チケット金融(金券金融)とは? 【実質的な高利貸し】

PR

チケット金融(金券金融)とは? 【実質的な高利貸し】
今回取り上げるのは「チケット金融(金券金融)」と呼ばれている手口です。

チケット金融は、簡単に言うと金券、チケットなどを購入・売却させることで暴利を得ている悪質業者のこと。

しかし、「チケットを購入して売る」という通常の流れを行うことで悪徳業者が儲かるのでしょうか?

チケット金融の手口に引っかからないためにもぜひ詳しく知っておいてください。


もくじ

チケット金融(金券金融)とは?

チケット金融の手口
チケット金融は、新幹線の回数券などを「後払いで良いから」とお金を払わせずに購入させて、後日、高い利息とともに支払いを行わせる手口です。

具体的に、チケット金融の手口を見ていきましょう。

チケット金融の手口・流れ

チケット金融の集客は、電柱のチラシ、看板広告、スポーツ紙の広告などで行われています。正規の消費者金融などがチケット金融の集客を行うことは絶対にありません。

チケット金融の手口1:集客はどうやって行われるの?

チケット金融業者が狙っているのは、正規の消費者金融ではお金を借りられないような人です。

既に多重債務状態で審査に通らない人や、無職で審査を受けられない人をターゲットにして、「代金不要。後払いでOK」「審査なしで現金を!」などの誘い文句で勧誘するのです。

チケット金融の手口2:チケット・金券を「後払い」で購入させる

チケット金融業者は決して融資の形をとりません。

チラシの連絡先に電話をかけると、まずは新幹線の回数券などのチケットを購入させられます。

このチケットの代金は、利用者が現金後払いで支払うことになります。

利用者は10日後に10万円を支払う約束でチケットを購入したとします。

チケット金融の手口3:購入したチケット・金券を指定の店で売却させる

続いて、利用者はこの新幹線の回数券を売却することになります。

売却する店もチケット金融とグルの店なので、10万円以上の金額で売れることは決してありません。

売却価格が7万円になったとします。

この7万円は利用者が自由に使えるお金になります。

チケット金融の手口4:チケット金融にチケット代を払わせる(利息を取られる)

10日後、利用者はチケット金融業者に購入代金の10万円を支払わなければいけません。

この10万円はあくまでも「チケット代金の支払い」という形になりますので、差額の3万円は利息ではない、というのがチケット金融の言い分です。

チケット金融のどんなところに違法性があるの?

チケット金融のどんなところに違法性があるの?
チケット金融の手口や利用の流れを見ても、「ちょっと高いチケットを後払いで購入させただけなのでは?」と思う人もいるかもしれません。

チケット金融は本当に悪質業者が行なっている違法な商売なのでしょうか?

チケット金融はチケットを介した実質的な高利貸しです

チケット金融が実際に行なっていることはチケットの売買になるので、違法性は感じられないかもしれません。

しかし問題となるのはチケットの価格です。

上記の例では、チケット金融業者は3万円の儲けとなり、利用者は3万円分の利息を払ったことになるのですが、これが融資という形であれば間違いなく出資法違反となり違法です。

チケット金融は、「お金を貸す」という形にしたら違法であることがわかっているので、わざわざ「チケットを買わせて買い取る」という売買の形式にして、「融資じゃないから違法じゃない」ということにしているのです。

チケット金融を行なっているのは闇金であり、チケット金融は実質的には高利貸しとなるため、金融庁も注意喚起を行なっていますし、警察に摘発を受けた事例もあります。

チケット金融業者がどんなに「チケット販売業者と買取業者は別だから違法じゃない」「融資じゃないから違法じゃない」と言い張っても、お金に困っている人を狙った悪質な手口であることは同じなのです。

チケット金融には関係各所が注意喚起を促している

チケット金融「金融庁」注意喚起
チケット金融については、金融庁をはじめとした関係各所が注意喚起を行なっています。

▼金融庁
・悪質な業者の例:チケット金融
https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/#05

▼山形県「ヤミ金などにご注意ください」
・ヤミ金融などの手口:チケット金融
https://www.pref.yamanashi.jp/sangyo-sin/03734900619.html

これだけの注意喚起が行われているということは、私たち消費者も気をつけなければいけないということです。

チケット金融は、こちらから連絡をして利用しようとしなければ決して引っかかることはない手口です。

くれぐれも甘い話にはのらないようにしましょう。

チケット金融を利用してしまったらどうなるの?

