説明します。
これは、「これ以上しつこくすると警察に告訴する」という態度を示していて、勧誘を受けている本人が「弁護士に言いますよ!」と言うよりも、弁護士本人に登場してもらった方がはるかに効果が高いのです。
闇金は、当然ながら営業停止になったり、逮捕されるのは避けたいと考えているため、高いリスクを抱えてまで勧誘しようとはしません。
弁護士・司法書士が介入したことを知らせた時点で手を引く闇金は本当に多いんです。
なお、闇金も1度は手を引いても、またいつ勧誘を再開してくるかわかりません。
弁護士・司法書士に相談をする場合は、再度勧誘があった場合のフォロー体制についても確認しておくと良いでしょう。
⇒闇金問題を専門家に相談して嫌がらせストップ!費用・流れ・必要書類
国民生活センター「消費者ホットライン」
独立行政法人 国民生活センターの「消費者ホットライン」は、国民の消費生活における疑問や苦情、問い合わせなどを広く受け付けている窓口で、闇金からの勧誘について相談をすることも可能です。
<参考>独立行政法人 国民生活センター「消費者ホットライン」
ただ、消費者ホットラインはあくまでも窓口ですので、具体的な対応は期待できず、事例を報告するという意味合いで相談することになるかと思います。
また、匿名での相談は不可で、「氏名、住所、電話番号、性別、年齢、職業」を確認されることになります。
日本貸金業協会「貸金業相談・紛争解決センター」
日本貸金業協会が運営する「貸金業相談・紛争解決センター」では、貸金業者とのトラブルを相談することができます。
闇金への対処方法の相談の他にも、債務整理に関する相談、多重債務の相談、ギャンブル依存の相談なども受け付けています。
闇金からの勧誘の原因・対応をまとめます
闇金から勧誘が来てしまう原因と対応を復習しましょう。
・闇金を利用したことがある
・個人再生・自己破産をしたことがあり、官報に個人情報が掲載された
・闇金が運営するサイトを知らずに利用してしまった
・フィッシング詐欺にあってしまった
・LINE、Twitter、InstagramなどSNSで勧誘される
・電話で勧誘される
・メール・SMSで勧誘される
・LINEで勧誘される
・ハガキ(DM)で勧誘される
・FAXで勧誘される
・新聞・雑誌・チラシの勧誘に引っかかってしまった
・闇金のホームページに引っかかってしまった
・法外な高金利で融資が行われる
・返済が遅れたら嫌がらせを受ける
・借りてもいないお金の請求を受ける
・口座に突然お金が振り込まれる「押し貸し」が行われる
・別の闇金からも勧誘される
・チラシ、DM等は処分する。(受取拒否も可能)
・電話勧誘はハッキリと断る
・変更可能な個人情報は変更する
・闇金対応に強い弁護士・司法書士に相談する
・緊急時には警察に連絡する
・圧倒的に頼りになるのは「闇金に強い弁護士・司法書士」
・「国民生活センター 消費者ホットライン」や「日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター」にも相談可能
最後に、闇金は賢い人を嫌います。
なぜなら、自分で情報を収集する能力があり、毅然とした態度で違法性をついてくるような人を相手にするよりは、借金についてあまり知識がない人の方が闇金にとって騙しやすい相手だから。
闇金トラブルに巻き込まれないためにも、知識を身につけることがとても大切です。
ただ、素人ができることには限界がありますし、脅し嫌がらせで家族や周りの人に迷惑がかかるかも・・・と思うと、できることは限られるのではないでしょうか。
こういったときに頼りになるのは、やはり弁護士・司法書士です。
闇金からは、「弁護士に相談しても意味がない」などと脅されることがあるかもしれませんが、これはよくある闇金のウソです。相手の言葉を信用してはいけません。
自分でできる対策をとってもしつこい勧誘が止まらないような場合は、闇金対応に慣れている弁護士・司法書士に相談するのが最も効果的な方法ですよ。
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