ついチケット金融を利用してしまったら、どのようなことになってしまうのでしょうか。

自分に降りかかってくるリスクを確認しておきましょう。 

結局は高い金利でお金を借りているだけ

チケット金融は、融資ではないということになっていますが、結局はチケットを介してお金を借りているのと同じことです。

借りる側は現金を手に入れることができますが、その後、高い利息とともに返済を要求されることになります。

例えば10万円のチケットを後払いで購入して、7万円で買取が行われ、10日後に支払いをするとします。

この場合は10日間で3割の利息を支払うことになるので、トサンの金利でお金を借りていることになります。

闇金でお金を借りる時も、最初に利息を取られて差額を融資される事が多いのですが、それと全く同じ手口なのです。

トサンはソフト闇金の相場と同じくらいなので、非常に高い金利になります。

ちなみに、アコムなどの大手消費者金融で10万円を10日間借りた場合の金利は、たったの493円です。(金利18.0%で計算)

チケット金融を利用すると、ものすごくムダなお金がかかってしまうことがわかりますね。

取り立てが悪質。個人情報を悪用される可能性も非常に高い

チケット金融を利用する場合に必ず確認されるのが個人情報です。

氏名、電話番号はもちろんですが、住所、勤務先、家族の情報、銀行口座番号などを詳細に聞かれることになります。

チケット金融は万が一返済が遅れてしまったら、これらの情報を使って脅しをかけてきます。

尋常じゃない回数の電話がかかってきたり、取り立てのために家に押しかけてくるケースもあります。

さらに酷いケースになると、勝手に大量のピザを注文されたり、救急車やタクシーを呼ばれてしまうという事例もありました。

また、正規の貸金業者であれば、お金を借りている本人以外に催促をすることはありませんし、不必要にお金を借りていることをバラすことは禁止されているのですが、闇金は平気で家族にも取り立てを行なってきます。

子供の学校に電話をしたという事例もあるくらい悪質なのです。

完済しても関係を断つことができない

チケット金融のような闇金は利息で儲けを出しているため、またすぐにでもお金を借りて欲しいと思っています。

そのため、完済しても「お金に困っていませんか?」「いつでも貸しますよ」などとしつこく電話がかかってくることもあります。

口座情報を知られていると、勝手にお金を振り込んで利息を請求してくる「押し貸し」という詐欺が行われることもあります。

闇金のような悪質な業者に個人情報を握られるのはとても怖いことなのです。

チケット金融と似た手口に「クレジットカードの現金化」があります

ここまでチケット金融について確認してきましたが、似た手口で「クレジットカードの現金化」があります。

こちらも今でもよく行われている手口ですので、合わせて知っておきましょう。

⇒クレジットカードの現金化とは?違法?業者は安全?リスクも解説

クレジットカード現金化「買取式」

クレジットカード現金化で狙われるのは、正規の消費者金融でお金を借りる信用はないけれども、クレジットカードを持っている人です。

買取式では、このクレジットカードショッピング枠を使って品物を購入させます。

チケット金融では代金は後払いでしたが、クレジットカード現金化では、支払いをクレジットカードで行わせます。カード払いなので現金がなくても購入できてしまうのです。

購入した品物はすぐに返品(売却)させられ、利用者は現金で返金を受けることになります。

ただし、購入代金が全額返済されるわけではありません。

30万円を購入した場合、手数料として3割程度が差し引かれ21万円が現金で戻ってくるという感じです。

利用者は一時的に現金を手に入れることができるのですが、後からクレジットカード利用代金を全額支払わないといけないので結局損をしているのです。

クレジットカード現金化「キャッシュバック式」

別の手口では、クレジットカード現金化を使ったキャッシュバック詐欺も行われています。

まず、悪質業者は利用者に対して、全く価値のない品物を購入させようとしてきます。

例えば、おもちゃの指輪をクレジットカード払いで30万円で購入させます。

そして、「このうちの8割となる24万円をあなたにキャッシュバックしますよ!」と告げるのです。

あなたは24万円もの現金をすぐに手にすることができます。

しかし、やはり後日、クレジットカード利用代金として30万円を請求されることになるので苦しくなるのは自分です。

さらに悪質な業者になると、約束のキャッシュバック金額を一切支払わないこともあります。

クレジットカード現金化はクレジットカード会社から禁止されている行為です

クレジットカード現金化に関しても、「クレジットカードで買ったものを売却しただけ」という見方をする人もいるかもしれません。

実は、ものすごく厳密に言うとクレジットカード現金化は法律で禁止されている行為ではないので「明確な法律違反」とはなりません。

では、堂々とやって良いのかというとそれは違います。

最終的にお金に苦しむのは自分ひとりですし、悪質業者に儲けを出させることになってしまいます。

それに、クレジットカード会社は現金化を強く禁止していますので、規約違反がバレたらクレジットカードを強制解約させられることも実際にあります。

「違法じゃないなら大丈夫」とは決して思わないようにしましょう。

チケット金融の被害にあってしまったら?

チケット金融の被害にあってしまったら?
万が一チケット金融を利用してしまって、とても困った状態になっているという時でも、対処する方法はあります。

まず、絶対にやってはいけないのが、無断でチケットを持ち逃げすることです。

チケットの持ち逃げは絶対に避けてください

持ち逃げできるチャンスもそうそう無いかとは思いますが、もしチケットを受け取っているという状況であれば持ち逃げはいけません。

いくら相手が闇金であっても最初から持ち逃げするつもりで受け取ったことになってしまうと、あなたが詐欺を行なったとみなされることがあります。

また、当然ながら持ち逃げをしたことがわかると、チケット金融にどんな報復をされるかわかりません。

持ち逃げはいちばんやってはいけないことと思っておきましょう。

弁護士・司法書士に相談を

チケット金融とのトラブルでもっとも平和的な解決方法は、受け取ったお金を返済して、お互いにプラスマイナスゼロの状態にすることです。

しかし、すでにチケットを受け取っていたり、チケット買取代金としてお金を受け取っている場合に「やっぱりなかったことにしてほしい」と自分ひとりで相談をしてもうまくいかないでしょう。

チケット金融とできるだけ円満に関係を断ち切るには、闇金対応に慣れている弁護士・司法書士に交渉してもらうのがいちばん効果的です。

⇒闇金問題を専門家に相談して嫌がらせストップ!費用・流れ・必要書類

弁護士・司法書士は闇金にとても強い

チケット金融は自分たちの行為に違法性があることがわかっているからこそ、ややこしいチケット金融という形をとっています。

弁護士・司法書士は、その違法性について法律に基づいた説明を行い、これ以上は取り立てをしないことを要求します。

チケット金融側は、弁護士・司法書士を相手にして悪事を続けると逮捕されるかもしれないこともわかっています。

さっさと切り替えて別のターゲットを見つけた方が良いと判断して、すぐに手を引くのです。

受け取ったお金はどうなるの?

この時点でチケット金融からお金を受け取っている場合は、弁護士・司法書士に返済を勧められることになるでしょう。

本来は、闇金から借りたお金は元金も利息も返済をする必要はないのですが、平和的に解決するためにはお金のやりとりがゼロになるのが最も良い方法です。

そのため、「本来は返済の必要はないけれど、ここはおとなしく返しておきましょう」という流れになる事が予想されるのです。

警察に相談してもいい?

チケット金融を利用してしまったことを警察に相談することもできますが、警察が動いてくれてトラブルが解決することはおそらく無いと思います。

なぜかというと、警察は事件性がないと動く事ができないため、「チケットを後払いで購入して請求されているけど、まだ払っていない」という状態ではどこまで対応してもらえるか微妙なのです。

相手が闇金であることを証明することは難しいため、「チケットを業者から購入した代金はとりあえず払わないといけません」と言われてしまう可能性もあります。

闇金とのトラブルをなるべく早く解決したいなら、やはり専門家である弁護士・司法書士に相談するのが最も賢い方法なのです。

⇒警察に闇金相談すれば逮捕してくれる?守ってくれる?

お金のかからない相談窓口もある?

弁護士・司法書士に正式に依頼をすると報酬を求められることになります。

お仕事を依頼するわけなので、これは当然のことですね。

しかし、チケット金融を利用せざるをえなかったくらいお金に困っている状況であれば、費用の支払いも厳しい・・・という人もいるでしょう。

また、「いきなり弁護士・司法書士に頼ることに抵抗がある」という時もあるかと思います。
まずは話だけ聞いてほしい時に相談できる無料の窓口もいくつかあります。

消費者ホットライン188

「消費者ホットライン188」は、日常の消費生活における全般の相談ができます。
契約事や悪徳商法によるトラブルの相談も受け付けていて、然るべき対応を取ってくれる窓口を案内してもらえます。

電話番号は局番なしの「188」になります。

<参考>消費者ホットライン188の御案内

ただし、あくまでも総合窓口となるので、ここでトラブルを解決できるというわけではありません。

相談内容にふさわしい窓口を案内してもらえるのみと思っておきましょう。

金融庁「金融サービス利用者相談室」

金融庁が行なっている、金融行政・金融サービスなどに関する相談窓口です。

調停や仲介はできませんが、トラブルを整理するためのアドバイスを行なってもらえます。

<参考>金融サービス利用者相談室 皆様の「声」をお寄せください!

法テラス

法テラスは法律問題を相談できる窓口です。

⇒法テラスとは?借金相談の費用は?無料でできる?

国が開設している窓口で、法的問題を解決するための案内をしてくれるのですが、債務整理費用を立て替えてもらえたり、場合によっては支払いが免除となる手続きをとることも可能です。

借金問題を解決したいけど費用負担が難しいという時には頼りになるのですが、法テラスにはいくつかのデメリットもあります。

闇金対応に関する大きなデメリットは2つあり、ひとつは弁護士・司法書士を選べないことです。

闇金対応に強い弁護士・司法書士が対応してくれるとは限らないので、思ったような結果にならないこともあります。

もうひとつは、審査が必要なため、すぐに着手してもらえないことです。

一般の弁護士・司法書士の場合は、早ければ即日対応も可能なのですが、法テラスにはこのスピードは期待できません。

ただ、費用面で不安がある場合には、法テラスが力になってくれることもありますので問い合わせてみると良いでしょう。

チケット金融の手口はずる賢い!(まとめ)

チケット金融の手口は古典的とも言えますし、被害は年々減ってきていると言われています。

しかし、改めて考えてみると、万が一引っかかってしまった場合に、詐欺だということをなかなか立証しにくいずる賢い手口であることもわかります。

チケット金融を斡旋するような業者が正規の貸金業者であることは決してなく、悪徳業者であることは間違いありません。

1度引っかかってしまうと手を切るのも厄介ですので、決して自分から近づいて、チケット金融からお金を借りてしまう事がないようにしましょう。


 

「債務整理」と「闇金対応」が得意なおすすめの専門家をご案内していますで、以下のボタンからランキングをご覧ください(※すべて全国対応)。

 

この記事の監修者

この記事の監修者 この記事の監修者は、株式会社タンタカの代表取締役「丹野貴浩(⇒プロフィールはこちら)」で、簿記1級の資格を持ち、10年以上、クレジットカードやローンなど金融系のWEBメディアを運営・管理している実績があります。
   

PAGETOP